元禄忠臣藏(前篇・後篇) [DVD]

  • 14人登録
  • 3.50評価
    • (0)
    • (2)
    • (2)
    • (0)
    • (0)
  • 3レビュー
監督 : 溝口健二 
出演 : 河原崎長十郎  中村翫右衛門  市川右太衛門 
制作 : 真山青果 
  • 松竹ホームビデオ (2006年11月22日発売)
  • Amazon.co.jp ・映画
  • / ISBN・EAN: 4988105050709

元禄忠臣藏(前篇・後篇) [DVD]の感想・レビュー・書評

並び替え:

表示形式:

表示件数:

  • 0244

  • 討ち入り場面がないことを、新藤氏は「溝口監督が、本当の切りあいになってしまうというようなことを議論していた」といわれてましたが、とてもフィクションを作り出す映画の監督とは思われない。
    実際、松の廊下は破格の予算で作り、その虚構の頂点を極めて知るのに・・・・・。
    もしもCGが可能だったら、溝口氏はそのリアリズム追求のために、喜んで討ち入り場面を撮ったかもしれない。

  • 今回、続けて前後編を見て、まず感じたのは前編と後編のつなぎ方が見事だと思った。
    物語はご存知「忠臣蔵」を真山青果の原作を元に描かれ、前編は「殿中の喧嘩場」から始まり「判官の切腹」そして山科に引き込んだ大石の下にお家再興の嘆願が叶わなくなったと知らせが届くところで前編が終わる。そのラストで妻が大石に離縁を告げ、それは大石の決起の足を引っ張りたくない故だと伝わり哀情を誘い、物語を良く知る観客たちに対して後編への興味付けはしっかりほどこされる。
    そして後編は前編のラストの少し前から、単純に前編のストーリーをなぞるのではなく、前編で描かれなかった家臣の一人のサイドストーリーから物語が始まる。家臣の一人が単独で吉良を暗殺しようと動くが、お家再興の結論の出る前に動くのは大石の本意ではないと言われ思いとどまる。そして前編最後の知らせが届くシーン。この後編では前編で描かれた妻の離縁の芝居はない。これは後編の物語にとって必要でないばかりか描くことで観客の意識に残ることを嫌ってのことであろう。
    こうして物語は何の違和感がないばかりか、後編だけでも、しっかり「つかみ」を施し、無駄なリフレインの無い1本の作品としてきちんと独立し進行していく。
    ・・・・うまいなぁ。

    本作品は、1941年12月8日の真珠湾攻撃を挟んで、前編(2時間)が12月1日、後編(2時間)が翌年42年2月11日に公開された。
    忠臣蔵だから年末に公開するのは普通であり、意図的なものではないと言える。しかしこの作品はその制作費を軍が出している以上、戦争と全く関係ないと決め付けることは出来ない。
    そこで本作品における特徴でもある肝心の「切腹シーン」と「討ち入り」のシーンがないことに関しての推察。
    軍は「切腹シーン」はともかく「討ち入り」さえも裏芝居になっていることに「何故、討ち入りシーンがないのか」と聞いたという。その問いに監督は「実際に人を殺してもいいんですか?それができるのですか」と答えたと言う。
    小生が軍部の人間であれば、城明け渡しのシーンで、城外で切腹する武士は撮れたじゃないかと突っ込みたくなる言い訳だ(笑)
    それまでも軍部のオーダーであろうと思われるシーンがあちこちに散見される。前編では大石たちは京にいる天皇に向かって土下座をするし、後編では大石たちの蟄居から切腹までの死への道程を平常心をもって粛々と後編の作品の半分も裂いて描かれる。まぁ、軍のリクエストをいくつか聞いてあげれば好き勝手できると活動屋たちは考えたのでしょう。それで好きにやらせてくれるならお安いご用とばかりに。
    勿論。当時における忠臣蔵の認知度は今よりもはるかに高く、今更「討ち入り」なんて描きたくないと単純に考えたのかも知れないが、監督は軍に対して、討ち入りそのものを描き、物語を完全な美談として作り上げる事を拒否したせめてもの抵抗であったと小生は考えたい。

全3件中 1 - 3件を表示

元禄忠臣藏(前篇・後篇) [DVD]はこんな映画です

外部サイトの商品情報・レビュー

元禄忠臣藏(前篇・後篇) [DVD]を本棚に「観たい」で登録しているひと

ツイートする