福島第一原発観光地化計画 思想地図β vol.4-2

  • ゲンロン
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  • Amazon.co.jp ・本 (192ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784907188023

感想・レビュー・書評

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  •  現在すでに始まっている原発周辺のガイドの紹介に始まり、2020年の復興博の提案、2032年の一大施設ふくしまゲートヴィレッジ構想へと続いていく。思ってたよりずっと具体的なプランが描かれていて、読んでてワクワクする。
     現在のガイドや未来のプランの中に、原発の問題を風化しない、福島だけの問題にしない、といった重要なメッセージが見えてくる。今、福島でも日本全体でも放射能や原発の問題をなかったことにするような感じになってることを考えると、これはとても大切なことだ。
     福島内外の様々な人が出てきてバラエティに富んだ内容になっていて、どこから読んでも面白い。豊富な写真も嬉しい。
     
     読みながら、福島の10年、20年先のビジョンが前向きに語られることが今まであっただろうかと考えてしまった。だからこの本を読んで、涙が出るほど嬉しかった。
     あとがきまで読んで思った。福島第一原発観光地化計画は具体的に練られた夢なんだと。今、日本は一つの夢の終わりを迎えていると思う。そこに必要なのは新しい夢なのではないか。その一つの形がこの福島第一原発観光地化計画なんだと思う。
     今こそ福島の未来を語りたい。本当に多くの人に読んでもらいたい一冊。

  • これ、まじめに取り組んだほうが良いのでは?

    ダークツーリズムという観点もともかく、日本の原子力技術の集積地としてこのエリアを活用することに、大きな意義があるのでは?と思います。

    実際、行ってみたいですしね。

  • 賛否両論、福島第一原発観光地化計画のいわば叩き台。計画に対して懐疑的な人との対談や、現地のレポートも含めた内容。以後、本計画を批判するのであれば、簡単にでも、この本に目を通してほしい。
    発起人の東もあとがきの中で認めるように、現実と夢想が混ざり合った状態の計画かもしれないが、まだ見えない状態のもの対して、こうしたい、という形を考えて、調べて、議論して、まとめて、提示しているだけでも充分賞賛に値すると思う。
    あとがきの文学、哲学に対する意志は、程度の違いこそあれ、少しでもそれに触れたことのあるつもりの自分としては、よく言ってくれたと思う。

著者プロフィール

1971年東京生まれ。批評家・作家。東京大学大学院博士課程修了。博士(学術)。株式会社ゲンロン創業者。著書に『存在論的、郵便的』(第21回サントリー学芸賞)、『動物化するポストモダン』、『クォンタム・ファミリーズ』(第23回三島由紀夫賞)、『一般意志2.0』、『弱いつながり』(紀伊國屋じんぶん大賞2015)、『観光客の哲学』(第71回毎日出版文化賞)、『ゲンロン戦記』、『訂正可能性の哲学』など。

「2023年 『ゲンロン15』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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