ガザの空の下 ―それでも明日は来るし人は生きる

著者 :
  • dZERO
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感想 : 6
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  • Amazon.co.jp ・本 (300ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784907623210

作品紹介・あらすじ

紛争が長く続くなか、筆舌に尽くしがたい過酷な環境で生きるガザの人々の深い悲しみと強い怒り。
一方で、日本人の私たちと同じような日常と人生がある。

「それでも明日は来る」ことは希望なのか残酷なのか。

20年近くパレスチナとその周辺取材を続けているジャーナリストによる入魂のノンフィクション作品です。

感想・レビュー・書評

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  • イスラエルとパレスチナの現状について、IBBYが声明を発表 | JBBY(2023年10月30日)
    https://jbby.org/news/oversea-news/post-18423

    『ガザの空の下――それでも明日は来るし人は生きる』|感想・レビュー - 読書メーター
    https://bookmeter.com/books/10873238

    終了した催し
    【広島】2022世界人権デー記念:講演会「 パレスチナ、シリア、そしてウクライナ:講師 藤原亮司さん(ジャーナリスト)」 : アムネスティ日本 AMNESTY
    https://www.amnesty.or.jp/get-involved/event/2022/1210_9786.html

    ジャーナリスト藤原亮司のブログ
    https://ameblo.jp/chibikurumi/

    ガザの空の下 | 藤原 亮司 | dZERO
    https://shop.dze.ro/books/67
    --------------―
    Michiyo Kさんの本棚から

  • 中東で何が起きているのかいまいちわからない。いろいろと本も読んだがどうも納得できない。パレスチナの言い分を聞くと、元から住んでいた人を追い出して作ったのがイスラエルという国、みたいに見えるけどそれは正しいのだろうか? アメリカがそういう国の肩を持つのはどうしてなんだろう? イスラエルの言い分は?
    本書の視点はごく低く、著者のパレスチナ/イスラエル取材での体験や、会った人たちの発言がメインだ。鳥瞰図を与えてくれるわけではないので、ぼくの疑問はそのまま残ったが、ガザや、難民キャンプで暮らす人たちの「おれたちはどうしてこんな目に会わなくてはならないんだ」という理不尽がそのまま突き刺さってくる。一方のイスラエル人の言い分は説得力がない。つまるところ著者の言うように、「おれたちは勝ったからここにいるんだ」ということなのかな。で、何十年も、何百年も経ってから「あのときはおれたちが悪かった、強引だった」と言い出すのかな。アメリカが、ネイティブアメリカンに謝ったときみたいに。だったら歴史って意味ないな。

    イスラエルとパレスチナの言い分を、中立な立場から解説してくれる本ってないだろうか? 

  • 藤原亮司(1967年~)氏は、大阪府生まれ、ジャパンプレス所属のジャーナリスト。パレスチナ問題のほか、国内外の紛争地や社会問題の取材を続けている。
    本書は、著者が最初にパレスチナを訪問した1998年以降、繰り返しパレスチナを取材した記録をまとめ、2016年に出版されたものである。
    私は、1990年代の大半を海外で過ごしたこともあり、国際情勢には関心を持っているが、国際・民族問題の縮図ともいえるパレスチナ問題にはとりわけ関心があり、数年前(本書の取材の後になるが)にはフリーで一週間エルサレムに滞在し、公共交通機関を使ってラマッラ、ベツレヘムなどヨルダン川西岸地区に足を延ばしたこともある。当時は、イスラエルとパレスチナの武力衝突は収まっており、訪れた各地でも、街頭にはマシンガンを肩に掛けたイスラエル兵士が立ってはいたものの、小競り合いすら見ることはなく、そこでは(少なくとも表面的には)平穏な生活が営まれていた。(尤も、当時でも、ガザ地区は事実上封鎖され、一般の日本人は入ることすらできなかったと思われるが)
    また、エルサレム訪問の前後には、パレスチナ問題やイスラエルに関する多数の本も読んだが、本書はそのときに入手しつつ未読で、最近イスラエルとパレスチナの緊張が再び激化しているのを見て、書棚から引っ張り出して読んでみたものである。
    読了して、最近のニュースの映像で流れるガザの人々が、どのような気持ちで日々生活しているのかに改めて思いが及んだし、それは、本書の取材当時から何ら変わっておらず、我々が忘れているだけなのだということを思い知らされた。

    「もし、イスラエルがおれたちに当たり前の生活をくれたら、おれたちは安全をやる。パレスチナ人の生活を奪うから、やつらには安全がないんだ。ガザに閉じ込められ、おれたちはどこにも行けない。仕事も、プライドもない。まともな生活ができない。未来を考えることもできない。ここはバカでかい監獄じゃないか。どうしてパレスチナ人は、自分の将来を考えることさえ許されないんだ。それでも、おれたちは何とか少しでもマシな暮らしをしようとするしかない。世界中のすべての人に聞きたい。おれたちはこんな場所でどう生きればいい?」
    (検問所で銃を乱射し、その場で射殺された男の兄の言葉)「何がジハードだ。自由に生きることもできない毎日の中、どう生きるかよりも、どう死ぬかを考えるのは自然なことじゃないか」
    (「大きくなったら何になりたいか」と尋ねた10歳の少女の答え)「朝、目が覚めて自分が生きていると分かったらその日何をしようか考えるけど、いつ死ぬかもしれないから先のことは分からないな。将来のことは、大人になるまで生きていたら考えるよ。」

    世界のどこかで紛争が起こるたびに、我々一般の日本人にとってできることは何かと、改めて思うのだが、それはただ一つ、その事実・問題に関心を寄せ続けることなのであろう。著者と長年の付き合いのあるパレスチナ人・サミールの言葉がそれを示している。「フジ(著者のこと)、ガザのことがニュースに取り上げられなくなって世界から忘れられても、お前はそれでもガザを気にかけてくれるか?」
    (2021年5月了)

  • ニュースや新聞ではいつまでたっても分からない「なぜ争いが始まって、なぜ終わらないのか」に対して、現状を伝えようとするジャーナリズム。
    読み終わったら「なぜ」はまた大きくなったけれど、現状を知って正しい目を持つことがとても大切だと思わせてくれる一冊だった。

  • どれだけ日々がつらくても、人は腹が減ってメシを食い、家族や友人と冗談を言い合って笑う。
    女の子にモテたいと見栄を張り、エロ話をし、新しいスマホを欲しがる。
    人を妬んだり羨ましがったりもする。
    日本にいる私たちと変わらない暮らしがそこにはある。

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著者プロフィール

ジャーナリスト(ジャパンプレス所属)。1967年、大阪府に生まれる。1998年からパレスチナ問題を追っ ている。ほかに、シリア、イラク、ウクライナ、アフガニスタンなどの紛争地や、国内では在日コリアン、東日本 大震災、原発問題などの取材を続けている。安田純平が拘束中には、独自の人脈をたどって国外にも足を運び、安田の安否情報の収集に奔走した。著書に『ガザの空の下』(dZERO)がある

「2019年 『戦争取材と自己責任』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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