ハードボイルド/ハードラッグ 吉本ばなな

著者 :
  • ロッキングオン
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本棚登録 : 652
感想 : 83
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  • Amazon.co.jp ・本 (125ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784947599674

作品紹介・あらすじ

闇から光へ、冬から夏へ。1999年の癒しの物語。吉本ばなな待望の最新作は、ダブル・フィーチャー・ストーリーズ。

感想・レビュー・書評

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  • 表題になっている『ハードボイルド』と『ハードラック』の二編が収録された短編集。
    奈良美智の挿絵入り。
    どちらも短いお話なので、するすると読める。

    『ハードボイルド』
    ホラーテイスト。挿絵が出てくるタイミングが一番怖い。
    読み進めると千鶴の儚さに惹かれるが、それにしても怖い。

    『ハードラック』
    脳死状態の姉が本当の死を迎えるまでの、心の整理をする家族の様子と、それに伴う妙に穏やかな時間を妹の視点から描いている。
    妹の思い出の中にいる姉が、とても愛おしく感じられた。
    切ないけれど、ふわふわとやさしく、前向きなお話。
    こういう、喪失を目前にした穏やかさが好きなので、言わずもがなお気に入りの一編となった。

  • 吉本ばななの作風を掴めていないので数冊読んでみようと思ったうちの一冊。
    この人は気配とか偶然の意味をよく感じ取るひとなのだろう。物事の動きひとつひとつを大事にしている。
    あとは恐らく自分の性格をそのまま反映させているのだと思うが、主人公の人柄がどの作品も似通っているなと感じた。

  • 死。音楽。「ハードラック」が好き…。親しい、近しい人を失うこと。突然で台風みたいにかき乱すけど妙に考える時間もできる。避けたいけど避けられなくて、早く通り過ぎてほしいけど過ぎないでほしい。

  • 「死」にまつわる短編集。

    夜読んでいたので幽霊の話はちょっと恐かった。しかしこの主人公どんな事があっても冷静ですね~。親友が火事で死のうが、幽霊が出ようが、とりつかれようがお構いなし。「なんとかなるさ」的な気持ちで乗り切ってしまう。

    う~ん、この生命力恐るべし。

    後半のお話は妹が脳死状態になったお姉さんの死を受け入れるまでの話。

    死ぬ事は別に特別じゃない。心臓が止まったら死なのか、脳が死んだら死なのか、そんな事はあまり問題ではないのかもしれない。

    誰が死んでも(もちろん自分も含めて)世界は回る。残った人たちは残った人生を全うするしかないんです。最後に思いっきり泣けて潔く前を向いた妹にエールを送りたい。

  • 人が死を受け入れるその過程が書かれた1冊。ハードラックで大泣きしました。人はずっと人の心の中で生きてるんだなぁと思えました。

  • ハードボイルドは、不気味だから先が気になって、ぐんぐん読めました。ハードラックは、主人公の初恋の話とお父さんとの会話が面白かったです。

  • 季節が変わるように
    時期が終わるのだ。
    ただそれだけだ。
    それは人間の意志では
    どうすることもできない。
    だから逆に言うと、
    それが来るその日まで、
    楽しく過ごすことも可能だ。

  • NARAさんの絵にひかれ、手にとった久しぶりのばななたん❤
    最近ばななさんと蝶々さんの対談を読んだので、ばななさんの小説の見方が変わりました。私にはただの物語にすぎなかったけど、きっとばななさんからすると違うんだろうなぁとか考えましたね。

  • 寝る前に読み始めて、気がついたらそのまま一気に読んじゃいました。
    さらっと読めます。

  • 1999年7月読了。

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著者プロフィール

1964年、東京生まれ。日本大学藝術学部文芸学科卒業。87年『キッチン』で第6回海燕新人文学賞を受賞しデビュー。88年『ムーンライト・シャドウ』で第16回泉鏡花文学賞、89年『キッチン』『うたかた/サンクチュアリ』で第39回芸術選奨文部大臣新人賞、同年『TUGUMI』で第2回山本周五郎賞、95年『アムリタ』で第5回紫式部文学賞、2000年『不倫と南米』で第10回ドゥマゴ文学賞(安野光雅・選)、2022年『ミトンとふびん』で第58回谷崎潤一郎賞を受賞。著作は30か国以上で翻訳出版されており、イタリアで93年スカンノ賞、96年フェンディッシメ文学賞<Under35>、99年マスケラダルジェント賞、2011年カプリ賞を受賞している。近著に『吹上奇譚 第四話 ミモザ』がある。noteにて配信中のメルマガ「どくだみちゃんとふしばな」をまとめた文庫本も発売中。

「2023年 『はーばーらいと』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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