父親たちの星条旗 (特別版) [DVD]

監督 : クリント・イーストウッド 
出演 : ライアン・フィリップ  ジェシー・ブラッドフォード  アダム・ビーチ  バリー・ペッパー  ジョン・ベンジャミン・ヒッキー  ポール・ウォーカー 
制作 : クリント・イーストウッド 
  • ワーナー・ホーム・ビデオ
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感想 : 90
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  • Amazon.co.jp ・映画
  • / ISBN・EAN: 4988135701947

感想・レビュー・書評

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  • 有名なクリント・イーストウッドの米日2部作のアメリカ視点編。
    本当に戦争って、現場の悲惨さを思えばやるべきことではないのに、安全地帯にいる人たちが進めてしまう恐ろしさや愚かさをイーストウッド節で投げかけてくる映画でした。
    終戦間際の硫黄島の戦いは、日本にとっては本土進攻の王手飛車取りくらいに思っていたのですが、アメリカもかなり苦しい状況だったのだと、この映画で知ることができました。
    それ故に、この象徴的な1枚の写真を「広告」として使い、アメリカが酔いやすい「ヒーロー」物語を作りだす政治。
    戦争したからには「勝利」が大前提とはなるが、そこに生まれる暗部に対して辛辣な視線を向けるのは、イーストウッドらしい作品だなと思いました。

  •    太平洋戦争末期、硫黄島に上陸した米軍は日本軍の壮絶な攻めに苦戦をしいられつつも、圧倒的な戦力で山の頂上に星条旗を立てた。
    その写真は米国の勝利を映し出し、旗を立てた3人は、帰国すると英雄となっていた。しかし、そこには写真に映らない事実があり、それは政府の都合で封印されてしまう。戦費のために米軍の広告塔になった生還者たち。
    しかし、彼らは硫黄島で仲間を多く亡くし、死と背中合わせの体験をし、その精神的なダメージは大きかった。そんな彼らだったが、国は彼らを徹底的に利用しようとする…。 
    硫黄島での米国と日本の闘いを、米国側と日本側から描いたクリント・イーストウッド監督による2部作の米国編。
    「戦争は勧善懲悪じゃない。正当化させるためにはひとつの写真が必要」
    この映画は、硫黄島でアメリカ兵が星条旗を掲揚する写真に隠された逸話のストーリー。
    硫黄島攻略のために摺鉢山をどう奪取するかのアメリカ兵の苦闘、戦争の残酷さ非情さを臨場感溢れる描写で描いた戦闘シーン、最初に硫黄島に星条旗を掲揚したのは戦死したアメリカ兵なのに、戦意高揚と戦争費用の国債キャンペーンのために利用される3人のアメリカ兵の苦悩、アメリカの黒歴史を丁寧に描いた傑作戦争映画です。

  • 「硫黄島からの手紙」と観る順番は公開と逆になったが、日米双方からの第二次世界大戦最大の激戦・硫黄島の戦いを描くイーストウッド監督の2部作の米編。日本人の私からするとどうしても栗林中将の硫黄島が前提になってしまい、日本編ほどの感慨は湧かなかったが、戦費枯渇寸前の米国を再び戦意高揚と国債購入による財政面で支えた「奇跡の一枚」を巡る英雄譚。戦場の悲惨さとその後の「国債ツアー」の静かなる闘いを入れ子で見せることによって、英雄というものが如何に必要とされていくものなのかを淡々と描く。先住インディアン「チーフ」役のアダム・ビーチの演技が非常に光っていた。

  • もし自分が、星条旗を立てていたとしたら。
    英雄に仕立て上げられたとしたら。
    何も語らずに死んでいく方がいい。
    そう思うかもしれない。
    アルコールで全てを忘れ去ろうとするかもしれない。
    でも、それは死ぬまで忘れることはない。

    「英雄」に仕立て上げられた者が背負わざるをえないもの。
    恐怖、悲しみ、怒り、惨めさ、失望、罪悪感。
    英雄はずっと「何か」から
    逃げて生きていかなければならない。
    英雄に武勇伝を語らせようとするのは、
    とても残虐なことなんだろう。

    それでも死ぬ前に、
    あの日のあの笑顔のことを思い出し語れたのなら、
    生き延びてよかった、報われたような気持ちになった。
    本当に、お疲れ様と言いたい。

  • We are living in the world filled with illusions.

    I strongly felt that while I was watching the scenes in New York City. It flashed back to me what I saw while I was at the Times Square during new year eve event. The United States is the country who has the strongest tendency of that type of social structure. I wanna be sober enough to be able to sense what the "reality" is. Reality is the word used for real stuff, not the ones created by people driven by money. It is definitely not the one used in today's TV shows.

    I like the way Ira lived although it is very tough to stand that strong in that situation.

    Today's trivia. I could point out Ira, Adam Beach, was the guy who was in Joe Dirt. He did pretty amazing job in this movie. "Doc", Ryan Phillippe, played another important role in this movie. My last closest good impression was the one in Crash. Sorry to see the expression "(filed for divorce)" in his bio. I think he's making progress. Sergeant Strank, Barry Pepper, is always cool. It was impressive that he was playing higher ranking officer than the one he did in another WWI movie, Saving Private Ryan. Oh, it matches with Doc's name. : )

  • 震災で崩れたコレクションの整理をしながらついでに登録

  • 「ヒーローとは必要に応じて人が作り上げるものだ」

    「国のために命を犠牲にするという信じがたい行為を理解するためにヒーローという概念が必要なのだ」

    この二言を描くための作品だった。全てはこの二言に詰まっており、それ以上でもそれ以下でもない。

  • 映画「硫黄島からの手紙」の姉妹作品で、硫黄島の戦いをアメリカ側からの捉えた作品です。ウィスコンシン州で葬儀屋を営むドク(ライアン・フィリップさん)は太平洋戦争では衛生兵として硫黄島の戦いに従軍していた。一ヶ月以上にも及ぶ激闘の末、この戦いに勝利したアメリカだが硫黄島で撮られた一枚の写真がドクを含めた数名の兵士に多大な影響を与える事となる。ドクが長い間、沈黙を守り続けていた事とは!?

  • 戦争の悲惨さが簡潔に力強く表現されている。若者たちは何も知らず戦争に行き、突然惑い、死と隣り合わせに自分を失っていく。戦場と戦争に行っていない本国との大きなギャップ。ベトナム戦争ではなくても、いつでもあるテーマ。
    6人中3人が生き残り、線費を稼ぐために、キャンペーンに駆り立てられる、ヒーローとして扱われながら、新たに戦争の犠牲者となる。
    3人のキャラクターが良くできていた。また戦争、キャンペーン、戦後の翻弄される人生など、映像表現等、職人技のように、自然に見ているうちに引き込まれる映画だた。

  • 戦争肯定の為、資金の為に英雄が欲しい国と国民と、英雄に祭り上げられた男たち。
    欺瞞に満ちた、歪んだ戦争という世界

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