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感想・レビュー・書評
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「あらゆるものは通り過ぎる。誰にもそれを捉えることはできない。僕たちはそんな風に生きている」1970年8月、帰省した海辺の街。大学生の〈僕〉は、行きつけのバーで地元の友人〈鼠〉と語り明かし、女の子と知り合い、そして夏の終わりを迎える。過ぎ去りつつある青春の残照を鋭敏にとらえ群像新人賞を受賞した、村上春樹のデビュー作にして「初期三部作」第一作。
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端役の“鼠”が好きです
恋に臆病で人見知りな彼に
親近感を持っていました…
酒・音楽・映画などの娯楽を
随所に散りばめた構成は
身近な物語であることを
印象付けている様です
初恋の子へ渡し損ねたCDが
私の書棚にもあります… -
初めてちゃんと村上春樹を読んだ気がする。
何者でも無い男のある夏。
ビールとタバコと音楽と女の子。と、夏。
なんでも無い物を気持ちよく読ませるってすごい。 -
何回読んだかもう覚えていませんが。
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☆神戸から東京の大学へ下宿中の大学生の日常の描写
デレク・ハートフィールドDerek Heartfield 1909年生まれ・1938年エンパイヤステートビルから投身自殺 あとがきで墓参時のエピソード・引用紹介
この話は1970年の8月8日に始まり、18日後、つまり同じ年の8月26日に終わる。
鼠(金持ち、車壊す「気にするなよ。車は買い戻せるが、ツキは金じゃ買えない。」、小説)
僕(大学の実験で牛の解体、昔の3人の彼女☆3番目の彼女とのエピソード・全ての物事を数値に置き換える…昔読んだ時は引っかかったが、今読むと単なる日常のエピソードの1つ
ジェイズ・バーで会った中国出身の女性、4本指、レコード屋店員)
「明日から旅行するの。」「何処に?」「決めてないわ。静かで涼しいところに行くつもりよ。一週間ほどね。」
僕は肯いた。
「帰ったら電話するわ。」☆本当は中絶手術?
P121 鼠 ホットケーキのコーラ漬け 初めて彼の家を訪問したときに食べていた
ビールを飲んですぐ運転☆今じゃ文学の表現としてもNGか?50年前は法的にもOKか?
P134 街にはいろんな人が住んでいる。僕は18年間、そこで実に多くを学んだ。街は僕の心にしっかりと根を下ろし、思い出の殆んどはそこに結びついている。しかし大学に入った春にこの街を離れた時、僕は心の底からホッとした。
夏休みと春休みに僕は街に帰ってくるが、大抵はビールを飲んで過ごす。
東京行き夜行バスで東京に帰る
後日談 僕29歳、鼠30歳・小説家 -
1970年代に書かれた本だから、昔の若者の雰囲気を感じられる一方で、いつの時代にも普遍的に存在するのであろう、若者特有の何かを持て余したような、満ち足りなさを感じた。結構好き。
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短い本であり、また細かく章ごとに分かれており、歯切れの良いテンポで一気に読み終えることができた。のちの彼の作品でよく見られる残酷シーンや露骨な性描写がないのはよい。ただ、全体的な印象は薄く、主人公に共感ができる点はあまりなかった。
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・村上春樹デビュー作
・デビュー作を読むと特徴がわかる
・大学一年の男子に勧めたい -
村上春樹のデビュー作。デビュー作とは思えないほど洗練されている。学生運動の熱量の時代の雰囲気を漂わせつつ、日常へ回帰していく。別れ
風の歌を聴け
- デレク・ハートフィールド:同時代人としてヘミングウェイ、フィッツジェラルド
- 1938年6月のある晴れた日曜日の朝、ヒットラーの肖像画を抱え、傘をさしたままエンパイアステートビルの屋上から飛び降りた
- 虹の周りを一周半
- 火星の井戸:レイ・ブラッドベリを彷彿とさせる
- 鼠の黒塗りのフィアット600
- リチャード・バートンの主演した戦車映画
- 感情教育
- ジョン・F・ケネディ:人間は生まれつき不公平に作られている
- 熱いトタン屋根の猫
- ジョニー・アリディ
- ミシェル・ポレナレフ
- ビーチボーイズ「カルフォルニア・ガールズ」
- ベートーベン「ピアノ・コンチェルト3番」
- マイルス・デイビス「ギャル・イン・キャリコ」
- ヘンリー・ジェイムズ
- ハーパース・ビザール
- ロジェ・バディム
- ボブ・ディラン「ナッシュビル・スカイライン」
- ミシュレ「魔女」
- マービン・ゲイ
- ジーン・セバーグ
- カザンザキス「再び十字架にかけられたキリスト」
- マントバーニ:イタリア民謡
- ロマン・ロラン「ジャン・クリストフ」
- フランダースの犬
- 戦場にかける橋
- エルヴィス・プレスリー「グッド・ラック・チャーム」
- サム・ペキンパー「ガルシアの首」「コンボイ」
- 灰とダイヤモンド
- 尼僧ヨアンナ