- Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
- / ISBN・EAN: 9784904863183
作品紹介・あらすじ
『仙台学』vol.1~10(2005~2010年)の連載エッセイを全面改稿。加えて、単発エッセイ1編、震災後のエッセイ「史上最大の復興」「震災のこと」、宮城県沿岸で移動図書館のボランティアをする青年を主人公とした書下ろし短編「ブックモビール a bookmobile」を収録。
感想・レビュー・書評
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前半は、仙台にはタクシーが多すぎる、といったエッセイ。後半に、東日本大震災とその後の心境の変化が綴られている。あの頃の、自分に何ができるかという無力感と、傷ついた人や頑張ってる人を見ては感じる罪悪感。そう、そうだったなぁと思い出した。
その葛藤の中で著者がふと気づいたことは、
楽しい話を書きたい。
ということ。
不安なときにニュースもワイドショーもネットの書き込みも、何を見ても情報はたくさん得られるけれどだから安心できるのかと言えば逆に不安になるだけだ。
それなら、楽しい話を読んで一時現実を忘れて、また現実を一つ一つ頑張っていくほうが良いじゃないか。マンガだって良い。人は辛いときに真面目な話なんて読めないんだ。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
早く仙台行きたいな……
ってな事で、伊坂幸太郎の『仙台ぐらし』
伊坂さんが震災前に書き始めた仙台での暮らしのエッセイ集じゃったが、その途中で震災にあってしまう。
震災前と後での伊坂さんの心の持ちようと言うか、誰でもあの震災を体験すれば気持ちは滅入ってしまうじゃろう……。
わしは震災から2年後に出張で東北も担当する事になり初めての東北、そして仙台へ訪れた時、仙台空港の周りの家々は津波で基礎だけ残して無かったり、学校や空き地には瓦礫の山が鬼の様に積まれてたり、ホント現実とは思えなかった真実を目の当たりした時の震えは忘れられない。
で、本の内容は仙台での伊坂さんの日常生活で思った事、感じた事をつらつらと書き流している様で、出張で仙台へ行った時に伊坂さんに遭遇するんじゃないかと妄想してニタニタしながら読んでしまう
伊坂さんの極度の心配性や芯が強そうと思ったら、実は柔軟に柔らかく色んな物事を受け入れられる寛大な人なんじゃろなぁとキュンとしました(笑)
これを読んでる日の夜中にチビチビ呑んでたら、偶然?にも『重力ピエロ』が放送してたので運命感じた
重力ピエロは読んだ様な、読まなかった様な感覚で観たけど、原作は読んで無かったな
それで今日、図書館行って動力ピエロ借りようと思ったら借りられてた
他の人が昨日の映画観てわしみたいに借りたんじゃろな(笑)
2020年24冊目 -
伊坂幸太郎のエッセイ。半年に一度の連載をまとめたものらしい。東北の地震後の描写には、胸を打たれる。
書き下ろしの短編、ブックモービルは震災という骨組みはありながらも、出てくるキャラクター像は伊坂幸太郎作品という感じがあり、震災の話ではなく、そこにいる人間の話として、面白い。
『うまくは言えないのだけれど、その時、僕は、「ああ、そうか」と思うことができた。「僕は、楽しい話を読みたいんだ」と気付かされた。』 -
伊坂幸太郎さんのエッセイ、初めて読みました。
仙台に親戚が住んでいるので、震災前と後、こんな日常があったのかなぁ、と思いながら読みました。
「想像する」という言葉の使い方への指摘にはっとしました。
言葉によって人が傷つくことがあるということを、常に忘れないようにしなければ、と思いました。 -
エッセイなんだけど、文体が小説と同じだし、伊坂さんの実生活があまりにも小説みたいだし、なんなら一部作り話だし、すごい楽しく読めた!
物書きの仕事に興味が湧いた -
伊坂幸太郎が紡ぐ仙台の街は、ユーモラスであたたかい。
著者の恥ずかしい勘違いやビビリを読んでいると、こういうふつうの感覚を持つ人だからこそ、人間味のあるキャラクタや想像力豊かな展開を描けるのかなと思いました。
震災以前、震災以後の仙台を綴った、たいせつな一冊。実家で猫を飼っているので、猫の話が好きです。 -
桃山学院大学附属図書館蔵書検索OPACへ↓
https://indus.andrew.ac.jp/opac/book/539318 -
どんな人なのだろうと思ってエッセイを読んでみたら、とても繊細な人だった…!
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3.3
私も仙台在住で楽しみに本を手に取りました。
何気ない話ですが、語り口も軽快で伊坂先生はいささか心配性が過ぎるんだな、あんな小説を書くのだから変わり者かな?と思いきや意外にも普通で、むしろ安心し身近に感じる事ができました。
今後も作者の作品を手に取っていきたいと思います。