- Amazon.co.jp ・本 (336ページ)
- / ISBN・EAN: 9784939138607
感想・レビュー・書評
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「あくまはあくまであくまである」40数年前
こんな本の題名に引かれ都筑道夫にドップリはまりました。
なめくじ長屋も好きです。
ちょっと、古臭い? うんそう思う。
でも、初恋の人を紹介します。(笑)
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晶文社版を読んだばかりなので増補部分を中心に読む。
トリックよりロジック重視という著者の主張は、本書に関係なく、有栖川有栖の作家アリスシリーズを読むうちに自分も思い至っていた。鬼面 人を威すトリックは不要で、綿密に組み立てられた犯罪計画のわずかな疎漏を、探偵がロジカルに解き明かしてゆけば、読み応えのあるミステリが成立する。
法月綸太郎による解説の「トリック小説の不自然さを自覚したきっかけが、少年向けの挑戦状ミステリ『蜃気楼博士』だった」。そんなくだりがあったっけ? 気になって最初から跳ばし読み、ようやく見つける。「そもそもは、三年ばかり前、中学生向けの雑誌に、推理小説を連載したことに原因しているのです」。ここだ。
都筑道夫のジュブナイルといえば『妖怪紳士』が後で考えればクートゥルー神話だったり、子ども相手でも手を抜いていない。『蜃気楼博士』も面白いのだろう。 -
ミステリー専門家がミステリーを分析、ただし、ネタバレを恐れて中途半端な展開になってしまっているのは、ある意味仕方がないとはいえ残念。
追記:2020年8月28日
既読を忘れて再読。
本書の構成は3部からなる。「黄色い部屋はいかに改装されたか?」は本格推理小説の3原則(発端の怪奇性、中段のサスペンス、解決の意外な合理性)などテキストとしても面白く読める。「私の推理小説作法」は具体的な事例を提示しているのでわかりやすい。「論争」は特に、佐野洋「推理日記」との名探偵論争を収録。ってことで、星1つ評価を上げます。 -
凄い良かった
今後はこれを基準にミステリを読むことになりそう -
増補版で再読。初めて読んだのは中学生の頃だったか……。トリック不要論、論理のアクロバットなど今読んでも刺激的な論考が軽妙な文体で楽しめる。ポケミス風の装丁も嬉しいね。
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「推理小説のできるまで」もこの際、ポケミスサイズで再発売してくださいませんか? 図書館で読んだきりで持っていないので。
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「フリースタイル」18号に寄稿した縁でいただいた。ミステリはほとんど読まないのだが、昨年から今年にかけて『UN-GO』の仕事をしていたので興味深く読んだ。
というわけで門外漢だけれど、実例をあげてすすむ本文は非常におもしろかったし、さらに、法月倫太郎の解説が、客観的でかつ非常にわかりやい見取り図になっていてためになった。名探偵論は、インターフェースとしてのキャラクター論として考えれば、別の広がりもあるように思った。
個人的には前述のように、『UN-GO』がらみで安吾のミステリやミステリ論には目を通していたので、増補に入っていた「安吾流探偵術」を堪能。