- Amazon.co.jp ・本 (288ページ)
- / ISBN・EAN: 9784907986018
作品紹介・あらすじ
「食べものって、単なる死骸のかたまりなんですか?」——コピペ時代の「食」の歴史/物語。
ナチス時代の人びと、あるいは明治時代の貧民窟で暮らした人びとは、何を食べていたんだろう? 原発やTPPで揺れるわたしたちの食生活は、これからどうなっていくのだろう? ホコテンと公衆食堂が必要なわけは......? 歴史の細部から新しい物語をつむぎだし、エネルギーや生命倫理、生活文化 をめぐって、わたしたちに共考をうながす多彩なテクストを集めました。『ナチスのキッチン』で一躍脚光を浴びた著者と一緒に、これからの「食」や「農」のあり方について考えてみませんか?
感想・レビュー・書評
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面白い。独特の手触り感があり、するする読める。
食をめぐって、時にエスノグラフィーが綴られ、時に歴史、時に政治が語られる。
フードコートの垣根の低さと民主性
TPPに必要なのは脱国益性
トラクターの騒音と振動による異質の疲労
化学肥料のつくられ方(爆薬と同じ)と原発(原爆と同じ)
牛乳から読み解く戦後日本のメンタリティ詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
ふむ
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ここのところ藤原先生のお名前をあちこちで見かけるようになった。自分が意識しているからかも知れないが。
前に読んだ農業と戦争にも書かれていたが、有機農業とナチスの関係、戦争と食料・糧食(あるいは銃後の国民の食べ物)確保の切っても切れない関係、など知らなかったことがたくさんある。
本書ではフードコートで読書会を、とか、トラクターの騒音と振動から身体と労働の関係を考えたり、熊本市立図書館での「食に関するビブリオトーク」の記録や牛乳と日本人についての論考が興味深かった。 -
食
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生物、食品、食堂、農業、労働、身体と機械とリズムとノイズ、ナチスの自然・健康至上主義、そして「台所」と人間の自己家畜化。2004年から2014年までに新聞雑誌等に寄稿された原稿が収録されている。複製技術時代を人間の身体でいきるうえでの文明論考および書評だがエッセイ風で読みやすい。ややテーマが散見するけど、思考の入口が多いともいえる。読みたい本が増える…。
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2004年~2014年に著者が様々な雑誌などに書いたものをまとめた、エッセイ集のような一冊。
食というものを、農というものを、
フードコートや、身体疲労、肉体疲労、ナチ時代などの視点から広げて考えていく流れは、
とても新鮮であり、腑に落ちるものでもあった。
「ナチスのキッチン」は近いうちに読みたい。
自分用に気になる文章を引用しておく。