オーストリアの歴史

  • 成文社
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感想 : 1
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  • Amazon.co.jp ・本 (206ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784915730122

感想・レビュー・書評

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  • イギリスのオーストリアの歴史。という妙な日本語で表現したい。
    ちゃんとオーストリアの歴史を書いているのになぜかイギリス史を読みたくなる。
    これ一冊で知るには向かないけれど、いろんな意味で面白い。
    イギリス人の著者がイギリス向け?に書いた1966年初版の本ということを念頭において読むべし。BGMは「God Save the Queen」で。
    日本人が書いたアジア史(の一部)を読んだヨーロッパ人はこんな気分になるのかもしれない。

    視点は常に上の人。上から目線とは違う。自分が上なのは当たり前だからわざわざ見下したりはしない。偉い人の目線で物事を見る。
    王侯貴族や政治の上層部に軸をおくから、被植民者の抵抗は「執拗な攻撃」で反宗教改革の動きは「喜ばしいこと」と表現される。

    ほかの本で読んだことと少し見方が違って(それは偏っているということなのかもしれないけれど)なるほどそうも読めるかと興味深い。
    人物の書き方が魅力的。エピソードを交えてそれぞれの良さや弱さを描いていくから、人物のひとりひとりや出来事のひとつひとつを全部知りたくなる。

    ただ、現代に近づくにつれて大英帝国思考が鼻につき始める。
    というかイギリスびいきすぎだろう。
    イギリスが顔を出すわけじゃないけれど、気配が強すぎてそっちに目がいってしまう。
    冷戦時代の本だからなおさら、イギリスは善い国、悪いのはロシア、戦争を始めたのは枢軸国(ナチ・ドイツ≫野蛮なハンガリー>オーストリアとかその辺てきとうに)というあくのしゅうだん、なのに援助して救ってあげた連合国(イギリス≫≫アメリカ>一応フランス)はすばらしい。みたいな空気がナチュラルにある。
    1938から1945まで一気に飛んでしまうのが残念。

    その辺だけ気になるけれど、面白いことは面白かった。確認の意味もこめて他の本たちをたくさん読みたくなる。知りたいことがどんどん増える。

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