自分と他人の許し方、あるいは愛し方

著者 :
  • ミシマ社
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  • Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784909394378

作品紹介・あらすじ

女性が歳を重ねて生きる、それは「喜び」のほかない。
恋愛、結婚、出産、更年期…
今ではほとんど語られなくなった、人類の深い知恵をもう一度。

・男と女が、結婚や性愛を超えて、人生を見届け合う関係
・社会活躍や恋愛や家族を超える、「献身」の幸せ
・からだの快を喜び、不快をはっきり伝える矜持
・子どもに許されることと、親を許すこと
・病気の友人や故人への想いを託す言葉を見つけること…etc.

酸い甘い、古今東西、人の生き死に。
越境する思考が、先が見えない時代の足元を照らす。

感想・レビュー・書評

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  • 拒絶される恐怖 | みんなのミシマガジン
    https://www.mishimaga.com/books/osekkai/005115.html

    自分と他人の許し方、あるいは愛し方 | 書籍 | ミシマ社
    https://mishimasha.com/books/9784909394378/

  • その言葉が、何も悪気なく放たれることは分かっているのに、いたたまれなくなる時が沢山ある。
    ただ生きているだけで、もったいないとか、喜びを知らないとか、言われる時の先輩面。
    わかる気もするが、どうにもできないこともある。
    それを割り切れない自分にがっかりもする。

  • エピローグがすべて

    「闘わねばならないものがあるとしたら、自己憐憫と罪悪感だけ。叱られてきたあなたを、自分で許すだけ。自分を許し、人をほめる。叱らなくていい、誰も叱らなくていい。ただ、この世に生まれ、同じ時代を共有している喜びを、あなたと、愛でていたいのだ。」

  • この本に出会えたことに感謝。
    終盤に書かれていた、フェーズが変われば女性は適応して能力が上がっていくという内容。
    ずっと言いたかったことが綺麗に言葉になっていてスッキリ。
    高校生の頃は自分で弁当を作ろうと思っても眠くて出来なかった。
    社会人になった今は弁当作りに使える時間は減っているはずなのに作れている。きっとフェーズが来てお弁当をつくる能力が上がったのだと思う。
    もっと自分を評価してもいいんじゃないか。

    エピローグの話も共感しすぎて泣きそうだった。
    お弁当を作れなくて、いつもコンビニ弁当や惣菜パンを食べていた。そのことについて沢山の同級生に叱られた。きっと私の一部は死んでいるのだと思う。
    当時は弁当を作れなかったけど、それ以外のことを頑張っていたから十分じゃないか。もっと早く自分を許してよかったんだ。
    周りの人は弁当が作れない私を叱ったけど、今はフェーズが来て弁当を作ることができる。もう...いや、そもそも弁当が作れない自分を責める必要はないし、これからはそんな自分を許して愛でていきたい。

    以前友達にボヘミアン・ラプソディーを勧められたことを思い出した。
    わたしはクイーンを知らないし、性的な内容が濃いと聞いたことがあったので敬遠していた。
    この本を読んで、ボヘミアン・ラプソディーを見てみたいと思った。

  • 「闘わなければならぬものがあるとしたら、自己憐憫と罪悪感だけ。叱られてきたあなたを自分で許す」

  • 女子大で国際保健を研究されている三砂先生のエッセイです。
    死ぬほどの恋ってみんなができるものじゃないとか、国際的にセックスしなくなった今の日本での性教育が避妊に偏っている(逆にセックス は素晴らしいと言ったり、自分の体は尊いものだから大切にすることを教えてる方が良いのではないかと三砂先生は言ってます)のではないかとか納得できます。

    エピローグのみんな叱られるのが嫌い、叱られると自分が死んでいく、みんな褒められたい、認められたい、愛されたいんだっていうのがすごく良くて、自分や人に優しくしたいとしみじみ思いました。

  • 歳をとって若いうちに死ぬほど恋をすればよかったって言う人いるけど、そもそもそれってかなり難しくない?って話が妙に納得。あまり愛とかをテーマにした本読まないのだけど、重すぎず、サクサク読めました。

  • 女性に生まれたこと、年を重ねることに対して気持ちが軽くなった。活躍の形はいろいろ、がとても響いた。
    それぞれのフェーズでしか味わえない気持ち、悩みをまだまだたくさん味わうことができると思うとなんだかこの先ワクワクしてきた。

  • 救われた

  • 女性の社会進出や女性差別の是正がめざましい近年、結婚や出産を望まない若い女性をよく目にする。そういった考えは友人にも多く、逆にそれが一般的な考えなのかもしれないと錯覚するくらいである。でも、私は幼い頃から今現在まで、実現するかは別としても、いつか大好きな人と結婚したいし、苗字だってお揃いにしたいし、子どもも欲しいと願ってきた。働きたくないわけではないけれど、本音で言えば、専業主婦になりたいとも。現代は、家庭を築き家族のために尽くすことよりも、女性がバリバリ仕事をしたり、自分だけの人生を全うすることこそが正義とされているように感じて、肩身が狭い(笑) 私はきっと大手企業に就職して活躍するよりも、家族に献身する方が幸せなのだと思う。
    普段はなかなか口に出せないけど、自分の今後の生き方や幸せについて、ずっと思っていたこと、考えていることを肯定してくれるような内容だった。
    女性として生きることを楽しみたい。

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著者プロフィール

1958年山口県生まれ。兵庫県西宮市で育つ。京都薬科大学卒業。ロンドン大学PhD(疫学)。作家、疫学者。津田塾大学多文化・国際協力学科教授。専門は疫学、母子保健。著書に、『オニババ化する女たち』(光文社新書)、『死にゆく人のかたわらで』(幻冬舎)、『女が女になること』(藤原書店)、『自分と他人の許し方、あるいは愛し方』(ミシマ社)、『女に産土はいらない』(春秋社)、『セルタンとリトラル』(弦書房)、『ケアリング・ストーリー』(ミツイパブリッシング)など、きものについては『きものは、からだにとてもいい』(講談社+α文庫)がある。編著に『赤ちゃんにおむつはいらない』(勁草書房)、共著に『気はやさしくて力持ち』(内田樹、晶文社)、『ヒトはどこからきたのか』(伊谷原一、亜紀書房)、訳書にフレイレ『被抑圧者の教育学』(亜紀書房)などがある。

「2024年 『六〇代は、きものに誘われて』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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