ローラーとバイオリン [DVD]

監督 : アンドレイ・タルコフスキー 
出演 : イーゴリ・フォミチェンコ  ウラジーミル・ザマンスキー  ニーナ・アルハンゲリスカヤ  マリヤ・アドジュベイ 
  • アイ・ヴィ・シー
3.69
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本棚登録 : 29
感想 : 3
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  • Amazon.co.jp ・映画
  • / ISBN・EAN: 4933672231143

感想・レビュー・書評

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  • アンドレイ・タルコフスキーの卒業制作による映画。すでに彼の様式が確立しており、圧倒的に美しく、かつ物語も非常におもしろい。美しさの原因は何であろうか。美しさを成立させる1つの要因に「水」は間違いなく挙げられる。特にサーシャがセルゲイに演奏を披露させるシーンは忘れられない。終始太陽光が水たまりに反射して、2人と建築を幻想的に映していた。2人の共感を波紋で表現するのもおもしろい。
    本当に素敵な映画だなぁ。

  • 初めてのタルコフスキー。

    卒業制作で作った作品らしい。

    労働者、パン、映画、大事そうな靴
    レベルの高い音楽教育、ボコボコのローラー車
    「ソビエト」の香りがプンプンします。
    この匂いは黒澤明の「デルス・ウザーラ」以来です。

    サーシャもセルゲイもとても自然で安心して
    見入ることができる演技でした。
    特にセルゲイが良かった。

    これを見たからと言ってタルコフスキーを語ることは出来ないけれど
    片鱗を伺うことは出来たように思います。

    ただ、この「素晴らしい」という感想が
    ”巨匠”という先入観からくるものなのか
    作品の持っている品格からくるものなのか
    予備知識を入れて鑑賞してしまっているのでなんともいえません。
    それは少々残念なことですけれども
    静かに心の声に耳を傾けても決して退屈だったり
    無理をしたりすることなく
    最後まで良い雰囲気を味わえたと思えるのが偽りの無い答えになるでしょう。

    他の作品も是非見てみたいです。

  • 『惑星ソラリス』や『ノスタルジア』などで名高い旧ソ連の映画監督タルコフスキーの卒業制作品。
    幼い少年が、憧れの対象となる大人に出会って変化して行く成長物語、というといかにも味気ないが、この「教科書通り」や「定石」のプロットを確実かつ効果的に実践しているタルコフスキーの技術が確認できる。見知らぬ少女とのささやかなかけひきに使われるりんごは、特に印象的な小道具だった。

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著者プロフィール

アンドレイ・タルコフスキー(Andrej Tarkovskij):1932-86年。ソヴィエト・ロシアの映画監督。ショットの中を流れる時間とそれを表現するリズムに注目し、独自の映像を創出。1984年に亡命。作品に『惑星ソラリス』『鏡』『ノスタルジア』など。映画は人間存在の精神的実在に迫れると確信しながら、映像を文明批評の水準に高めた。86年パリで客死。『サクリファイス』が遺作となる。

「2022年 『映像のポエジア 刻印された時間』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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