Zの悲劇 (1959年) (新潮文庫)

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  • 探偵小説の黄金時代の名作。
    原作は84年前の出版で、古めかしい文章表現もまた一興です。

    「Xの悲劇」から10年後という設定で、サム警部は私立探偵に、地方検事ブルーノはニューヨーク州知事に、レーン氏も肉体が衰えたりと、登場人物の変様も、シリーズものを読む醍醐味です。

    元舞台俳優という設定なので、相変わらず洒落た言い回しが出てきて、たまに古典作品を読むと面白いです。
    (「シェイクスピアもその14行詩のひとつで言っているように、ばらに棘あり、しろがねのごとき泉に泥あり、あらゆるひとに欠点あり、ですよ。」) 
    (聖ジェロームも言っています「悪魔に乗ずる隙を与えないよう、つねになにか仕事をしていなければならない。)

    アメリカの歴史を感じさせる電気死刑の場面は、「謎解き」の必要以上に詳細に書かれていて、ルポルタージュ的な面もあります。
    一般市民も死刑執行に立ち会うことを法律で規定している(市民12人に招待状を送る!)など、歴史、異文化を知るといった、推理よりも別の楽しみ方もできるかもしれません。

  •  長い間積まれていた本。
     ずいぶん昔にXとYを読んで内容もほとんど忘れてしまっていたが、とりあえず一つだけ。
     レーン氏、老いたなぁ……
     歳月って残酷だなぁ……
     ストーリィはな、微妙。語り手の小娘の言動が微妙。
     ってか、このシリーズ、ドルリィ・レーン氏の行動があまり好きではないんだよな。なんか、「私を信じて」って言葉がね。そんな、証拠もなにも話してさえくれないのに信じられるかっての。そこまで秘密主義にしなきゃならないのが分からない。
     推理は緻密。現代ミステリで此処まで緻密に推論を繰り広げてるものはないだろうな、ってくらい緻密。以下反転。
     ただ、利き足って重要かなあ。利き手で犯人が決まるってのはわかるけど……足も同じなのかなあ。作中じゃ同じだって力説されてたけど。
     とりあえずこのシリーズは『最後の悲劇』まで読んでこそらしいので、それを探さないとな。

    04.05.13

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