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感想・レビュー・書評
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日本の国鉄について明治時代の起源から解説したもの。当時はまだ国鉄が民営化する前だったので、JRになる前までの解説になっている。
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原田勝正氏が亡くなつてから丁度十年。早い喃。
原田氏は単に鉄道ファン向けの著作のみならず、「鉄道史学会」を立ち上げるなど、鉄道を歴史、政治、経済面から学術的に捉へる活動で知られました。
この『日本の国鉄』も、まことに端正かつスタイリッシュな一冊であります。出版された1984年といへば、既に国鉄は末期状態でありまして、第二次臨時行政調査会(土光臨調)による分割・民営化案が提案されてをります。日本の国鉄の歴史を俯瞰するのに、充分な時期と申せませう。
国家にとつて、創業期の鉄道とはまづ中央集権を目的として建設されました。戦時中は「兵器」として活用され、戦後はGHQによる「戦利品」として扱はれ、日本人は屈辱の日々を送りました。そして主権回復後に、漸く国民の国鉄として開花する。本書を読むと、さういふ「誰のための国鉄か」といふ視点でも読めます。
岩波新書といふこともあつてか、文章は論文調で、極力個人的感慨を排してをります。ハードボイルドかつ流線型、無駄のない記述で実に快い。
http://genjigawa.blog.fc2.com/blog-entry-751.html -
13/05/03、神保町・澤口書店で購入(古書)。
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明治維新期から国鉄民営化直前までの日本国有鉄道小史。鉄道政策と技術革新の叙述が中心。近代日本の鉄道は常に純経済的な需要ではなく、国民統合のための政治的要請や軍事輸送戦略や政党・議員の利益誘導等の経済外要因に左右されていたことがわかる。