料理の意味とその手立て

  • タブレ
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感想 : 14
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  • Amazon.co.jp ・本 (244ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784910402000

作品紹介・あらすじ

ウー・ウェンさんのレシピで料理を作ったことがありますか? 
レシピに必要な材料や調味料は驚くほど少なくて、手順もかんたん、時間もさほどかかりません。なのに、食べると細胞が芯から喜ぶような。
からだに優しく染みるスープ、素材の味が力強い炒めもの、みずみずしい蒸し料理。小麦粉料理はすこし手間がかかりますが、覚えたら、一生の友となってくれることでしょう。
塩の役割、油の温度の利用の仕方。炒めもの、煮もの、和えものなど調理方法それぞれの仕組み。シンプルなレシピを裏打ちするのは、すべて素材のおいしさを引き出すために考え抜かれた料理のセオリー。
もやし炒めもきちんと作れば立派なごちそうになりますし、家庭では八宝菜を作るより、その8つの素材で違ったおかずを作ったほうがいろんな味を楽しめるし、経済的でもあります。
料理の仕組みを知って、毎日の食事作りを負担なく、楽しく、そして、自由に。
「からだは毎日食べるものでできています。だからヘンなものを食べているひまはありませんよ!」

装幀・造本             有山達也
写真                   長島有里枝
イラストレーション 川原真由美

感想・レビュー・書評

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  • 書籍ご紹介/ ウー・ウェン クッキングサロン
    https://cookingsalon.jp/books/index.html

    かわはらむ
    http://www.kawaharam.com/

    新刊のご案内 | タブレ
    https://taboule.jp/2020/10/25/new/

    • 猫丸(nyancomaru)さん
      もやし炒めも本づくりも同じ素材を活かす真髄とは | レビュー | Book Bang -ブックバン-
      https://www.bookban...
      もやし炒めも本づくりも同じ素材を活かす真髄とは | レビュー | Book Bang -ブックバン-
      https://www.bookbang.jp/review/article/692541
      2021/07/23
  • 消費社会ではわかりやすい味、奇抜な見た目の料理が台頭してしまう。
    より自然な素材の味を楽しむべきではないか。
    わかりやすい味を追求する社会はエスカレートしていくと何にも満足できなくなり、より不健康になる。不健康になるから健康のためのビジネスが流行り、より不自然になる。
    しかし本来あるべき姿は、季節の旬にあわせた自然な食材の味を楽しみ、それが自然と医食同源の実現につながる。
    本書は、食という観点からの「足るを知る」実践の一手になると感じた。

  • 間にいろんな本に浮気しながら読み終えた。浮気中もいろんな本を読んでいて、その中にも食べ物や料理について書かれて本はいくつかある。
    でも「ちゃんと料理ができるようになりたい」と思うきっかけをくれたのは、この本。料理って、美味しく食べるための工夫を少しずつ自分なりに組み込めていくものだし、スーパーで今の旬が何か意識すればカラダも元気になる。というより、旬のものは美味しい。そんなことを教えてくれた。
    炒め物のやり方はこの本を読んでから変わって、シャキシャキした野菜炒めを作れるようになった。
    白菜丸ごとは一人暮らしの私にはまだハードル高いけど、でも今年は白菜の芯まで食べられてどこも無駄にしなかった。
    生活が少しずつしっかりしていく。

  • 同じ素材でも切り方や下処理でそんなに美味しくなるのかー。素材の扱いを自然にうまくこなせるようになってみたい。ちょっと今は余裕なさすぎてキツいから、まあ、徐々に。

  • ウーウェンさんの料理。中華をベースに、家庭料理を広く日本に広めた方。落ち着いた雰囲気で、中華、中国とのギャップも感じさせる印象ももっている。日本的と言っては失礼かもしれないが、すごく丁寧で、控えめな語り口も人気のポイントかも。もやし炒めはごちそうだ。時間を少しかけて髭をとり、段階的に中火、強火で炒め、味を整える奥深い料理ということでもパンチ力のある話。もう一つは、鍋を返してカッコよく決まる中華のシーン、これは最後の仕上げだと言い切る。鍋は加熱したボール、最後に食材たちが集まって混ざり合う仕上げの工程だというのは非常に新鮮味のある話だと思った。回鍋肉を中国で習ったときに、戻るという意味の「回」の意味でを知って驚いたものだ。てっきり、鍋を回すのだと思っていたから。先に油通しをしておくキャベツと豚肉が最後に鍋に戻ってくる。ウーウェンさんは、油ではなくお湯で通してというレシピだけど同じことだ。トマトと卵の炒め物も、中国で覚えた基本中の基本の家庭料理。トマト炒卵という風に漢字で書くのだけど、よく頼んでは子供みたいだねと笑われた。すごく家庭料理的なんだと思う。中華と言えば、蒸しものも多い。野菜を蒸すことで味と香りが同時にほんわり、ふわっとかおる。色香味という三つが料理の基本という言葉がある通り、中華の奥深さはシンプルさにもある。料理に調理法が明示されることが多いのも基本があるからだろう。炒蒸煮だけなく、焼くとかもそうだが、料理名を見ると想像できるようになっていることが多い。日本も中国も、スープは飲むもので食べるものではない。自然に寄り添うアジアの食文化の奥深さは、ヨーロッパの比ではない。一食一食を大切に、ウーウェンさんの温かいメッセージと、レシピが沁みますね。

  • 中国料理は本質的に油を使う。そこが日本料理と違う。和え物のところで強く感じた。説明がとても分かりやすいのがすごい。第二言語でこれを書けるのはすごい。

  • 前々からレシピ本を使わせていただいていた方。縁あって日本に来たことも初めて知った。料理のレシピプラス調理過程の理由について書いてある。

  • ●はじめに
    もやし炒めはごちそうです。 
          料理 もやし炒め


    料理の仕組みを知る。

    ●塩のはなし。
          料理1 小松菜の塩炒め
          料理2 豆乳のスープ

    ●油のはなし。

    ●調理方法のはなし。
    ・炒めものーー加熱したボウルで素材を和える。
          炒めもの1 卵とトマトの炒めもの
          炒めもの2 母のナスのピーナッツオイル炒め
          炒めもの3 回鍋肉

    ・煮ものーー素材の水分が出汁になる。
          煮もの1  シンプルな豚の角煮
          煮もの2  きのこと鶏肉の煮もの

    ☆サロンクラスを実況中継
    麻婆豆腐は煮ものです。  
          料理 麻婆豆腐

    ・揚げものーーお相撲さんの湯船方式で。
          揚げもの1  鶏の唐揚げ
          揚げもの2  風干し茄子の揚げ煮

    ・蒸しものーー放置する時間でみずみずしさが決まる。
          蒸しもの1   パプリカ
          蒸しもの2   蒸し豚
          蒸しもの3  ポテトサラダ

    ・和えものーーおいしさくまとめる方程式。
          和えもの1   れんこんのねぎ油和え
          和えもの2   春菊の白和え          
          和えもの3   カブとクレソンのわさび和え

    ●野菜のはなし。
          野菜料理1  大根のジャコ炒め
          野菜料理2  きゅうりと油揚げの炒めもの

    ☆サロンクラスを実況中継2
    白菜は家族を守ってくれます。
              料理1 酒粕の入った肉団子鍋
              料理2 白菜と鶏肉のせん切り、こしょう風味炒め
              料理3 甘酢炒め
              料理4 白菜の芯の和えもの

    ●肉のはなし。
          料理1  豚肉とほうれんそうの辛子和え
          料理2  牛肉と香味野菜の炒めもの

    ●お酢について
          料理1  じゃがいものシャキシャキ炒め
          料理2  酢鶏



    生きる手立てをもつ。

    ●わたしのことを、すこし。

    ●小麦粉は頼もしい。
          小麦粉料理1  葱花餅
          小麦粉料理2  肉餅
            
    ●季節を食べる。献立の考え方。

    ●からだを整えてくれるお粥とスープ。
          おかゆ1  黒米粥
          おかゆ2  きび粥
          スープ1  搾菜のスープ
          スープ2  干しえびとレタスのスープ

    ●今日を大事に。

  • いわゆる「中華料理」とは一線を画す、北京の家庭料理をルーツに素材を活かす料理を教えてくれる。指南する内容はシンプルで分かりやすいが、料理本らしからぬ「意味と手立て」という題名にある通り真摯に料理と向き合う姿勢も求められる。そもそも炒めものは忙しい人がわざわざ作る料理ではない、という世間の常識とかけ離れた言葉が突き刺さる。

  • そもそも、おいしくない素材はありません。いつも作る料理がひょっとしていまいちなのは、素材の扱い方を間違えているのかもしれません。切り方、調理方法、その時間の考え方…。料理研究家ウー・ウェンさんが料理の本質を教えてくれます。

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著者プロフィール

ウー・ウェン(うー・うぇん)
中国・北京生まれ。料理研究家。1990年に来日、97年にウー・ウェン クッキングサロン開設。主な著書に『シンプルな一皿を究める 丁寧はかんたん』(講談社)、『料理の意味とその手立て』(タブレ)、『ウー・ウェンの北京小麦粉料理』『ウー・ウェンの100gで作る北京小麦粉料理』(高橋書店)、『これでいいウー・ウェンのありのままの一皿』(婦人之友社)などがある。

「2021年 『北京の台所、東京の台所』 で使われていた紹介文から引用しています。」

ウー・ウェンの作品

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