ウォール街流 米国景気予測の方法 - 元ゴールドマン・サックス人気アナリストが明かす実践的手法

  • エナジクス
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  • Amazon.co.jp ・本 (333ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784990334543

感想・レビュー・書評

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  • 著者は、ジョセフ氏である。氏は、コロンビア大学卒でGSリテールリサーチを
    任され、実力を発揮し、18年連続で優秀と表彰されている。つまり、出来る人って事。

    実は本書、書評を書くかどうか本当に悩んだ。
    なぜなら、人に教えたくないからである。それだけ良く出来ている内容だ。
    内容は、タイトルそのままである。つまり、米国景気の予測方法を著者独自の
    視点で行っている。そして、彼の分析ポイントは、簡単に因果関係が理解・説明
    可能であり、チャートで明確に分かるという事に重きを置き、その結果、

    1.時間当たり実質賃金
    2.金利

    以上の二点が、実質個人消費を先行し、景気予測を可能とする。
    なぜこれらなのかは、本書を詳細に読んで欲しい。定量的で科学的であるがゆえに、
    納得感は抜群である。切れ味は相当に鋭い。

    では、なぜ米国景気予測が重要なのか?
    それは、アメリカが世界の消費を牽引しているからである。ここが不景気になれば、
    日本も不景気になるし、世界も不景気になる。逆に好景気になれば、世界も景気が
    良くなる。景気が良くなるって事は、日本で言えば「日経株価」が上がる。よって、
    景気を予測できれば、株価を底値で買い、高値で売ることが出来るのである。

    まぁ、個人的はマクロ経済に明るくなりたいためにもこのような勉強している。
    ってのが、半々だけど(笑)

    仮に、本書に批判があるとすれば、タレブの名書「ブラック・スワン(まぐれの続編?)」
    にあるとおり、人は、

    ■都合良く後解釈をする癖がある。

    つまり不確実性を文字通り”認識”する事の重要性を説き、後で”予測可能”であった
    とか言ってはならない。って事だろう。
    要は、巷で言われている通り、過去のデータは未来の予測に役に立たないって事。

    ただ、景気が循環しているって事も事実である。
    事実があるなら、過去のデータから今後の波を予測する事は、不確実性を予測する事とは
    少し次元が異なる。

    まぁ、やるやらないは個人の勝手だ。
    自分は、大いに参考にする。

  • ゴールドマン・サックス人気アナリストの30年にわたる経験から編み出された実践的な景気予測方法を紹介する一冊。
    誰にでもできる簡潔な手法を豊富な図表を使って丁寧に解説している。

    代表的統計を景気予測に長期にわたって相関関係を検証している。景気は時間の推移に反映される。消費者信頼感指数や、行動経済学に対して、いずれも超目先を見ているだけで予測には役に立たないと指摘している。

    個人消費が企業利益と株式市場を動かす。穏やかな実質個人消費の変化は、その経済全般に持つ圧倒的な影響力により、企業利益に極めて大きな振れを引き起こす。個人消費を予測することがポイント。

    失業率は個人消費の後を追う。雇用ではなく「時間当たり実質平均賃金」の伸びこそが個人消費の先行指標となる。

    各国の金利と「実質賃金の伸び」

    この二点が、個人消費に先行し、景気予測を可能にすると著者は主張する。

  • 2009.1.7 通読
    2012.5.17 売りシグナルの検討のために再読開始。

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