装いせよ、わが魂よ (1982年)

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  • 日本人がパリを描くと変な感傷や幻想が入るが、この小説に描かれているパリは等身大。まず主人公の女がアパルトマンを探すところから始まるのがそれらしい。それから教会の地下に導かれたり、フランス人カップルの三角関係に巻き込まれたり、雪山の修道院に引きこもったりと、偶然につぐ偶然で展開がめまぐるしい。出来事ひとつひとつは何てことないのだが、舞台背景と会話の緊張感で読ませる。著者の西洋観も興味深いし、フランスという国を追体験するにはいい小説。

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