蜘蛛巣城<普及版> [DVD]

監督 : 黒澤明 
出演 : 三船敏郎  山田五十鈴  千秋実  志村喬 
  • 東宝
3.71
  • (18)
  • (32)
  • (28)
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本棚登録 : 174
感想 : 37
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  • Amazon.co.jp ・映画
  • / ISBN・EAN: 4988104044631

感想・レビュー・書評

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  • 黒澤明が”マクベス”を日本の戦国時代に置き換えた映画です。
    マクベスに当たる武将の鷲津武時を演じるのは三船敏郎。マクベス夫人に当たる鷲津の奥方の浅茅を演じるのは山本五十鈴。
    シェイクスピアの戯曲では三人で現れる魔女たちは、一人の山姥で妖怪変化の類になっています。

    豪快で素朴な鷲津と、能面を被ったかのような無表情無感動さの奥方は”動”と”静”。
    鷲津武時が殿(ダンカン王に当たる)暗殺を決める場面では、鷲津武時は大きな動きと声で同様と戸惑いと出世欲を見せ、そしてそんな夫の後ろについて回り、能面のような顔と平坦な口調で滔々と怖ろしい暗殺を説く…。
    いやあ、山本五十鈴恐ろしい。終盤の発狂も怖いけれど、無表情で暗殺を勧めるのも恐ろしいよ。

    暗殺を重ね出世していく鷲津武時の居城は次第に大きくなるが、画面に漂う不吉さも増す。
    そして圧巻なのはクライマックス。このDVDの表紙で完全ネタバレしておりますが、まあこれを観ようという人は、元ネタはマクベスで、最後は討たれると分かってるからいいのかな 笑
    鷲津武時が手に入れた蜘蛛巣城は取り囲まれ、鷲津武時を狙い大量の矢が雨霰と注ぐ。
    その間を逃げ回る鷲津。
    そして一本の矢が鷲津の首を貫き…。

    DVDの表紙でこういう最期を迎えると分かってはいるのに、この一本の矢が三船の首に突き刺さった時のスピード感、唐突さには本気で驚いた。

    • mkt99さん
      淳水堂さん、こんにちわ!(^o^)/

      この映画の山本五十鈴は妖怪じみていて本当に怖かったですね!
      糸巻きのババアも怖かったけど。(^...
      淳水堂さん、こんにちわ!(^o^)/

      この映画の山本五十鈴は妖怪じみていて本当に怖かったですね!
      糸巻きのババアも怖かったけど。(^_^;

      また、この映画の最後の場面では、黒澤明監督はに本当に矢を射かけさせたそうですね。
      三船敏郎は激怒して猟銃を持って仕返しに向かったということですが(笑)、DVDの表紙はまさに本物の恐怖の顔だったかもしれないですね。
      いくらリアル志向でもさすがにやり過ぎではないかと・・・。(^_^;
      2016/12/06
    • 淳水堂さん
      こんにちは!
      実は見たのはかなり前で、もう一つのマクベス登録のため思い出しながら書いたのですが、
      「暗殺唆す場面コワかったなあ」が一番印...
      こんにちは!
      実は見たのはかなり前で、もう一つのマクベス登録のため思い出しながら書いたのですが、
      「暗殺唆す場面コワかったなあ」が一番印象的で。

      本物の矢に対して猟銃で仕返しですか(^^;)
      撮影話で「糸で矢の軌道を作った」みたいなのを聞いた気がするのですが、それにしても顔の真横をプスプスバラバラ刺さったら本気でコワいですよね。
      役者、監督って因果だわ…。
      2016/12/09
  • 万人受けする作りではないだろうが、個人的には面白かった。
    「マクベス」のストーリーを基に能の演出を取り入れた演技は、観ていてとても引きこまれました。
    黒澤明監督、三船敏郎主演という黄金コンビの大作映画で、城のセットから武具などの小道具にいたるまで迫力があります。
    ですが、本作の見所は何と言っても三船敏郎の演技の凄まじさでしょう。あの面構えといい、畏れおののく様といい迫真でした。最期の壮絶なシーンも素晴らしい。それから、能面の山田五十鈴の存在も凄いです。夫である主人公をそそのかすシーンはとてもコワイ!あの衣擦れの移動も迫力満点ですね。(笑)型にハマった幽玄な所作がコワさを醸し出していました。コワいと言えば最初に登場する糸巻きシーンの物の怪(浪花千栄子)も妖しさ満点の演技です。(笑)
    また、カメラワークの技術もとても良かった。あの宴のシーンなど絶妙ですね。あのシーンは夢に出てきソ!(笑)
    おどろおどろしい悲劇ですが、舞台的な演出で大袈裟な動作に目を見張るのと、テンポの良い展開で一気に観させてくれました。

  • レンタル

  • マクベスを下敷きにした内容が日本の能とコラボすることで幻想的な雰囲気を出していた。人間の欲深さが身を滅ぼすことになるという教訓がリアリティを持って感じられた。

  • 「世界のクロサワ」の魅力を堪能できる作品。全編どこで一時停止しても、美しい構図。出演者の演技力も桁外れ。奇跡のような作品。これがきっかけでシェイクスピアを読み漁った。

    クリスマスに独りで観た。泣いてはいない。

著者プロフィール

(くろさわ あきら 1910−1998年)
日本を代表する映画監督。1943年『姿三四郎』で監督デビュー。生涯30本におよぶ名作を監督した。『七人の侍』(1954年ヴェネツィア国際映画祭銀獅子賞)など海外の映画祭での受賞が多く、映画監督として初めて文化勲章、国民栄誉賞を受賞し、1990年には米アカデミー名誉賞が贈られた。

「2012年 『黒澤明脚本集『七人の侍』』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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