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- / ISBN・EAN: 4988102151935
感想・レビュー・書評
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久し振りにロマンポルノ。神代辰巳監督の『四畳半襖の裏張り』の第2弾、『しのび肌』。
いまBSでやってる松尾諭さん原作の『拾われた男』で、バイト仲間の吉ミラちゃん(北香那)が、わかりやすい「映画好きサブカル女子」で大好きなんですが、宮下順子がどうのこうのってセリフがあったりして笑える。
私は宮下順子さんはそんなに好きじゃなくて、芹明香さんが大好きです。あんな顔、あんな声の女優さんってほとんどいないと思う。最高です(エロい意味ではない)。
前作に続いて、宮下順子と芹明香どちらも出てます。絵沢萠子さんも出てます(だから剣客商売は笑える)。
ただやっぱり前作の方が良かったと思います。前作もそこまで好きではないけど(田中登作品の方が好き)。
絵沢萠子の赤ちゃんをライバルの宮下順子が関東大震災の時に盗んで養育する。1939年、16歳になった少年は宮下順子の置屋で育ったもんだから働いてる女郎の芹明香らとヤりまくるんだけど、なぜか精子が出ないので絶倫(カウパー出るだろ!)。
少年は映画館の夫妻のところで暮らすようになるが、夫妻どちらとも関係を持つ(同時に!)という話で、見ていてこりゃもうどうしたもんだかよくわからなくなってきました。
因みに、エッチなシーンはほとんど布団で隠れてて暗くて見えない上に、規制で半分真っ黒にマスクがかかってたりして全然エロくないです。ロマンポルノはエロじゃないんですよ、奥さん!ロマンなんです!!でもそんなつまんない絡みのシーンが長くて延々と続くので眠くなるのよ……。
映画館で観てるという設定で、『土と兵隊』(火野葦平原作ね)の映画が流れるのは良かった。前作もだけど背景に戦争がある、いちおう反戦映画です。
少年は幇間(太鼓持ち)になろうと弟子入りする。そのシーンで唄うお座敷芸の卑猥な唄があるけど、これはたぶん落語の『欣弥め』と同じじゃないかなと思う(あのねのねの『つくばねの唄』の元ネタ……つっても私よりだいぶ歳上の人しかわかんないだろうな)。
やっぱり前作は粟津號と織田俊彦が出てたのも良かったのかも……織田俊彦さんはロマンポルノを見るたびに「またこの人出てる!」となります。ググっても織田俊彦さんの顔が全然出てこない。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
ラスト、たいこもちのメロディと歌、太鼓の音が何とも狂っていて良い。主人公の色情狂いの役者も、色白で気味悪く、役柄にはまっている。絡み合う3Pはもとより、秘部の綱引き(鈴付き)も狂っていて良い。
【ストーリー】
昭和初期、大森あたりの花街。芸者置屋の息子・正太郎は、家が狭いために、旦那が来た夜などは芸者たちと同じ部屋に寝かされた。正太郎は子供のくせにひどく早熟で、隣りに寝ている小ふく、小八重たちとたわむれる仕末。すっかり頭を痛めたおかみの花清は、旦那である映画館主・小宮山に相談して、子供のいない映写技師夫婦・俊介と美也子に正太郎を預けた。
ところが、正太郎はその夫婦の性生活にまで立ち入り、大人のセックスを子供がリードするようになってしまった。そんなある日、小ふくが妊娠してしまったので大騒ぎとなった。正太郎はまだ子供で精子が出るはずがないと一同思っていたのだが、一人前の男のように精子が出ていたのだ。小ふくは正太郎の子供を生む決心をして、小宮山の世話になることになった。
翌年の春、突然、正太郎の生みの親だという芸者・染八が訪ねて来た。実は、関東大震災直前のころ、一人の旦那、横井をめぐって染八と花清が張り合っていたが、染八に子供ができたので、本妻に納まることになった。捨てられた花清は、その腹いせに子供を盗んでしまった。その子供が正太郎で、その時、突然大震災が勃発し、以来生みの親と正太郎は離れ離れになってしまったのだった。
一方、美也子も身ごもってしまった。どうやら父親は正太郎らしい。数日後、正太郎がたいこもちにされると知った染八は、花清の元へ押しかけた。だが正太郎は染八の目の前で、花清へ甘えかかり、彼女の胸をひろげて押し倒した。染八はすっかり正太郎のことを諦めてしまった。やがて、正太郎は満州へ旅立って行った。たいこもちになるために。
大正中期から昭和にかけて収集したセックスに関する資料「高資料」の“小さな悪魔”を原作に、当時の色街育ちの早熟な少年と、芸者たちのセックスを通して当時の世相風俗を描く。脚本は「津軽じょんがら節」の中島丈博、監督は「四畳半襖の裏張り」の神代辰巳、撮影も同作の姫田真佐久がそれぞれ担当。