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- / ISBN・EAN: 4988102033934
感想・レビュー・書評
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シーン毎ににまとまりと面白味を詰め込んだ
伊丹監督らしい映画でした。
やはりなんといっても渡部篤郎さんの好演は特筆すべきことでしょう。
「静かな生活」というタイトル
原作があって、大江健三郎氏だということ
イーヨーこと大江光さんの話し。
この情報から他の伊丹映画とは性格の違うと感じていたので
見ずにおいてあった一本でした。
見てみればこれも伊丹監督のエキスがタップリとしみこんだ
笑いやドキドキやメッセージのあるエンターテイメント溢れる
伊丹ムービーで大変面白く見られました。
あぁ、残念ながら私にとってこれで伊丹映画全てを見終えた
ことになりました。
エンターテイメント性とメッセージ性を併せ持った
独特な伊丹ワールドは毎回楽しみにしていたので
これでもう新しい出会いはないのだなと思うとやっぱり寂しい。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
大江健三郎の同名小説の映画化。マーちゃんとイーヨーの二人組、渡部篤郎と佐伯日菜子が素晴らしかった。伊丹映画の中では異質な感じながら、それでも描き方には共通項がある気がする。(10/6/24)
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普通にいい映画
最後のシーンで泣いてしまった。
最初の短篇「静かな生活」の再現場面を見た時は、駄目かなと思ったのだが、最後まで見るとおもしろかった。
時どきコメディ調になる。
途中の映画内小説のくだりは長いかも。
小谷野敦いはく、大江健三郎の映画ではこれが一番いいとの事である。
渡部篤郎は、最近TVで悪役しか演じてゐないやうな印象を受けるが、これを見ると全然印象がちがふ。渡部が大江光にほめられて泣いたといふシーンも見てみたい。
『静かな生活』の講談社文芸文庫の解説は伊丹十三で、この映画をつくるきっかけなどが書いてある。
文学のテーマを語るくだりは余計だと思った。
ところで大江は『静かな生活』の「この惑星の棄て子」といひ「案内人」といひ、一時期、宗教に取り憑れて拘泥してゐた感じがある。
さういふ点では、このふたつの短篇はいいものではない。
しかし伊丹十三の「静かな生活」はそのキリスト教的な所をけづってあるからいいのである。 -
制作年:1995年
監 督:伊丹十三
主 演:渡部篤郎、佐伯日菜子、山崎努、柴田美保子
時 間:121分
音 声:日:ドルビーステレオ
絵本作家を目指すマーちゃんの家族は、作家であるパパと優しく家族を束ねるママ、大学入試を控えた弟のオーちゃん、そして音楽の才に恵まれながら障害者である兄のイーヨーの五人。
ある年、家の下水を直そうとして失敗したパパは、家長としての威厳がないというプレッシャーに耐え切れず、おりから招かれていたオーストラリアの大学へ講師としてママと出向くことになった。
留守を引き受けたマーちゃんは、イーヨーたちの面倒をみるのだが、痴漢事件やポーランド大使への意見運動、イーヨーの作曲した“捨て子”という曲騒動などが起こっててんやわんや。
なかでもイーヨーの水泳レッスンにまつわる事件は、忘れ難いものとなってしまう。
パパたちの出発後、マーちゃんはイーヨーを連れてプールに通うことになるのだが、そこでパパの昔の知り合いだという新井君が、イーヨーのコーチを買って出てくれるのであった。
新井君の指導は良く、イーヨーの水泳の腕はあがる一方。
さらには、イーヨーに彼の大好きなテレビの天気予報のお姉さんまで紹介してくれ、彼にすっかり気を許す。
ところがパパやパパの友人の団藤さんたちから、新井君の暗い過去を聞かされたマーちゃんは、誰もいないところで新井君に会わないよう忠告を受けた。
しかし、それが新井君の気に障り、団藤さんが大怪我をさせられたばかりか、純情なマーちゃんまで暴行を受けそうになる。
だが、マーちゃんの純潔を汚そうとする新井君にイーヨーが飛びかかり、決して新井君に勝ったわけではないけれど、マーちゃんを守り切るのだった。
パパの精神状態も安定した頃、そんな事件の数々を綴ったマーちゃんの絵日記に、イーヨーは「静かな生活」というタイトルをつけるのだった。 -
いろいろな声が聞こえてくる作品だった。
「人は人の道具ではない」という作家であるパパの言葉。しかし人を道具のように扱いがちなパパを批評する知人音楽家の声。そのどちらからも自立して凛と立とうとしているまーちゃんの声。誘惑者である新井くんの限りなく悪に近い声。イーヨーに対する無関心無理解を示す世間の冷ややかな声。そんな中でひときわ純粋でかつ批評的なのは、イーヨーの紡ぎ出す声、音楽。それは鳥の声となって空に響き渡る。それに耳をすますのに忙しいイーヨーにとっては、日常生活は静けさに包まれている。 -
人を信じるって難しいなーと思う映画だった
知的障害を持つ兄によりそって面倒を見る妹の話がメインになると思うのだけれど
途中から今井雅之が登場することで、兄と妹の話が薄くなってしまっているように思った
渡部篤郎の演技が良かった
よく観察してるんだろうなと思う
言ってもらえてうれしかった言葉を何度も聞きたがって喜ぶ顔が好き
兄と妹のよき理解者のひとりである宮本信子さんの話し方や接し方が好きだった -
ストーリーも面白いし、
主役の佐伯日菜子、そして何より渡部篤郎の演技も素晴らしい。
だけど、他の伊丹作品とは何かが違う。
大江健三郎の原作をベースにした物語だから、
そして何より、主役が宮本信子ではないから。
彼女の存在感が伊丹映画を強烈に彩っていたんだなと、
この映画を見て痛烈に思った。
伊丹十三のフィルモグラフィの中で異彩を放つ、
静かで、ミステリアスで、
しかし優しさがパッケージングされた作品。 -
イーオー
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配役がよかった
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手を繋ごう。