あくたれラルフ

  • 童話館出版
3.71
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本棚登録 : 826
感想 : 97
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  • Amazon.co.jp ・本 (46ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784924938267

作品紹介・あらすじ

ラルフはあくたれねこでした。もう、これでもか、というほどの。セイラがかわいがってもおかまいなし。セイラは、からかわれても、パーティーをだいなしにされても、お母さんのお気に入りの鳥を追いまわされても、お父さんのパイプでしゃぼん玉をとばされても、ラルフがすきでした。ラルフはセイラのねこでした。ところがある日、ラルフのあくたれは、度をこしてしまいます。ねこが、ぜったいやらないことを、しでかしたのです。サーカスでのできごとでした。「きょうのラルフのいたずらはひどすぎる」と、お父さんはいいました。「ラルフ、ときどきあんたをかわいいとおもえなくなるわ。」と、セイラはいいます。ほんとに、そのとおりでした。最後には、セイラの愛がまさり、ほんのすこしいい子にしていれば、やさしくしてもらえるということが、ラルフにもわかります。そして、ラルフのあくたれぶりも変わります。でも、やさしくおもいやりのあるねこに大変身したラルフでも、たまにはあくたれたい、という誘惑にまけてしまうこともありますけど、ね。4才くらい向き。

感想・レビュー・書評

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  • 読み聞かせ用。
    あくたれすぎるやろ!

  • ラルフのあくたれっぷりがあまりにも酷くて、はじめは笑えましたが、度が超えてきて次第に困惑しました(笑)
    恵まれた環境で愛されて暮らしていたことを理解して改心するラルフの成長にほっこりします。
    お父さんが自分がサーカスに置き去りにしたくせにラルフを心配し、帰ってきたラルフを歓迎する場面だけは腑に落ちず、もやっとして終わりました。

  • 2017.2.13
    あくたれ!悪いネコだなあ。どんだけ悪いんだラルフ。顔も悪い。ラルフのあまりの悪さに笑っちゃってちゃんと読めない。でもこんな子がそばにいたらものすごい大変だけど、いないとさみしいんだろうな。おっと、どっかのいたずらっ子と一緒じゃないか。

  • 猫大好き。
    あくたれでも大好き。
    変わらぬ愛。

  • 最後、完全にいい子にならないのが良かった。
    あくたれでも、家族には大切。
    君も愛されてるんだよ、という安心感を子供にもたらしてくれる本。

  • ちなみに原題は“ROTTEN RALPH”。ROTTENは「ジョニー・ロットン(The SEX PISTOLS)」のロットンと同じ。(人が)あきれた、とか、腐ったという意味。

    まず、アメリカなどのキリスト教国は、日本とは「あくたれ」の概念が違うと思う。
    この本でラルフは「そんなことやったらみんな困るでしょ?」ということを平然とやり、案の定、みんなから総スカンをくらう。
    でも読後改めて頭に次のことが浮かんだ。『結果がどうなるかわかってるはずなのに、なんでそんなことをやってしまうんだろう?』
    ここで「人のいやがることはしてはいけません」と言ってしまうのは簡単。でもそう言うだけでは物事はまったく解決しないっていうのは、特にいたずらっ子を持つ親からするとみんなわかってると思う。

    もちろん西洋でもラルフがやったようなことをやったら嫌がられるのは日本と同じ。
    でも西洋では“神様の前ではどんな人も平等”っていう考え方があるからなのかな? どんな「あくたれ」があっても最後にはお互い歩み寄れてハッピーエンドていうのが、アニメでも多いような気がする。

    ここで、日本での道徳の教科化から考えてみると、どうも「人のいやがることをするのはやめましょう」で授業が終わってしまうような気がする。

    そんなの言われなくてもわかってるって!

    道徳の時間に本当に学習すべきなのは『それなのになぜ「あくたれ」なことをやってしまう人がいるのか?』、それと『「あくたれ」なことをしたりされたりしたあと、どう付き合っていけばいいのか??』だと思うけどねえ、文部科学省さん?

    その答えをラルフが出してるとは言えない(と言うか、そんな簡単に答えは出ない)けど、子どもにこの本を読んで「他人の気持ちになって考えましょう」とか訳知り顔で親や先生が言って終わりっていうのはあまりにもつまらない。
    「善人なおもて往生をとぐ いわんや悪人をや」。
    子どもは大なり小なり、心の中に「あくたれラルフ」を隠し持ってるはず。聞き分けのいい『よいこ』のほうがある意味怖い。子ども自身に、自分のなかに潜む「ラルフ」をちょっとでも気づかせられるきっかけになれば、読み聞かせた甲斐もあるってものだろう。

  • 「は?なんで戻ってきてうれしいのよ。いなくて寂しい?え?」(S9)
    「俺はMがいなくなっても寂しくないし、帰って来て欲しいとかも思わねぇ。」

    「あくたれ」なネコ、ラルフ。
    あくたれが過ぎてサーカスに置き去りにされる。
    絵も文章もユーモラスでSも「ヒデっ」と言いながらニヤニヤしている。
    最後にはちょっと納得がいかない様子。確かにセイラたちに謝ったりお礼を言ったりしているわけではないからね。
    でもネコってそんなもんだよね。
    それでも居ないと寂しいのがネコ。

  • 原題のROTTENを「あくたれ」と訳した石井桃子はやっぱり天才。ラルフのあくたれ具合も最高。

  • メッセージ性が高い絵本。無償の愛がテーマ。

  • 翻訳は有名な石井桃子さんですが、今の子ども達に「あくたれ」という言葉が通じるか微妙なところでした。
    それでも、少し昔のニュアンスに触れることもいいとは思います。

    ラルフがどんな悪さをしでかしても、その場で怒っても本心では赦す心のある家族。
    悪戯が止まらないラルフに、自己投影する子どもも居るのではないか、と思いました。

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著者プロフィール

1951年ペンシルバニア州に生まれる。エマーソン大学在籍中、『あくたれラルフ』(石井桃子訳/福音館書店)でデビューし、ADHD(注意欠陥多動性障害)を抱える愉快な少年のシリーズ第2巻、"Joey Pigza Loses Control" がニューベリー賞オナーに選ばれた。半自伝的小説、Jack Henry シリーズも人気。

「2023年 『あくたれラルフのハッピーハロウィン』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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