サマリア [DVD]

監督 : キム・ギドク 
出演 : クァク・チミン  ハン・ヨルム  イ・オル 
  • ハピネット・ピクチャーズ
3.74
  • (40)
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  • (45)
  • (11)
  • (3)
本棚登録 : 254
感想 : 43
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  • Amazon.co.jp ・映画
  • / ISBN・EAN: 4907953004719

感想・レビュー・書評

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  • あそこで一人取り残されてもなぁ・・・

  • この映画のせいで毎朝家でサティのジムノペディIを流すようになりました

  • 少女にスポットを当てたのか、父親にスポットを当てたのか、ちょっと判然としないところが、解釈の多様性を生む一方で、メッセージ性を欠いていたように思う。

    父親は最後に出頭することで罪を償う。
    娘は、これから一人で生きていかねばならないが、彼女が犯した罪とは一体何だったのか。なぜ彼女はそのような試練に耐えねばならないのだろうか。

  • 愛について考えさせられる。自らを犠牲にした愛は必ずしも崇高なものではない。その姿を見て嘆き悲しみ苦悩する人がいることを忘れてはならない。

  • SAMARITAN GIRL
    2004年 韓国
    監督:キム・ギドク
    出演:クァク・チミン/ソ・ミンジョン/イ・オル

    ・・・あまりにも苦しくて涙も出ないような映画というのに時折出逢います。切ない悲しい感動した!って手放しで号泣できるような映画というのは、ある意味見る分にはものすごく楽で、そしてきちんとカタルシスも味わえて、かえって爽快感すら味わえたりするものですが、それすら許されないような、重苦しい切なさだけがいつまでも胸に鉛のようにつかえて痕を引く映画というのがこの世には存在するんですよね。最近見たのだと『ボーイズ・ドント・クライ』も私にとってはそうだったんですが、『サマリア』も間違いなくそのカテゴリに分類してしまう映画でした。

    この監督の芸風なんでしょうか。前作『春夏秋冬そして春』もそうでしたが、一種タルコフスキー的とでも呼びたいような、宗教的なモチーフだとか、罪と罰のほとんど悪循環ともいえる連鎖だとか、そしてその救済の方法だとか。苦しくて苦しくて、もう泣くことさえできなくて、ただそれを抱えて生きてゆくことしかできないのです。映画の中の少女たちと同じように。

    本当にあの悲痛さというのは言葉ではどうしたって説明できなくて、映画という媒体の映画としてのあり方の素晴しさというか、その影響力を、しみじみ実感しています。心に残る作品でした。

    (2005.07.13)

  • 映画には予告等の前情報でどんな話かをある程度予想してそれと照らし合わせる楽しみ方があると思うけど、自分にとってこれは9年予想し続けた映画。単にきっかけが掴めなかっただけだが、いざ観ると感慨がある。その予想以上に爽やかな終わり方をしたので何年も躊躇しなくてよかったな。援助交際をある意味真っ向肯定した展開、それに醜く敗北し去っていく家長たる父親、宗教的主題の部分を差し引いても何とも挑発的。金を返していく行為には色んな意味が読める、悪事の償い、互いに癒されていることを認める(金を受け取る立場ではない意思表示)。そして同じ男と寝ることで親友を追体験する、これが死の辛さから逃れるための最大の癒しだった。そこで家族に向かなかったのが皮肉。父親の失墜はまさに自暴自棄、あそこまで愚かな父親を見せられたら世のお父さん達の立つ瀬がないと思うほど。ただ彼ラストでいい仕事をする、車を使ったあんなベタな巣立ちを今まで誰もやっていないのか⁉︎華奢な体でもアクセルにはちゃんと届いて運転できてしまう年齢なのよね。泣いてしまうわ。主演の子はこの映画を引きずって受験に落ちたとか。ぬかるみにハマったくらいに思ってくれたかな。

  • キム・ギドク監督の韓国映画。
    援助交際をする二人の女子高生と、その父親の物語。「バスミルダ」「サマリア」「ソナタ」の三部構成となっている。
    友人を失い、罪滅ぼしをする少女と、娘の援助交際を知った父親。それぞれの苦悩が、美しい映像と相まって心に突き刺さる。
    自分の中にまだ残っている透明な感覚を、見事につかまれてしまい、苦しい。見終わったあとも、美しい空と鮮やかな紅葉、そして少女たちの表情がちかちかと目の奥をさまよっている。

  • 何を描きたいかがしっかりと。

  • キム・ギドク監督の映画はこれまでも見てきたが、この作品もまた心に突き刺さる。話の筋そのものは、単純に言ってしまえば「娘が売春をしていることを知った父親の悲しみ」ということにもなるのだが、しかし、話はそんな皮相なものではなく、女同士のレズビアン的な友情だったり、死んだ友人のかわりに「聖女」になろうと、みずから苦難を引き受ける少女の物語だったり、さまざまなモチーフが複雑に絡み合う。また、そこにキム・ギドク作品に特有な、水のモチーフが繰り返し現われてくるし、また非常に印象に残る画面構成が何度も現われてくる。最後まで見終わって、もう一度、最初から見直したくなった映画でした。
    それにしても主役の女の子、最初は「かわいくない子だねぇ」という感じなんですが、物語が進むにつれて美しく見えてきたり、逆に子どもっぽく見えてきたり・・・これもキム・ギドクの映像魔術でしょうか。

  • 卒業旅行費のために援交で稼ぐ友人を否定的な目で見つつ心配で見張りを手伝う刑事の娘、そんな女子高生コンビが主役。ある日ホテルから逃げようとした友人が転落死してしまい、残った子が友人がそれまでしてきた相手を尋ねカネを返して回る。
    韓国でかなり多いとされている売春を軸に社会とメッセージと主張を浮かび上がらせる。

    前にも書いたけど
    性と愛は親しい隣人ではなく比肩しうる独立したもので
    愛がなくとも性は成立するし、性の直接性を捨てたところで愛が湧き出る。ということを一貫してギドクは表現してきたと俺は感じている。

    透明度の高まった愛を伝えるのに肉体はむしろ邪魔だし、本能的行為において何が愛だよ、と言うことがなぜ狂気なのか。その狭間にある概念が今作なのかなと。

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