桜鱒の棲む川: サクラマスよ、故郷の川をのぼれ!

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  • フライの雑誌社
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  • Amazon.co.jp ・本 (189ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784939003394

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  • 魔魚狩りでも知られる著者による、サクラマス、サツキマスなど鱒族に関わる昔や今の取り組みの紹介した本。雑誌の書き下ろしを集めた短編集で、多様な内容が書かれている。
    基本的には国土交通省のダム建設や水産庁の種苗放流よるサクラマス増殖を問題視し、市民や漁業者主体の天然魚による河川産卵による増殖を推奨している。
    特筆すべきは、百年以上前の過去の漁獲統計との比較による河川の変化に言及している点だろう。ダムのない川らしい川に対するノスタルジーに溢れており、2010年当時、政権交代による「コンクリから人へ」という政策に希望を抱いているが、政権再交代で心境はいかばかりか。
    国に任せるのではなく、川を知る人に声をあげる勇気と意味を与える本。

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著者プロフィール

1941年中国・大連生まれ。両親の出身地は山形県鶴岡、育ちは東京・新宿。東京海洋大学名誉教授、農学博士。人と魚と水の関係学専攻。
1970年より、原子力発電所、火力発電所、ダム建設、ゴルフ場など開発に揺れる全国各地の漁村を行脚し、漁民たちの研究会に数多く参加。地元夷隅東部漁協の組合員となり、最近は外房の漁業の調査を行っている。
著書に『釣と魚の科学』(産報出版)、『反生態学』(どうぶつ社)、『海と魚と原子力発電所』(農文協)、『魔魚狩り』『桜鱒の棲む川』(フライの雑誌社)、『放射能がクラゲとやってくる』『【新版】魚をまるごと食べたい』(七つ森書館)などがある。
自宅に資源維持研究所(千葉県いすみ市岬町泉887-2)を開設し、漁業を取りまくいろいろな問題への相談に応じている。

「2011年 『これからどうなる海と大地』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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