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- / ISBN・EAN: 4988105026995
感想・レビュー・書評
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『ギャングオブニューヨーク』、久し振りに鑑賞。映画としてはつまらなくて、ストーリーで失敗していると思う。
それでもなんとか観られるのは、ダニエルデイルイスや脇役のキャストが素晴らしいからなのと、サンディパウエルさんの衣装や美術が良いからだと思います。この点もダメだったら観られたもんじゃないと思う。歴史に興味ない人なんかは特にダメでしょうね。
この映画は2001年の同時多発テロ後の公開。そのせいでメッセージ性を強く感じる作品に、偶然なってしまっています。ラストシーンだけは何回観ても鳥肌が立つ。
この頃の映画だと他にサムライミ版『スパイダーマン』もラストに星条旗が追加されています。スパイディはNYのご当地ヒーロー。
スコセッシがモチーフやテーマにしているもの、彼の作家性はずっと変わっていない。NY、カトリック(宗教)、マフィア(バイオレンス)、あと映画マニア……と自己投影されてる部分が多いので、大概の作品はこのどれかに当てはまる。
『ギャングオブニューヨーク』を映画化したいと思うのも至極当然なことで納得できる。この作品と近い傾向のものは、これ以前だと『エイジオブイノセンス』で、まずこちらにダニエルデイルイスが出ていた。そしてこれ以降だと『ディパーテッド』。
スコセッシはイタリア系アメリカ人なので、「若い頃はアメリカ映画ももちろん好きだったけど、イタリアやフランス映画の方が好きだった」と語っていた。イタリアだとロッセリーニやフェリーニ、ヴィスコンティ、そしてベルトルッチなど。フランスだと世代的にヌーヴェルヴァーグ。
イタリア映画を観ていると、だんだん大作化していくことが多いと思う。ヴィスコンティの『山猫』やベルトルッチの『ラストエンペラー』、レオーネの『続夕陽のガンマン』以降など。
あまり詳しくないけど、当時の好景気とオペラやチネチッタ、ソード&サンダルものからのエピック映画の文化があるからなんじゃないかなと思う。同じくイタリア系のコッポラが作った戦争エピック超大作映画が『地獄の黙示録』だった。私の好みもあるけど、大作化するとつまらなくなることが多い。『ギャングオブニューヨーク』もチネチッタで作られている。
この映画のストーリーラインはおおよそ4つ。ダニエルデイルイスとディカプリオが擬似親子であると同時に父親の仇である話。アイリッシュ(カトリック)とWASPのギャングの抗争。ディカプリオとキャメロンディアスの恋愛。史実としての1863年のニューヨーク徴兵暴動。
エピック映画だしシェイクスピア的だと思う。歴史ものとしては好きだけど、映画がつまらなくなったのは、これらの話がどれも中途半端だったからなのではないかと。
面白かったのは、キャメロンディアスがサンフランシスコに行きたいという所。ゴールドラッシュは1849年頃から(49ers)。NYから西海岸へ行くのに、地図を見せて船で南アメリカをぐるっと回って行かないといけないというシーン。大陸横断鉄道は1869年、パナマ運河が開通したのは1914年とずっと後、1863年当時はどちらもまだ出来ていなかった。
史実と全然異なるのは、『グレイテストショーマン』でおなじみのPTバーナム、彼の「アメリカ博物館」が焼失したのは1865年と1868年なのでもうちょい後の話。この映画では同時に起こるので、ただのカオスだった……ギャグとして入れてるんだけど、無茶すぎて雰囲気もクソもないw
キャスト、ダニエルデイルイスという人はほんとにすごいので、アカデミー主演男優賞ノミネート、そらそうでしょと。次の『アビエイター』では受賞ならず、『ディパーテッド』ではマークウォルバーグが助演男優賞ノミネート、そらそうだよねーとなって、ディカプーかわいそうに伝説が始まった……。
元々、ディカプリオをスコセッシに紹介したのは『ボーイズライフ』で共演したデニーロ。デニーロがスコセッシに電話をかけて、「若くてすごい奴がいるんですよ!」と教えたのが始まりだったそうな。『ギルバートグレイプ』のディカプリオの演技はものすごいのにね。
ディカプー父のリーアムニーソン、『スターウォーズ』やのちの『沈黙』でも師匠役でずっと同じ流れ。
脇役で『ハリーポッター』のマッドアイの人や、『ディスイズイングランド』のスティーヴングレアム。昔のアメリカの話なので、イギリスとアイルランドの良い俳優さんたちが出ている。
クライマックス、艦砲射撃の煙の中での戦闘シーンが昔から好きで、ポンジュノが『グエムル』で同じようなことをやっている。これらの元が何かずっと気になってるけど『七人の侍』の久蔵のシーンなのかなーと思う。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
マーティン・スコセッシ監督とレオナルド・ディカプリオのダックであったので借りた。
ディパーテッドやシャッターアイランドが面白かったので目をつけていた。
やはり映像は素晴らしく、映像と音楽のマッチがまるでツボだった。
アムステルダムがヘルゲートを出て、聖書を橋から川へ投げ捨てるシーンがもう!着水した聖書をスローで捉えながら祭の音楽が掻き鳴らされるミスマッチなのにマッチしていて痺れた。
そのような「静動」「美醜」「善悪」「哀楽」の対比がよく使われていて上手いな~と思わせてくれた。
また父であるヴァロン神父と、仇であるニューヨークとでアムステルダムが揺れる描写はとても良い。描きかたが上手い。かつて仲間だったものが仇の傘下にいる、ギャングではよくある話ではあろうが、時の流れと、暴力が支配していたその時代がよくわかる。
また戦争をしていた時代であるので、徴兵だとかいう話などは日本の戦時中を思い出させた。この時代の人たちの力強さを感じたし、腐敗した世界の汚さも感じた。
しかし終わりかたはあれで良いのか。
アムステルダムたちのその後を少しだって描いてくれたって良かったのではないか。ああ、でもそれは発展していくニューヨーク市街と朽ちていくギャングの墓に託しているのか。
今回は終わらせ方が少し気に食わなかった。 -
こんな終わり方想像してなかった。
金持ちで不自由ない生活のはずなのに、愛人といるところで事故ってその隠蔽をし、家族やビジネスが崩壊していく。。。しかも最後はいろんな選択肢がある中で、観客に結末を投げかける終わり方。。。なんだか悔しい。 -
TV
ダニエル・デ・ルイスの存在感,圧倒的だった. -
単純なストーリーだけど悪役がしっかり悪役なので、それだけで見ごたえがある
裏切りがばれた後展開はかなり性急な感じがある
急に組織の長みたいになってるけど、そのあたりの過程をもう少し丁寧に描いてあるとよりよかったかなと思う -
期待していなかった分だけ楽しめたが、上映時間が長過ぎた…