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- / ISBN・EAN: 4907953004719
感想・レビュー・書評
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SAMARITAN GIRL
2004年 韓国
監督:キム・ギドク
出演:クァク・チミン/ソ・ミンジョン/イ・オル
・・・あまりにも苦しくて涙も出ないような映画というのに時折出逢います。切ない悲しい感動した!って手放しで号泣できるような映画というのは、ある意味見る分にはものすごく楽で、そしてきちんとカタルシスも味わえて、かえって爽快感すら味わえたりするものですが、それすら許されないような、重苦しい切なさだけがいつまでも胸に鉛のようにつかえて痕を引く映画というのがこの世には存在するんですよね。最近見たのだと『ボーイズ・ドント・クライ』も私にとってはそうだったんですが、『サマリア』も間違いなくそのカテゴリに分類してしまう映画でした。
この監督の芸風なんでしょうか。前作『春夏秋冬そして春』もそうでしたが、一種タルコフスキー的とでも呼びたいような、宗教的なモチーフだとか、罪と罰のほとんど悪循環ともいえる連鎖だとか、そしてその救済の方法だとか。苦しくて苦しくて、もう泣くことさえできなくて、ただそれを抱えて生きてゆくことしかできないのです。映画の中の少女たちと同じように。
本当にあの悲痛さというのは言葉ではどうしたって説明できなくて、映画という媒体の映画としてのあり方の素晴しさというか、その影響力を、しみじみ実感しています。心に残る作品でした。
(2005.07.13)詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
ハン・ヨルムの微笑みは、本当に無二。
こんな風に微笑む女性を、他にわたしは知らない。
目で追いかけたくなるし、背筋が寒くもなる。恐ろしく魅力的な女優だと思います。
彼女の笑みとキム・ギドクの寓話的で美しい映像が、秋の風景にとてもマッチしている。
三部作のラスト「ソナタ」で少女が見た夢、父親に埋葬されるシーンは言葉もなく美しかった。青い風景、川を見つめる娘を埋めたばかりの父親、その殺人者の静かな背中。
秋の景色とともに、始まってひっそりと幕を閉じた悲劇でした。 -
いろいろ素晴らしいけど、やっぱりラストシーンが。驚くほど新鮮。ヨジンの運転する車が機械なのに泣きながら追いかける子供みたいで悲しい。
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あそこで一人取り残されてもなぁ・・・
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この映画のせいで毎朝家でサティのジムノペディIを流すようになりました
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愛について考えさせられる。自らを犠牲にした愛は必ずしも崇高なものではない。その姿を見て嘆き悲しみ苦悩する人がいることを忘れてはならない。
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映画には予告等の前情報でどんな話かをある程度予想してそれと照らし合わせる楽しみ方があると思うけど、自分にとってこれは9年予想し続けた映画。単にきっかけが掴めなかっただけだが、いざ観ると感慨がある。その予想以上に爽やかな終わり方をしたので何年も躊躇しなくてよかったな。援助交際をある意味真っ向肯定した展開、それに醜く敗北し去っていく家長たる父親、宗教的主題の部分を差し引いても何とも挑発的。金を返していく行為には色んな意味が読める、悪事の償い、互いに癒されていることを認める(金を受け取る立場ではない意思表示)。そして同じ男と寝ることで親友を追体験する、これが死の辛さから逃れるための最大の癒しだった。そこで家族に向かなかったのが皮肉。父親の失墜はまさに自暴自棄、あそこまで愚かな父親を見せられたら世のお父さん達の立つ瀬がないと思うほど。ただ彼ラストでいい仕事をする、車を使ったあんなベタな巣立ちを今まで誰もやっていないのか⁉︎華奢な体でもアクセルにはちゃんと届いて運転できてしまう年齢なのよね。泣いてしまうわ。主演の子はこの映画を引きずって受験に落ちたとか。ぬかるみにハマったくらいに思ってくれたかな。
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キム・ギドク監督の韓国映画。
援助交際をする二人の女子高生と、その父親の物語。「バスミルダ」「サマリア」「ソナタ」の三部構成となっている。
友人を失い、罪滅ぼしをする少女と、娘の援助交際を知った父親。それぞれの苦悩が、美しい映像と相まって心に突き刺さる。
自分の中にまだ残っている透明な感覚を、見事につかまれてしまい、苦しい。見終わったあとも、美しい空と鮮やかな紅葉、そして少女たちの表情がちかちかと目の奥をさまよっている。 -
何を描きたいかがしっかりと。