ギャング・オブ・ニューヨーク [DVD]

監督 : マーティン・スコセッシ 
出演 : レオナルド・ディカプリオ  キャメロン・ディアス  ダニエル・デイ=ルイス  リーアム・ニーソン  ヘンリー・トーマス  ブレンダン・グリーソン  ジム・ブロードベント  ジョン・C・ライリー  ゲイリー・ルイス 
  • 松竹
3.05
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感想 : 88
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  • Amazon.co.jp ・映画
  • / ISBN・EAN: 4988105026995

感想・レビュー・書評

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  • 『ギャングオブニューヨーク』、久し振りに鑑賞。映画としてはつまらなくて、ストーリーで失敗していると思う。
    それでもなんとか観られるのは、ダニエルデイルイスや脇役のキャストが素晴らしいからなのと、サンディパウエルさんの衣装や美術が良いからだと思います。この点もダメだったら観られたもんじゃないと思う。歴史に興味ない人なんかは特にダメでしょうね。

    この映画は2001年の同時多発テロ後の公開。そのせいでメッセージ性を強く感じる作品に、偶然なってしまっています。ラストシーンだけは何回観ても鳥肌が立つ。
    この頃の映画だと他にサムライミ版『スパイダーマン』もラストに星条旗が追加されています。スパイディはNYのご当地ヒーロー。

    スコセッシがモチーフやテーマにしているもの、彼の作家性はずっと変わっていない。NY、カトリック(宗教)、マフィア(バイオレンス)、あと映画マニア……と自己投影されてる部分が多いので、大概の作品はこのどれかに当てはまる。
    『ギャングオブニューヨーク』を映画化したいと思うのも至極当然なことで納得できる。この作品と近い傾向のものは、これ以前だと『エイジオブイノセンス』で、まずこちらにダニエルデイルイスが出ていた。そしてこれ以降だと『ディパーテッド』。

    スコセッシはイタリア系アメリカ人なので、「若い頃はアメリカ映画ももちろん好きだったけど、イタリアやフランス映画の方が好きだった」と語っていた。イタリアだとロッセリーニやフェリーニ、ヴィスコンティ、そしてベルトルッチなど。フランスだと世代的にヌーヴェルヴァーグ。

    イタリア映画を観ていると、だんだん大作化していくことが多いと思う。ヴィスコンティの『山猫』やベルトルッチの『ラストエンペラー』、レオーネの『続夕陽のガンマン』以降など。
    あまり詳しくないけど、当時の好景気とオペラやチネチッタ、ソード&サンダルものからのエピック映画の文化があるからなんじゃないかなと思う。同じくイタリア系のコッポラが作った戦争エピック超大作映画が『地獄の黙示録』だった。私の好みもあるけど、大作化するとつまらなくなることが多い。『ギャングオブニューヨーク』もチネチッタで作られている。

    この映画のストーリーラインはおおよそ4つ。ダニエルデイルイスとディカプリオが擬似親子であると同時に父親の仇である話。アイリッシュ(カトリック)とWASPのギャングの抗争。ディカプリオとキャメロンディアスの恋愛。史実としての1863年のニューヨーク徴兵暴動。
    エピック映画だしシェイクスピア的だと思う。歴史ものとしては好きだけど、映画がつまらなくなったのは、これらの話がどれも中途半端だったからなのではないかと。


    面白かったのは、キャメロンディアスがサンフランシスコに行きたいという所。ゴールドラッシュは1849年頃から(49ers)。NYから西海岸へ行くのに、地図を見せて船で南アメリカをぐるっと回って行かないといけないというシーン。大陸横断鉄道は1869年、パナマ運河が開通したのは1914年とずっと後、1863年当時はどちらもまだ出来ていなかった。

    史実と全然異なるのは、『グレイテストショーマン』でおなじみのPTバーナム、彼の「アメリカ博物館」が焼失したのは1865年と1868年なのでもうちょい後の話。この映画では同時に起こるので、ただのカオスだった……ギャグとして入れてるんだけど、無茶すぎて雰囲気もクソもないw

    キャスト、ダニエルデイルイスという人はほんとにすごいので、アカデミー主演男優賞ノミネート、そらそうでしょと。次の『アビエイター』では受賞ならず、『ディパーテッド』ではマークウォルバーグが助演男優賞ノミネート、そらそうだよねーとなって、ディカプーかわいそうに伝説が始まった……。

    元々、ディカプリオをスコセッシに紹介したのは『ボーイズライフ』で共演したデニーロ。デニーロがスコセッシに電話をかけて、「若くてすごい奴がいるんですよ!」と教えたのが始まりだったそうな。『ギルバートグレイプ』のディカプリオの演技はものすごいのにね。

    ディカプー父のリーアムニーソン、『スターウォーズ』やのちの『沈黙』でも師匠役でずっと同じ流れ。

    脇役で『ハリーポッター』のマッドアイの人や、『ディスイズイングランド』のスティーヴングレアム。昔のアメリカの話なので、イギリスとアイルランドの良い俳優さんたちが出ている。

    クライマックス、艦砲射撃の煙の中での戦闘シーンが昔から好きで、ポンジュノが『グエムル』で同じようなことをやっている。これらの元が何かずっと気になってるけど『七人の侍』の久蔵のシーンなのかなーと思う。

  • 文芸大作?いえ、監督の自己満足映画でしょう。面白くないし・・

  • マーティン・スコセッシ監督とレオナルド・ディカプリオのダックであったので借りた。
    ディパーテッドやシャッターアイランドが面白かったので目をつけていた。
    やはり映像は素晴らしく、映像と音楽のマッチがまるでツボだった。
    アムステルダムがヘルゲートを出て、聖書を橋から川へ投げ捨てるシーンがもう!着水した聖書をスローで捉えながら祭の音楽が掻き鳴らされるミスマッチなのにマッチしていて痺れた。
    そのような「静動」「美醜」「善悪」「哀楽」の対比がよく使われていて上手いな~と思わせてくれた。

    また父であるヴァロン神父と、仇であるニューヨークとでアムステルダムが揺れる描写はとても良い。描きかたが上手い。かつて仲間だったものが仇の傘下にいる、ギャングではよくある話ではあろうが、時の流れと、暴力が支配していたその時代がよくわかる。
    また戦争をしていた時代であるので、徴兵だとかいう話などは日本の戦時中を思い出させた。この時代の人たちの力強さを感じたし、腐敗した世界の汚さも感じた。

    しかし終わりかたはあれで良いのか。
    アムステルダムたちのその後を少しだって描いてくれたって良かったのではないか。ああ、でもそれは発展していくニューヨーク市街と朽ちていくギャングの墓に託しているのか。
    今回は終わらせ方が少し気に食わなかった。

  • こんな終わり方想像してなかった。
    金持ちで不自由ない生活のはずなのに、愛人といるところで事故ってその隠蔽をし、家族やビジネスが崩壊していく。。。しかも最後はいろんな選択肢がある中で、観客に結末を投げかける終わり方。。。なんだか悔しい。

  • あるサイトにて「「力作」、ただそれだけ。「傑作」でもなければ「駄作」でもない」と書かれていた。まったく同意。
    (また「スコセッシはキチガイや行き過ぎた人物を描かせたらピカイチだが、悩む人物を描くのはいまひとつ」と。確かに。)
    これほどのこだわりを映像に実現する執念は、すごい。
    また、疑似父子関係を中心に据えた展開も、ぐっとくる。
    たとえばビルの言う「I never had a son.(俺には息子がいなかった)」。
    過去完了形ということは、つまり「お前を息子のように思っている」という告白を秘めているのだ。
    それが行き違いのため再度復讐劇へと転化するという筋も、よい。
    実父が行ったこと(誇りを失った相手は殺す価値がない)を、ビルに行われることで、アムステルダムは過去のビルと同じく復讐を果たす。
    しかしお互い精一杯の決闘はもはやできず、時代のうねりに誤魔化され、華々しい復讐ではなく、相手が自ら殺されに来るような。
    (このあたり、父殺しにおける中上健次的なズレを連想したりもした)
    つまりよくできているお話なのだ。

    だが、それを引き起こすのが結局は女の存在であったり、
    やくざ物として話を進めていたのに結局は組合物あるいは恋愛物へ軟着陸したり、
    歴史に呑まれる民衆というよくあるパターンへと落ち着いたり、する。
    筋立ては面白いしテーマも骨太にも拘らず陳腐という、もったいなさ。

    もちろんこちらの勉強不足・認識不足と言えなくもない。
    確かに、ある意味ではてんこ盛り。グループ。移民の宗教。多民族。南北戦争。民主主義システム構築時のドサクサ。家族。友情と裏切り。革命。などなど。
    しかし作り手はあえて、アメリカ国民なかんずくニューヨーカーを観客に限定することなく、全世界を対象にするために、構図を簡略化した。
    ゆえに、事前勉強は不要なのに、事前勉強しておかなければ楽しめない、という変な作りになった、のかもしれない。
    ・ヴァロン神父(と息子アムステルダム)……デッド・ラビッツ……アイルランド系移民……カトリック。
    ・ビル……ネイティブ・アメリカンズ(わざわざ先住民と名乗っている)……イギリス系移民つまりWASP……プロテスタント。
    という対立軸を明確にし、あえて話をわかりやすくするために、本来のネイティブ・アメリカン、黒人、イタリア系、ユダヤ系、などは省いているのだ。
    (イタリア系ギャング、ユダヤ系ギャングについては「グッドフェローズ」で描いているから、という理由もあろうが。そして時代の違いもあるだろうが。)
    このあたり、てんこ盛りなのに簡略化されているという、変なスカスカ感が否めない。

    やはりもったいないという一言に尽きる。
    たとえば視点人物をディカプリオではなくダニエル・デイ=ルイスに置き直してみたら……かなり奥行が出てくるのだ。
    もちろん、あえて想像させる方法なんだろうけれども。

    ところで「アメリカを描く」ということでは、同じくダニエル・デイ=ルイスが主演した、ポール・トーマス・アンダーソン監督の「ゼア・ウィル・ビー・ブラッド」がある。
    もちろん扱っている年代も題材も異なるが、草創期ドサクサ感や暴力そのもののような男という点で連想できる。
    本作が結構マンガチックであるのに対し、「ゼア・ウィル・ビー・ブラッド」の、汲めども尽きぬ奥行の深さよ。

    さらに連想。
    時代としてはバーナム。
    皆川博子の「クロコダイル路地」「双頭のバビロン」あたりの、野蛮さ。
    「開かせていただき光栄です」「アルモニカ・ディアボリカ」は、もちろん時代も国も異なるが、残忍でチャカチャカした人物の動きは通底する。
    チャップリン風味というか。

  • TV
    ダニエル・デ・ルイスの存在感,圧倒的だった.

  • 単純なストーリーだけど悪役がしっかり悪役なので、それだけで見ごたえがある
    裏切りがばれた後展開はかなり性急な感じがある
    急に組織の長みたいになってるけど、そのあたりの過程をもう少し丁寧に描いてあるとよりよかったかなと思う

  • スコセッシ監督とディカプリオのアイルランドギャングねた。個人的にはディパーテッドよりずっと面白かった。ファイブ・ポインツという土地を巡って争うギャング達だが、仲間になる、袂を別つ理由が本当にくだらない。見栄の生き物は辛いな。
    ディカプリオ演ずるアムステルダムは「ネイティブ・アメリカンズ」リーダー、ビルに「デッド・ラビッツ」リーダーだった神父の父親を殺されている。少年院から戻った彼は素性を隠しビルの下に着くが、バレて退団させられ、新たに「デッド・ラビッツ」を築きビルと対決する。
    ビルとアムステルダムに挟まれた女スリ師ジェニーや幼馴染のジョニーが切ない。二人と知り合ってるだけで殺された人が何人いることやら。

  • 期待していなかった分だけ楽しめたが、上映時間が長過ぎた…

  • 気になってはいたけれど見る機会を逃してしまった映画。
    こんなに早く地上波やるとは思っていなかったが。
    親の敵役ブッチャーが輝きすぎていて、ディカプリオの影が薄めだった。
    レミゼのような無力感だけが残った作品。

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