二十歳の原点序章―未熟な孤独の心 (1974年)

  • 1974年6月30日発売
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感想・レビュー・書評

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  • 彼女は頻繁に「考えなくてはならない」「~とはなんなのか」「~すべきだ」という言葉を使っている。真面目すぎるが故の自殺なのかな、と感じた。
    もし彼女が、あと数年生まれるのが遅かったり、違う大学に入ったりしていたら話は違っただろうか。いや、私はどの時代に生れて、どの学校に入っても彼女は最終的に自殺をしていたように思ってしまった。

  • 「独りであること、未熟であること、これが私の二十歳の原点である」

    1969年6月、立命館大学の学生であった高野悦子が自ら命を絶った。享年20歳。『二十歳の原点』は彼女が書き残した日記である。1969年1月2日、20歳の誕生日からそれは始まる。

    立命館大学文学部に入学した後、彼女は読書やアルバイト、そして学生運動との狭間で、自己を確立しようと努める。考え、迷い、悩み、叫び、行動を起こす。喫茶店「シアンクレール」で思案にくれ、あるべき自分を模索し続ける日々。

    時として、その終着点は「死」に向けられた。しかし多くの場合、彼女は「生」への強い想いを抱き続ける。明るさとせつなさを交錯させながら、強く生きることを切望する。

    6月22日、彼女は長い長い日記を綴る。睡眠薬を大量に飲みつつも、それに打ち勝って眠らずにいられるかを試し、最後に一編の美しい詩をうたう。それが彼女の最後の日記となった。

    20歳の日々。何を考え、どのように生きていただろうか。そんなことを考えさせられる本でした。

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