ゲド戦記 特別収録版 [DVD]

監督 : 宮崎吾朗 
  • ブエナ・ビスタ・ホーム・エンターテイメント (2012年5月26日発売)
2.74
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感想 : 16
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  • Amazon.co.jp ・映画
  • / ISBN・EAN: 4959241981066

感想・レビュー・書評

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  • 指輪物語、ナルニア国物語に続いて、ゲド戦記までが映画化されるようになるとは、昔から考えたら夢のような話である。きっかけになったのがハリー・ポッター・シリーズの爆発的な売れ行きと映画の大ヒットだと思うから、ハリー・ポッター・シリーズの作者J.K.ローリングには、ファンタジーと映画好きは足を向けて寝られない。残るは指輪物語の前身となる「ホビットの冒険」だけなので、これもまたぜひ映画化してもらいたいものだ。

    「ゲド戦記」はアーシュラ・K・ル=グウィンの代表作の一つ。スタジオ・ジブリがこの作品を映画化すると聞いたとき、それはまずいだろうと思った。ル=グウィンの作品はどちらかというとモノトーンの色調で、西欧中世の修道院的なイメージがあるので、カラフルなアニメは似つかわしくない。実写版で地味な映像でやるのがふさわしいのではないかと思っていた。

    予告のポスターには少年とドラゴンが描かれていたので、きっとあの少年がゲドで、ストーリーは当然第一巻の「影との戦い」。「ゲド戦記」中の最大傑作であるこの作品を、宮崎駿監督といえどもうまく作品化できるんだろうか。同じく他から原作を持ってきた「パウルの動く城」はあんまりよくなかった。「魔女の宅急便」も確かそうだったと思うけどイマイチだった。監督が宮崎駿ではなくて息子の宮崎吾朗という人で、はじめての監督作品ということを聞いてますます不安になって、あまり見に行く気がおこらなくなってしまった。

    で、ようやく見に行ってきました。
    感想は、思ったよりもかなり良かった、です。

    冒頭、魔法の世界の安定が失われつつあるという説明。
    出てきた少年がアレン。
    あれ、「影との戦い」ではないようだ。

    しばらく物語が進み、船首に目玉のついた小舟に乗って、顔に傷のある男が登場。ああゲドだ。少年ではなく壮年だ。アークメイジになっているゲドだ。第3巻「さいはての島へ」が映画のベースになっているようだ。読んだのはずいぶん昔なので記憶が曖昧だが、原作とこの映画では、ストーリーがだいぶ違っているように思える。

    それに壮年のゲド、菅原文太の声のゲドというのも、なんだか面食らうな。この本を読んだとき、まさか将来、ged3.gif菅原文太の声のゲドを見ることになるとは夢にも思っていなかった。長生きはしてみるもんだ。

    やはりテルーの歌の場面は感動する。
    ただ、あの場で聴いていたアレンよりも、ハイタカ(原書ではSparrowhawk)であるゲドにこそふさわしい歌だ。

    アチュアンの墓、腕輪、ゴント島といったなつかしい名前がチラッと出てきて、原作のファンにとっては嬉しい。この映画は一般向けというよりも、自身もゲド戦記の大ファンである監督が、同じファンに向けて作った作品のように思える。かなりマニアック。

    ということは、原作を読まずに映画をみた人にとっては、物語はかなり分かりずらかったのではなかろうか。アースシーの世界では事物の真の名前を知ることによって魔法が使うことができ、その魔法を使うことができるのは魔法使いとドラゴンだけで、世界のバランスが危機に瀕したことを悟ったドラゴンがテルーとなって現れたという設定は、うまく観客に伝わったのかどうか。

    もし伝わってなかったとすると、映画が難解だからというよりも、単に作り方がまずかったからだろう。家族で見にいったけれども、あとで物語の背景をいろいろと説明しなければならなかった。その点ではこの映画はまだ稚拙である。宮崎ファンでありル=グイン・ファンである私は、期待以上の映画だったのでひたすら嬉しかったけれど。

    ところで、公式サイトによると、ル=グウィンはたくさんあった映画化の話をずっと断っていて、その中には宮崎駿側からの打診もあったという。それが「千と千尋の神隠し」を見て、3年ほど前に逆にル=グウイン側から映画化を依頼してきたという。

    たしかに彼女の作品にはオリエンタルな雰囲気があるので、宮崎駿映画との親和性が高いのかもしれない。しかも有名なフェミニストである彼女が、女性が活躍することの多い宮崎映画を悪く思うはずはないのではないか。彼女がナウシカを観てどう思うか、ぜひ聞いてみたいものだ。

    と思っていたら、作者のこの映画に関するコメントを発見しました。

    う~む。
    ル=グウィンは「トトロ」と「千と千尋の神隠し」は見ているようです。そして非常に感動したようです。
    ただ、映画「ゲド戦記」には満足していないようで、というか、ジブリのやり方に怒っている模様。映画の公式サイトの記述も、ル=グウィンの語る事実とはちょっと違う。

    この様子からすると、ジブリとル=グウィンとの出会いはこの一作で終わりのようです。ま、ビジネスの世界では、宮崎親子とスタジオ・ジブリ側が一枚上手だったということのようです。映画の中では美と愛を追い求めるけれども、現実の世界ではなかなかそうは言っておれないということでしょう。宮崎側とル=グウィン側のどちらの肩を持つかと言われたら、それはル=グウィン側を持ちますけどね。ファンである期間も違うし。

    ところで、ル=グウィンは菅原文太の声を気に入っているようです。
    「温かく暗い声は、とくにすばらしいものです」
    むむむ。なんとね。

  • DVDではなく、TV 溜め録り視聴の感想です。
    関東圏地上波 (日テレ) で 2018/1/12 (金) に放映された分です。

    原作は結構昔からありましたよね。
    小説で読もうとしたけれど、単純に「ゲド」という名前の響きが気に食わなくて、読みそびれたと記憶しています。

    読みそびれたとはいえ、一度ならず、数度は読もうと書店で手にした記憶もあります。
    そんなお話の上に、ジブリ作品、これは期待しますよね?

    …期待しすぎました。

    例によって声が気になって話に集中できません。
    まぁ、ジブリさんのいつもの事なので、そこは妥協しましょう。

    これ、話の筋がよくわかりませんでした。
    ジブリにしては珍しい気がします。
    まず、主人公が旅に出るきっかけとなった、父親との事ですが、最後まで理由がわかりませんでした。
    世界観もよくわからないまま進んで、ヒロインが最後にいきなりアレって、ちょっと短絡すぎませんか…?

    ジブリ作品独特の表情の動きの細かさも感じられなかった気がします。(これは気のせいかもしれませんが…

    なんだかなぁ…

    あ、でも、岡田准一の声あては良かったと思います。

  • 原作が好きだからね~。映画も観に行ったわけですが。まあ、これもハウルみたいに、これはこれ、というかんじ。素直に作ってこうなったのか、疑問ですが、嫌いでもないです。嫌いにはならないです。たぶん。私の脳内アレンより幼くて戸惑ったかな。ゲドの乗ってる動物、何だろうか。あれがかわいい。手嶌葵ちゃんは好きです。きれいな声。岡田くんも頑張ったよ。吾朗さんはもっと頑張ったほうがよいと思いますよ。

  • ゴロー監督万歳。

  • ゲド戦記と思わなければ嫌いじゃない

  • 正直買わないと思う( '-' )

  • ジブリのとし見なくても普通のアニメとしても話がイマイチ。長い話をまとめるのに映画は時間がなかったからかな?原作と映画の主人公の経緯などが全く違って違和感を覚えました。残念ながら、話も薄いというか子どもに見せないほうが良い話だと思いまた。

  • これ、まだDVD化されてないんだね?
    夏頃、娘と一緒に映画館で観ました。娘には難しかったなぁ。(楽しんでみてましたけど)
    私も理解に苦しんだ。映画だけじゃ世界観が描き切れないから原作をきちんと読まなくちゃ理解できないだろうなぁ。映画だけだと評価に難しい。
    テルが草原で歌うシーンがとても美しくてそれが一番印象に残ってるかも。
    あと、アレン(影の方)と宮崎吾郎を重ねてみてしまった。
    宮崎駿という偉大な監督の息子=国王の息子
    吾郎氏も様々な葛藤や、重圧を感じていたのではなかろうか。
    <br>この映画は様々な疑問には目をつぶって、素直な心で見つめれば、伝わってくるメッセージは多い。その変は感動できるのだけど、やっぱり映画内で説明のないことや、意味深な台詞が気になってしまって・・・。やっぱ原作読みべきか。

  • ジブリ作品としてではなく、普通のアニメ映画と思って観るのが正解<br>
    正直自分の子どもには見せたくないかも。。

  • ウムムムムー・・・よく意味がつかめん↓ジブリには子供たちをワクワクさせるような作品を作っていってもらいたいな。映画内での唄うシーンがあるけど、長いよ↓

  • 空や雲の形、にぎやかな街の色。「絵」そのものは、ため息がでそうなくらい綺麗。・・・なんだけど、含みというか奥深さがまったくない。伝えたいことを全部せりふにしてしまっていて、途中からは教育番組を見ているような気分だった。子供にみせるのにはいいのかもしれないけど、物足りない。

  • んー。
    歌っている風景はキレイでした

  • あ・ん・な・に、期待していたのに、思ったより全く全然良い作品ではありませんでした...それが1つ残念です。結局最後まで何が言いたかったのか分からなかった。
    でも、原作はすごく読みたくなります!!

  • ジブリ作品としては、底が浅い。メッセージもストレートに伝わってくる。影を併せ持つからこそ、我々は≪生≫を得ることが出来る。

  • 秀作。言わんとする「生」へのメッセージもよくわかった。ただ、ドラマとして若干重い。あと世界観が描き切れないから腑に落ちない点もありつつ。続編作ってほしい。

  • 2006/08/04  多島海世界のアースシーでは、聖なる生物の竜が共食いを始め、農民は田畑を捨て、職人は技を忘れていくなどさまざまな異変が起こり始めていた。やがて人々が魔法を信じることができなくなった時代、少年アレンと大賢人ゲドの旅を通じて混迷する時代を生き抜くためのメッセージを投げかけてゆく冒険ファンタジー!

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著者プロフィール

1967年、東京都生まれ。信州大学農学部森林工学科卒業後、建設コンサルタントとして公園緑地や都市緑化などの計画、設計に従事。1998年より三鷹の森ジブリ美術館の総合デザインを手がけ、2001年より2005年6月まで同美術館の館長を務める。2004年度芸術選奨文部科学大臣新人賞芸術振興部門を受賞。2006年に「ゲド戦記」でアニメーション映画を初監督。2011年に映画「コクリコ坂から」、2014年には初のTVシリーズ「山賊の娘ローニャ」(NHK・BSプレミアム)を監督。同作は国際エミー賞キッズアワードのアニメーション部門で最優秀作品賞を受賞した。

「2021年 『スタジオジブリ絵コンテ全集22 アーヤと魔女』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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