殺意の夏 (1980年) (創元推理文庫)

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  • 小さな田舎町に19歳のきれいな娘エルが移住してきた。美人だけど大胆で男の気を引くような服装や行動、いろんな男達との噂にやや要注意人物でもあった。

    30歳の真面目な自動車修理工ピー・ポーは彼女に惹かれ、すぐに同棲をはじめるとすっかり夢中になる。やがて二人は結婚するが、エルの不可思議な行動に振り回される。実は彼女は、20年前に母親を強姦した男を探す出して復讐するつもりでいた。
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    エルは何考えているのかわからない、女から見ると関わりたくない人物だけど、男から見たら魅力的に映るにかな?

    最後には殺人が起きるのだけど、前半では予兆はあるものの誰が誰を殺すのかさえわからない。普通の人間が犯罪者になっていく過程も興味深い。結局誰でも犯罪を犯す可能性があるんだな。

    物騒な話なんだけど、反面微笑ましい所がある。ピー・ポーの家庭は彼の下にミッキーというちょっとやんちゃな材木運送をしているの弟と、まだ高校生の弟ブブがいる。ピー・ポーは弟達を凄く大切にしている。

    その他に未亡人の母親と、耳の不自由な伯母さんを加え、この一家は明るく仲良く暮らしていて、高度経済成長期のホームドラマを見ているようなところがある。オーストリア出身のエルの母親や近所の人達もみないい人で、サスペンスなのに人情ドラマが合わさった趣。

    結末は、当初ああなるのかな?とほぼ思っていたようになったものの、もう一捻りありました。

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