ルート225 [DVD]

監督 : 中村義洋 
出演 : 多部未華子  岩田力  崔洋一  梅沢昌代  田中要次  石田えり  嶋田久作 
  • ハピネット
3.56
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本棚登録 : 152
感想 : 45
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  • Amazon.co.jp ・映画
  • / ISBN・EAN: 4907953017702

感想・レビュー・書評

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  • 幼少期の冒険心が呼び起こされるような映画。
    しかけ絵本の如く、物語の至る所に様々な要素が散りばめられているものの、
    それはその本当の意味や性質を汲み取れるような種類のものではなく、
    仕掛けは仕掛けであり、謎は謎であり、それ以上でもそれ以下でもない、といった具合で
    我々は様々な推察、想像を促されつつ、先の見えない、答えの見えない物語を追っていくことになる。
    そして主人公二人の精神的成長をゴールとして、真相は明らかにならないまま結末を迎えてしまう。
    この映画のメッセージ性は、ラストの台詞そのものであろう。それは良い。
    ではこの映画を"彼らの精神的成長を描いた作品"と結論付けて良いのか。私にはどうもそうは思えない。
    仕掛けは仕掛けであり、謎は謎であり続ける。
    考えて、想像して、楽しむ。
    それがこの映画の最大の魅力であると私は思う。

  • 現在と過去の境界はだんだんと曖昧になって、思い出となっていくものだ。過去には戻れない、しょうがない。先の不安や楽しさ、考えることはたくさんある。

  • 姉弟が家への帰路で現実とほとんど同じなのに違う世界へ来てしまう。
    両親が消えて、友人関係が少し違って、高橋由伸が少し太ってる世界。
    2人が元の世界に戻る為に奮闘するお話。

    -以下ネタバレ-

    最後の挑戦、落書きをし、雨が降り、子供が転び、何もかもが前向きに見え、元の世界に戻れたときっと誰もが思ったのではないでしょうか。
    あの叔母さんの登場に笑うしかない2人。つられて僕も切なく笑ってしまいました。
    結局これは何だったのか、思春期のもやもやな心を具現化したような感じ。
    個人的に一押しの作品!

  • 芥川賞作家藤野千夜の原作を2005年映画化。イジメられっ子の弟を迎えに行ったシッカリ者の姉が迷い込む、こことはどこか違う不思議な世界。同じ自分たちが暮らす街並なのに家にはパパとママはいないし、死んだ弟の同級生が生きていたり、TVの中の高橋由伸は少しだけ太っていたり(笑)。元の世界になんとかして帰ろうと、普段は仲の悪い姉弟がお互いに励まし合いながら少しずつ成長していきます。クールな中学生の姉を演じた当時まだ新人の多部未華子がホントに輝いていて、そのリアルで自然体の演技は見事!重くなりがちなテーマをコミカルに描いた点も評価したいです。果たして二人は元の世界に帰ることができるのか?切ない中にも希望を感じさせるラストはグッときます。

  •  多部未華子初期の主演作。どこにでもいそうな気の強い姉を好演している。
     両親がいない、死んだはずの同級生が生きている、地名が変な字になっている・・ちょっとだけおかしな「A'の世界」に迷い込んでしまったえり子とダイゴ。戸惑う二人。果たして元の世界に戻ることができるのか・・?
     タイトルの「ルート225」は、「国道225号線」と「√225」とをかけているとのこと。冒頭に表示される「√196=14」と最後に表示される「√225=15」は、14歳のえり子がA'の世界を通じて、15歳へと成長したことを意味している。14歳でも15歳でもないあいまいな時間を、A'の世界というあいまいな世界で過ごしたえり子。これは彼女の葛藤と成長と自立の物語だ。
     全体に漂う不可解な感じがとてもツボ。すっとぼけた感じのBGMも、味があってけっこうお気に入り。
     最後に、心に残っているえり子の台詞をひとつ。

    「誰なんだよ、お前は」

  • かわいいなあの姉弟。絶妙。気が付いたら家も周りもどこか違う。ライトSF。これで多部ちゃんのファンになりました。良い。切ない。大したことなさが効いてる。一緒にため息ついて笑いたくなる。走りっぷりが素敵。

  • 原作の文体が私には取っ付きにくかったために、映画も見るのを尻込みしていた1本。公開から2年経って、ようやく見ようという気になったのは、伊坂幸太郎原作の『アヒルと鴨のコインロッカー』と同じ監督さんだと知ったからでした。『アヒルと鴨』も原作のイメージそのままで、よくぞ映画にしてくれました!と思ったけど、この『ルート225』も良かったー。

    以下、内容に触れています。



    マジ泣きした。
    『ルート225』という作品の凄いところは、元の世界との境界が曖昧になってしまうくらい差異のないパラレルワールドに迷い込んだ姉弟が、最後まで元の世界に戻れないというこの1点につきると思います。これがSFで児童書なら(実際YA向けらしいんだが)、最後には元の世界に戻れるところを、この作品は無残にも帰れずに終わるという。えええ?何で帰れないの?そもそも何でこんな世界に迷い込んじゃったわけ?と悶々としつつも、帰れなかったといういっそ潔い結末が印象的な原作。映画も原作そのままの印象で、むしろ映画の方がもう姉弟の配役と演技が絶妙で良かった・・・マジ泣きしちゃうくらい良かった・・・!もうほんとこの姉弟あってのこの映画でした。また泣かないんだよ、この姉弟が!姉弟がそれぞれ別の家に引き取られることになって、もう1度帰れるか試してみようと最初から手順を踏んでやってみて、それでもやっぱり帰れなくて。そこで姉弟は笑っちゃうんだよね。泣かずに笑っちゃう。でもきっとほんとは泣きたいんだよね。でももう笑うしかないだろう、ここは。むしろ笑ったあとの、あの最後の電話なんですよね。それに出たお母さんの声がまた優しくて、それでもう2人して一気に顔が崩れて、そこでやっと泣くっていう。この流れが凄く好き・・・!2人が分かれるシーンも、なんだか晴れ晴れとしていて、だけどもうこっちがぶわって来ちゃって、ぼっろぼろに泣きました・・・最高だぜこの姉弟・・・というかこの映画が!結局あれはなんだったんだろうって煮え切らないまま終わるんだけど、それすらも何だか晴れ晴れとした気持ちで見れて、爽やかに終了、あー良い映画見た!って思えた。

    マッチョが良い奴なんだよ、また・・・。マッチョ一押しですマッチョ。

  •  帰りの遅い弟を母に命じられて姉が迎えにいったら、別世界に迷い込んでしまったという話。その世界は、自分たちの住んでいる町とほとんど変わりないんだけど、死んだはずの女の子が生きていたり、巨人の24番が少し太っていたり、そして・・・。

     えーと、面白かったです。多部未華子ちゃん演じるお姉ちゃん役は原作以上にキャラが立ってましたね。より今時っぽくなってたというか。弟役の俳優も、志水貴子先生の絵よりこちらのぽっちゃり系の方が違和感なかった(笑)。不思議なパラレルワールドものを非常にテンポ良く料理されてました。最後はやっぱりグッと来ちゃいましたね。マイナーなままにしておくのが惜しい良作でした。

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