Thank you,my twilight

アーティスト : the pillows 
  • キングレコード (2002年10月22日発売)
3.83
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感想 : 36
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  • Amazon.co.jp ・音楽
  • / ISBN・EAN: 4988003279066

感想・レビュー・書評

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  • 2002年発売のこのアルバムは、ハイファイ・サウンドを意識したということで、シンセやキーボードを取り入れた、これまで以上にポップな作品となってはいるが、本盤辺りから、アルバムの中で、曲の好き嫌いが激しくなってきたような気がしており、私的には、前作の『Smile』の方が、たとえ悲愴感が強くても、ひとつの作品として、まとまった感じで好きだった。

    とは言いつつも、そこはやはりピロウズで、ポップでも、毒や皮肉の効いたものや、孤独感を吐き出した切なさを、山中さわおさん特有のメロディにのせて、歌われると、いいなと思うし、さわおさんも前作ほどの、鬱屈した感じは無さそうだ。

    まず、オープニングから三曲目までの流れが素晴らしく、「RAIN BRAIN」の、ちょっとイカれた感じの妖しいポップから始まり、皮肉たっぷりの歌詞を、激しいオルタナロックで歌う、「ビスケットハンマー」に、チープなPVも素敵だった、「バビロン 天使の詩」へと続く。

    ちなみに、三曲目のタイトルは、ヴィム・ヴェンダースの映画、「ベルリン 天使の詩」から取ったように思われ、これまでのさわおさんの歌詞には、あまりなかった、ゆるい前向き感が印象的。


    ‘終わりだよ’って ‘あきらめな’って
    僕には聞こえない
    ただ風が騒いで じっとしてらんない

    今日も探してるんだ
    僕にもっと似合うシンプルスカイ
    風とキミを呼んで
    ここじゃない世界へ逃げよう

    また、「白い夏と緑の自転車 赤い髪と黒いギター(original egoistic version)」は、さわおさんが北海道にいた時の、若かりし頃の歌で、シンプルに弾き語るタイプながら、徐々に盛り上がっていく展開に、グッとくるものがある。


    孤独には
    とっくに慣れている
    悲しくはない
    泣いたフリしてんだよ

    (中略)

    あの虹を
    それでもまだ見てる
    不自然じゃない
    みっともなくても

    このタイミングで、自らの若い頃を歌うというのは(しかも東京に出てくる前の話)、いったいどうしたんだろうとは思うが、これについては、私なりの考えがあります。

    それは、タイトル曲の、「Thank you, my twilight」の歌詞にあって、ここでの『twilight』は、人生の盛りを過ぎた年代という意味で、既に未来のことを、こうして割り切って言えるところに、さわおさんらしさを感じさせられるが・・要するに、一度、自らの人生を総括しているのではないかと思い、それは、本盤と同時発売した、シングルのカップリングを集めたアルバムの存在も、そう思わせるものがある。

    ただ、人生振り返るの早くない? なんて、失礼な考えも頭を過ったが、これは、今でもピロウズが健在なのを知っている、私の立場から見た考えだからであり、当時の知る人ぞ知るバンドだった、ピロウズにとっては、常に、作品の一枚一枚を、全力で作り上げていたのだと、改めて実感させられた思いだ。

    そんな、素晴らしきタイトル曲は、数年後のライブツアーにおいて、地元の北海道だけで披露した実話もあり、それは、ピロウズが地元のファンの温かさを、ずっと、身に染みて感じ続けていたことを、知ることのできる、素敵なエピソードです。


    Life is beautiful
    僕のルーレット回り続けてる
    She is wonderful
    その瞳に今を映したい
    迷わないで もぎ取った予感を
    奇跡は起こらなくても充分だぜ
    今日が最後の日でも
    Thank you, my twilight

  • 「優しい人の優しい愛を 見殺しにして生き延びた 嘘をついて擦り減った僕の 歌はちゃんと綺麗だぜ」白い夏と緑の自転車 赤い髪と黒いギター

  • 01 RAIN BRAIN
    02 ビスケットハンマー
    03 バビロン 天使の詩
    04 My Beautiful Sun (lorene)
    05 Come on, ghost
    06 ROBOTMAN
    07 Ritalin 202
    08 白い夏と緑の自転車 赤い髪と黒いギター (orijinal egoistic version)
    09 ウィノナ
    10 Thank you, my twilight
    11 Rookie Jet

  • 「白い夏と緑の自転車 赤い髪と黒いギター」を筆頭に、今作は丁寧な音作りをしているなぁ、と感じた。ここが日本である、ということをしばし忘れさせてくれるアルバムでもある。

  • メロディが素敵な曲が多数。
    特に「白い夏と緑の自転車 赤い髪と黒いギター」が良い。
    「Come on, ghost」も好きだなぁ。

    ジャケット写真が「Another morning, Another pillows」と対になってるのも素敵な遊び心♪

  • ピロウズのアルバムではこれが一番好きです。
    気が付くとこれをかけてる感じ。

  • とにかく全ての曲がいい!! 特に『バビロン 天使の詩』、『ウィノナ』、『Thank you,my twilight』は最高すぎて大好きだなぁ。

  • 私がピロウズと出会った最初のアルバム。
    ロックに目覚めたのはこのアルバムのおかげです。

  • キングレコード在籍時中期の最高傑作。
    タイトル曲「Thank you,my twilight」も捨てがたいのだが・・・
    シングルカットされた「白い夏と緑の自転車 赤い髪と黒いギター」の別バージョンが気に入ってます。

  • 名盤

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