銀の三角 (1982年)

  • 1982年8月15日発売
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感想・レビュー・書評

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  • 名作読み直し週間の続き。
    昔、ソフトカバー版を買って手放した後、古書店で、
    一番最初に出たオリジナルハードカバー単行本を見つけて飛びつき、
    以来何度も読み返している。
    超遠大な時空間を股に掛ける壮大極まりないSFだが、
    登場人物の行動原理は「世界を崩壊させたくない」とか
    「元の場所に帰りたい」といった、至極わかりやすいもの。
    主人公マーリーの悪友、何だかんだ文句を言いながら
    結局お人好しのジェイフが好きだ。

    未読の方のためにアウトラインなぞ(ネタバレなし)。

     中央都市出身のルポライター、マーリー・ザ・レイは
     辺境の惑星トメイへ赴き、友人ジェイフ・カルソリと共に
     人気歌手エロキュスのコンサートに。
     政変の影響もあって、熱狂した観客が暴徒化し、
     マーリーはエロキュスを連れて脱出。
     重傷を負ったエロキュスは死に、
     クローンが目覚めるはずだったが、
     当人がそれを拒否したため、再生されなかった。
     マーリーはエロキュスが死の間際に語った
     金色の長い瞳の少年と、彼に寄り添う吟遊詩人の話が
     気にかかり、手掛かりを求めて
     古代民族音楽の研究者と面会。
     吟遊詩人の名はラグトーリン、また、
     細長い光彩の金色の瞳を持つ人間は
     生命力の弱い銀の三角と呼ばれる星の住人だったが、
     戦争に巻き込まれて滅亡したと伝わる由。
     この種族を存続させようと手を尽くした研究者もいたが、
     三万年前に最後の一人ミューパントーが死んだとか。
     マーリーはラグトーリンがいるという
     辺境の赤砂地(セキサジ)星へ。
     エロキュスの遺品を届けに来たと告げるが、
     ラグトーリンはマーリーの真の目的が
     自分を殺すことだと察して返り討ちにする。
     マーリーの所属セクションでは、
     彼の生体反応が消えたため、クローン再生を申請し、
     マーリー2にマーリー1を捜させることにしたが、
     マーリー2の身体に、誤ってマーリー1だけでなく
     エロキュスの記憶データも注入されてしまった――。

    ここまでで全体の三分の一ほど(ゼェハァ)。

    余談だが、ZABADAKのアルバムには、
    この作品にインスパイアされた楽曲集がある。

  • ・時空の歪を砕けさせる声を発する、滅びの種族。時間を操る能力があるから、殺されても生き返る。死ぬのは自らが絶望した時だけ。そして、その時に発する声が時空の歪を破壊してこの世を消滅させる。もう、このアイディアだけで萩尾望都ってすごい。

    ・発売直後(今からもう30年も前!)に買ってた自分、偉かった。何十年かぶりかに読んだが、ストーリーの理解については変わらなかった。でもディテールについてはやはり理解の深度が違ってくる。すごいSFコミックです。

  • 話は難解で、一読してもその時代設定すら不可解。
    よくこの話を一冊にまとめられたと関心する感動の一冊。
    本来、読み手がマスターなはずの「読むスピード」「時間のスレ」を、
    書き手が思い通りに操作した手法が、秀作。
    「私? 私か わ たしは 宇宙 だ」
    もしかして宇宙とはこうなのではないかと思い込ませてしまう。

  • SFマガジンに連載ということで、思いっきり「SF」に振っている。5回くらい読み返さないと、物語の構造が理解できないと思う。

  • (1982.08.10読了) (1982.08.09購入)
    *本の帯より*
    華麗なる叙事詩
    ラグトーリンの歌をお聞き
    今はなき麗しの星
    銀の三角にまつわる
    悲しく美しい物語を
    結晶風 闇の星 夢のまひるに
    金銀の四角三角無限角
    さあ聞こう 
    遥かなる時空をめぐる
    夢狩りの歌を

    【目次】
    第一部
    (一)いのりのあさ
    (二)チグリスとユーフラテスの岸辺
    (三)ミューパントーの歌
    (四)ラグトーリン迷路
    (五)風 水 時の流れ
    (六)消失と再生
    第二部
    (一)マーリー・2
    (二)安定指数セクション
    (三)影日
    (四)高原幻想
    (五)バリエーション
    (六)歪んだモザイク
    第三部
    (一)交錯
    (二)糸をほぐす名前
    (三)異郷
    (四)空白の岸辺
    (五)夢籠
    (六)ノヴァ
    (七)夢狩りの夕べ
    星とマンガの話

  • きらびやかでいながら繊細で美しい星屑のような一品。

  • SF、不思議な感覚。
    宇宙秩序の崩壊。
    主人公のマーリーが…なんだかいじらしい。

  • 時間修正もの、すごく詩的だけどタイムパトロール系。

  • ハードカバーを何故か2冊持ってますが^^
    文庫で再販ですね。良かった良かった。絶版にしておく作品ではありません。

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