50代からの、池波正太郎の食と街

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  • Amazon.co.jp ・本 (192ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784910825083

作品紹介・あらすじ

企画概要
“時代小説作家”であり、“食のエッセイスト”としての顔も持つ池波正太郎は、2023年、生誕100年を迎える。だが彼が、その二つの顔を持って活躍し始めたとき、彼はすでに50代に差し掛かろうとしていた。彼はその年齢から作家としての長い最盛期を迎え、67歳で亡くなるまで成長を止めることはなかった。そこにはどんな秘密があったのか…? 本企画では、彼の時代小説家としての頂点をなす“江戸三大シリーズ”(『鬼平犯科帳』『剣客商売』『仕掛人・藤枝梅安』)の中でも、最も後発の作品であり、最終話は絶筆となって中断し、2023年2月に2部作の新作映画として公開される『仕掛人・藤枝梅安』を中心に、池波正太郎の最盛期はこれなしで語れない重要なアイテムである、食、そして東京の街への彼の思いや関わり方から、その作家としての最盛期を、いわゆる“アラフィフ”以降の一つの生き様の具体例と考えて、その秘密を読み解こうとする企画である。

構成
(1)“仕掛人・藤枝梅安”は池波正太郎が創った“ラスボス”か? 
(2)“食の随筆家”としての池波正太郎の誕生
(3)池波正太郎の“食のエッセイ”のその後
(4)池波正太郎の“東京の街、再発見” ① 銀座編 
(5)池波正太郎の“東京の街、再発見” ② 浅草編 
(6)池波正太郎の“東京の街、再発見” ③ 神田連雀町編 
(7)“50代”を迎えての作家・池波正太郎の生き方 ~老後、そして時代への不安の中で~
“江戸三大シリーズ”の連載小説執筆を軸とする、作家・池波正太郎の最盛期は、同時に、彼にとってはすでに始まっていた“老い”や、いつか来るべき“死”への不安とも向き合うような日々でもあった。しかし、その間、彼は54歳のときに、自身初のヨーロッパ旅行としてフランスへ行き、以後、数度にわたってフランスを中心にヨーロッパや東南アジアを旅行するなど、それ以前よりもはるかに精力的な活動を続けた。
 この本は、そんな池波正太郎の“老い”への思いや生き方、また、彼がその老いの時期を迎えた昭和末から見た“時代的不安”などを紹介しながら、単なる時代小説作家ではなかった池波正太郎の、今に通じる“将来への慧眼”などについて紹介する。

感想・レビュー・書評

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  • エッセイで描かれている店舗がいくつもなくなったことを知り、がっかり。

    “時代小説作家”であり、“食のエッセイスト”としての顔も持つ池波正太郎は、2023年、生誕100年を迎える。だが彼が、その二つの顔を持って活躍し始めたとき、彼はすでに50代に差し掛かろうとしていた。彼はその年齢から作家としての長い最盛期を迎え、67歳で亡くなるまで成長を止めることはなかった。そこにはどんな秘密があったのか…? 

  • 神田の竹むら、藪蕎麦、まつやなど今でも残る名店についてもあれこれ書かれていて楽しい

  • 数多い作品の中にあるシーンから、作者の食と街に関する思いを紹介している
    新富鮨の良さとはいかなるものか。それはまず、午後に営業を中断する休憩時間がないこと。また、主人も職人も、また客ももの静かであること。さらにはじめての客に対して、扱いの良さ、親切さが挙げられている。

  • 今年生誕100年の池波正太郎氏の49歳からの「作品と人生」を読み解き、「江戸三大シリーズ」、「銀座」、「神田」、「浅草」の街を如何に描いたかを。『時代小説家』であり『食のエッセイスト』の神髄に近づく。

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著者プロフィール

壬生 篤:作家・編集者。東京都出身、東京都立大学卒。雑誌編集者を経て、現在は江戸・東京の歴史案内・文芸評などを専門に、執筆、編集、劇画原作・シナリオなどを手掛ける。著書に『昭和の東京地図歩き』、『「鬼平」と江戸の町 作品の舞台を訪ねる』(共に廣済堂出版)、『TOWN MOOK 文豪・永井荷風 人生の旅路』『究極版 江戸古地図ガイド』(徳間書店)、コミックス『文豪の食彩』(原作)、『文豪の食彩ビジュアルBOOK』(日本文芸社)など。「文京区+早稲田 文豪ウィーク」を監修、フジテレビ主催「素敵なスマートライフ銀座校」にてセミナー「鬼平と江戸と食」講師を勤める。

「2016年 『池波正太郎を“江戸地図”で歩く』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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