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感想・レビュー・書評
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一言結論:チャップリンを社会学的にでなく、人間として理解したい方のための本です。
感想:チャップリンの作品やその影響などについての考察は、客観的な他の本の方が正確でしょう。この本は、チャップリン本人が何を考え、どんな感情を抱えながら生きていたのかということを知ることができます。特に、生い立ちの部分にある貧しさから学んだことについては本人の口から語られることが大きいのではないかと思います。
「独裁者」以降の政治的な側面についても、本人はあくまでどの政党の支持という気持ちはなく、あくまで人間らしさや平和を願った人だということも分かります。
この自伝を読むと、本人が大切にしたかったことがあまり大切にできなかったのかなという気がします。特にお金と名声を得てからは、そういう人達が周りにいるようになってしまいました。チャップリン本人が何度も話題に持ち出していた聖書の中に皮肉にもこんな言葉があります。
「お金を愛することは,あらゆる悪い事柄の根なのです。ある人たちはこの愛にとらわれて信仰を失い,多くの苦痛を身に招きました。」
チャップリン本人がというよりは、むしろ周囲がこういう人達だったのは残念な話です。いずれにしても自分の作品を愛し、人を楽しませることを生きがいとし、平和と穏やかさを愛したチャップリンから学べる点は多くあったと思います。ファンなら一度読んでみても良いのではないでしょうか。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
(1969.12.15読了)(1969.11.13購入)
(前半)内容紹介
突然声の出なくなった母の代役として五歳で初舞台を踏み、母の発狂、父の死、貧民院や孤児院を転々とし、ついに地方まわりの一座に拾われて役にありつく――あの滑稽な姿、諷刺と哀愁に満ちたストーリーで、全世界を笑いと涙の渦に巻き込んだ喜劇王チャップリンの生いたちは、読む者を興奮させずにおかない。神話と謎につつまれたその若き日々を、みずからふりかえって描く。
(後半)(「BOOK」データベースより)
あのお馴染の浮浪者スタイルで、涙と笑いを振りまき、人々の心の奥に深い感動を呼び起した喜劇王が、自ら語った波瀾万丈の生涯。彼は常に大衆の味方、支配者の敵であろうとしつづけ、それがために、こよなく愛した合衆国を去ることになった。しかし、最愛の妻ウーナを得、子供たちに恵まれ、母国イギリスからはサーの称号を受けて、スイスで過した晩年は平和だった。待望の完結編。 -
天才の背後にはこんなにもたくさんの荷物があるんだな。力づけられる。
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赤貧の幼少時代から舞台に立って精神を病んでいたお母さんを支えてなお常に希望して押し付けがましいのおの字もない
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一分野に秀で、卓越した才能を持っている人は、たったわずか一瞬でもその才能の片鱗が披露されれば、たちまちに多くの人の注目を集め評価を得てしまう。スターは最初っからスターなのだ、と、この本に描かれるチャップリンの幼少のころの舞台デビューシーンを読んで思いました。強みとは何か、ということを考えるいい材料になると思います。
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極貧の時代から成功をつかむまでの日々を淡々と綴った自伝。特に幼少時代の貧しさは想像を絶するものがあり衝撃を受けます。ハングリー精神とはまさにこのことを言うのだろう、と思わされます。
家族の大切さ、逞しく生きること、社会の渡りかたに対するまで、数多くの教訓が含まれています。