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感想・レビュー・書評
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おじいちゃんがくれた本
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ポジティブ思考の大切さを教えてくれる本として有名な(らしい)本書。しかし、普段結構ポジティブ思考なワシが、本書を読んで「ポジティブ思考って怖いな」と感じてしまいました。
なるほど、主人公パレアナ(ポリアンナ)は、自らの哀しみを乗り越えるために「良いこと探し」を自らに課し、それを実践し、他人にも教え、小さな街の人々を変えていく、という、大変に美しいストーリーです。
しかし彼女の「良いこと探し」は、時に周囲を落としたりすることで成り立ちます。あるいは「周りはもっと不幸だから幸せ」という相対性での幸せ探しもあります。ワシはそれを健全なポジティブさとは考えていないので、釈然としないところが出てきてしまいます。
ポジティブであることの危険性、それを本書は皮肉にも教えてくれます。
あるいは著者は、そこまで見越しての寓話として本書を記したのかもしれませんが、本書の思想が素晴らしいものとして社会通念化したことがある、っていうのは怖いことですし、その危険性に似たものは後に「ポリアンナ症候群」という形で社会病理として命名されたことも示唆的です。
なんでしょうね、「ペイ・フォワード」なる映画を見た時にも感じた違和感、善意に隠された「ネガティブ」や「不幸」を感じてしまうのです。
それをそんなに深く掘り下げなければ、本書はある意味で小説と言うより戯作と言った方が良いかもしれません。シンプルな展開、非常に豊かな登場人物の感情表現と揺り動かし、大団円に向けての構成など、喜劇の要素が満載ですから、結構面白くなるのでは無いでしょうか。いやまぁ、既になっているんでしょうけどね。
良作なんだけど、釈然としない、そんな心持ちの読書になりました。 -
名作ですよね!
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確かお父さんお勧めで小学校のときに読んでみた本。未だに持っている。
なんでこれで読書感想文書かなかったのか謎なほど感動できる。