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- / ISBN・EAN: 4988105043916
感想・レビュー・書評
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道路脇でヒッチハイクをしながら身体を売って暮らすアイリーンは、その生活に疲れて自殺を考えていた。ちょうどその時、バーで1人の女性・セルビーと運命的な出会いをする。敬虔なキリスト教徒の家庭で優等生として育った彼女は、同性愛者の治療をさせられていた。すぐに惹かれあった2人は愛し合うようになり、2人で街を抜け出す。
純粋だけれど世間知らずで我儘なセルビーを深く愛しすぎてしまったアイリーン。道路脇に立って身体を売っている際に暴力的なレイプにあったことから、人を殺してしまう。アイリーンはセルビーのために次々と男達を殺して金や車を奪うようになる。
この映画は実際にアメリカで起こった事件がモデルになっている。
アイリーンを演じているシャーリーズ・セロンは眉を剃り落とし、汚らしい言葉を使い、気迫のこもった演技を見せている。これには圧巻!!
今知ったのだが、この作品でシャーリーズ・セロンはアカデミー主演女優賞を受賞したらしい。
ドライに、チープに生きているように見えるアイリーンが初めて心の拠り所をセルビーに見つけた。が、閉鎖的な社会から逃げ出したかっただけのセルビーは、その深すぎる愛を受け止めることができなかった。
裁判所の証言台で、無表情でアイリーンを指さすセルビーは何を考えていたのだろうか。
この映画の中で、最低200回はfu#kという言葉を聞きました。
正しいf#ckの使い方を学ぶには最適の映画です。
優等生は見ない方がいいです。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
ものすごく濃い作品でした。高評価なのもわかります。
機会があれば是非。
正しく現代社会の様々な問題を詰め込んだ物語で、観ていて苦しくなります。社会から弾かれてしまったら最後、また社会に入って行くことの難しさを見せつけられるので、主人公たちに同情しつつも受け入れがたい事件なので、常に感情を揺さぶられながら鑑賞しました。そして、主人公を演じるシャーリーズ・セロンの演技がまたものすごくて、余計に感情を揺さぶられます。
彼女・彼女たちの行った事件は許されるものではありません。ですが、彼女たち自身が悪いのかというと、それ以上に人生に絶望するしかなかった彼女たちの環境およびそれを作った社会に問題があったのではないかと考えさせられる作品でした。 -
まさかジャーニーで泣かされるとは思わなかった……。
ジャーニーがフィーチャーされてる作品って、他にドラマの『glee』ぐらいしか知らないけど、あれでも泣いたかもしれない(ただ涙腺が弱いだけ?)。Disってるわけじゃないけどここらへんのバンドってほんとダサい。でも何年か前にあったジャーニーの映画を観たくなります。ダサいのをわかってノスタルジックに使ってるから良いんだよなぁ。そしてこの曲の歌詞がこの映画をしっかりと物語っている。
『モンスター』は長年観たかった映画。ブクログを始めたころにわりと気の合う方が本棚登録してたんだけど、精神的に不安定な方だったのかすぐにブクログを辞められてしもうた……。
他にもセンスの良い女の子や、映画学科卒の方もやめてフィルマークスに行ったりと、面白い人に限っていなくなる。
最近、FFさんとシャーリーズセロン様の話題になって、「戦略的に脱ぐ」って仰ってたんだけど、「いやセロン様はちょっと極端な例なのではww」と思ったんだけどタイミングを逃して言えなかったです。あんまり知らないけど、自分の中で戦略的なのはアンハサウェイとかかな。
で『モンスター』観たくなってきたので「来週借〜りよっと♡」と思いつつ『ワンダーウーマン』観てがっかりして「くそが!」と思ったんだけど、『モンスター』の監督さんだったので超びっくりしました。しかもタイミングよくスタチャンで放映されたので、借りずに済んでラッキー。
そして『モンスター』は『ワンダーウーマン』の100倍ぐらい良かったです。
元々の実話の方は、『まる見えテレビ特捜部』とかそれ系の番組で観たような気がする。
『ワンダーウーマン』のレビューにも書いたけど、90年代は「強い女性」を描いた作品が多かったように思う。代表的なのが『テルマ&ルイーズ』で、モデルとなったのがこの『モンスター』のアイリーンウォーノス。
映画史的にさらに元を辿ると、これまた偶然にも連続で観ちゃった『地獄の逃避行』がかなり似ている。(さらに辿ると当然『俺たちに明日はない』ですが、これは若干関係性が違うかもです)
そして、これらの映画は全部実話が元になっています。アメリカは銃社会だから、引き金を引けば簡単に殺人できちゃうんですよね。ただ日本でだって無差別殺人ってけっこうな頻度で起きてるんで、人間の本質なんて変わんないんだって思い知らされます。恐ろしいですね。
…で、『モンスター』はそういう怖い映画かと思ったら全然違って、これは非常に純度の高い恋愛映画でした。監督もそのように作ってると思う。
恋愛ってのは「点」、瞬間、数学で言うと微分だと思うんだけど、そのことがものすごくよくわかります。消える直前の蝋燭や線香花火が一瞬明るく輝く感じ。
クリスティーナリッチ演ずるセルビーが、ほんとにほんとにクソ女。しかも無邪気だから余計にたちが悪い。『地獄の逃避行』のシシースペイセクと近いけど、わかりやすくそれ以上。
個人的に、こういうクソ女を見るのがほんと大好き。というのは、社会的にそうならざるを得ない、女性の立場が弱いって理由があるから。『アパルーサの決闘』のレネーゼルウィガーと同じ。特にセルビーって、敬虔なクリスチャンの家庭のレズビアンですからね。
僕がセロン様を知ったのはかなり遅くて、一番古い映画でも『イーオンフラックス』なんだけど『モンスター』ってさらにその前。
セロン様はスタイルめちゃくちゃ良いし、常に強い女性を演じてるけど、大変な苦労人。そこがこの『モンスター』の役柄と完全に重なってるんです。プロデューサーのひとりにもなってるから、この役を自分のことのように思ってたんじゃないかと思う。良い映画って、そういう奇跡的な重なりで生まれることが多いとよく思います。
セロン様は「美しいから好き」とか「女性として好き」なんじゃなくて、「人間として好き」。というかもはや性別も人間をも超越して、神のような。崇拝に近い。(言うほど追いかけてないけどねw)
『プロメテウス』でも『マッドマックス』でもそういう超然とした役だった。
そんな強い女性、セロン様演ずるアイリーンが、最後の方にふと見せる弱さにものすごくグッときます。
いくら特殊メイクしてても、目はやっぱり内面を表しますね。他の方もレビューに書かれてて同意見でした。
今後、機会があれば何度も観返したい映画です。あと、もっと若いうちに観ときたかったなあと思ったので、若い方にはお薦めの映画。 -
ここまで 愛に生き。
愛する人と一緒に居たいが為に。
常にどんな時も彼女の事を1番に考え。
体を張り必死になった人間を見た事があっただろうか?
救いようの無い世界に虚無感を抱き。
彼女の愛する人の、無知でわがままで子供な姿に正直苛立ちを覚えました。
彼女の犯した罪は決して許させる事ではないが…衝撃的なラストに、彼女の愛する人への思いの深さに涙を流しました。
彼女が犯した罪が、法律的に罰せられる事ならば。
彼女の愛した人は、罪には問われないが人として許させるべき事ではないと思う。
正直もう二度と観たくないです。
でも、だからと言って観なければ良かったの?と問われればそうでもなく…。
人間の狡さ。
孤独。
残酷さ。
ここまで描く事が出来た作品は、そう多くは無いと思う。
だからこそ、彼女の気持ちを考えると本当はモンスターというタイトルは彼女に一方的に向けられた物ではなく。
彼女の愛する人こそがモンスターなのではないかと思う。
日々何処かで殺人事件が起き。
でもすぐに風化し、忘れ去られてしまう。
でも、こんな風にもっと掘り下げて知る必要があると思う。
むしろ知らなければならないと思った。
そして何より、シャーリーズ•セロンの女優魂に圧巻です。
ここまで変貌を遂げた姿。
彼女の持っている、どこか寂しげで愛に飢えた雰囲気があってこそのもので。 -
あんな風にしか生きられない人がいるって思うと胸が痛くなる。
坂道を転げ落ちるしかない人生なんて。 -
7人の男性を殺害した殺人鬼のアイリーン・ウォーノスを題材とした映画で、彼女の恋人であるセルビーとの関係、彼女の過去を中心に描かれていた。
この映画の中で彼女が面接を受けた法律事務所の人物に、彼女が生まれた場所について言及される場面がある。これがアメリカの格差なんだろうなと思った。
彼女のしたことは極悪非道で人間の道から逸れたことではあるが、同情する気持ちもあるのは、私が想像する悲惨な人生よりさらに悲しい思いを幼いころから経験してきたからだろう。さらに映画の中で彼女の容貌は美しくなく、しゃべり方や行動もどこか挙動不審で不器用。そのことにさらに悲愴感を感じる。
自白を引き出すために警察に協力したセルビーと警察からの電話と知りながら罪を認め、さらにセルビーの罪を否定したリーの姿が皮肉に思えた。
驚くべきことはそばかすと贅肉のリーを、シャーリーズ・セロンが演じていることだ。俳優ってすごい。
以前文章で彼女のことを読んだときとは違った印象を感じた。もちろん脚色も大いにあると思う。
もっとも純粋なものこそ何より深く人を傷つける
いかにも恐ろしく見えるものは、そんなにつらくない
彼女をモンスターにしたのはただ純粋で人の心に鈍感なセルビーなのかもしれない。 -
きたないシャーリーズ・セロン。それだけで見る価値はあったと思う。
愛に目覚めて真っ当に生きようとしたのに、それが返って仇になる…っていう悪循環が見ていてひじょうに辛い。
「男も女も嫌い。だけどアンタは好き」 -
アメリカ史上初の女連続殺人鬼アイリーン・ウォーノスの半生をえがく「モンスター」は、愛に不慣れな女の孤独と哀しみが胸に迫る佳作。アイリーンを演じたシャーリーズ・セロンはこの役でオスカーを獲得する。役のために太り、特殊メイクを施しただけあって、半裸のシーンで露になる身体のたるみっぷりがリアルだ。恋人のセルビーを演じるクリスティーナ・リッチも、彼女の酷薄さやこずるさをうまく表現していたようにおもう。印象的なのはアイリーンが遊園地で激しく回転する遊具「モンスター」に乗る場面。「ずっと乗りたいとおもってたけど、乗ったら怖くなって気持ち悪くなって、もう二度と乗らないって誓ったの」彼女は回想の後そうつぶやく。怪物と呼ばれたアイリーンだが、彼女にとってはその愛や人生こそが「モンスター」だったのかもしれない。そう暗示させるこのシーンがとりわけ好きだ。エンドロールにながれるのはジャーニーの「Don't Stop Believin」わたしはこの曲をこれほど切なく聴いたことがない。
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怖かった。シャーリーズ・セロンがすごい!彼女の他の作品を見たことが(たぶん)ないから、彼女の本当の顔がわからない…。Wikiの写真は完全に別人だった。女優すごいなー。
セルビーにとにかくいらついた。ヒモと何が変わらないんだ?働かないのに自由がほしいとか、わがまま放題!
レイプシーンが本当に痛々しかった。私は正当防衛だと思うし、納得できる。アイリーンは死刑に値するのか?今セルビーにあたる人が罪悪感とともに暮らしていなきゃ納得いかない。
クリスティーナ・リッチは相変わらず惜しい顔。