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- / ISBN・EAN: 4988113822305
感想・レビュー・書評
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最近のシャーロック・ホームズは甘いマスクで戦ってみたり現代医学の診断名付きで現代によみがえってみたりしているわけですが、1985年制作のこちらでは少年時代の冒険を披露してくれています。ワトソン君もいますが、なんとシャーロックに恋人がいます。恋人がいるんです。
60年代の映画を見るとテンポの遅さや物語の詰めの甘さの目立つ作品もそれなりにあるわけですが、85年の作品ともなるとCGの技術も高くなり、物語のテンポも改善、2000年代の娯楽作品と比べても遜色のない作品に仕上がっています。
主人公のシャーロックの少年時代を描く作品ということで、全体的に子供向けのつくりではありますが、ハリー・ポッターシリーズの映画を好むお子さんになら、普通にご満足いただける作品であろうと思います。
この作品単独で放映されたわけでなく、リヴァー・フェニックスおよびイーサン・ホークの映画初出演作品である『エクスプローラーズ』と同時上映された作品で、しかも同年には『バック・トゥ・ザ・フューチャー』などのSF大作も上映されていますから、この作品のインパクトは相対的に薄らいでしまったのではないか、と思われます。この数年前に『インディ・ジョーンズ』シリーズが2作品上映されてもいますので、その影響も見られる冒険活劇ですね。
前半部では近代イギリスの典型的な寄宿舎での生活が描かれるわけですが、これはもうまさに「イギリスの寄宿舎といえばこうだよね」という我々の予想を裏切らない仕上がりですので学園ドラマ好きにもお勧め。後半部が推理アリ、冒険アリのシャーロック・ホームズ的要素なのですが、どちらかといえば戦うシャーロック・ホームズ寄りですので、原作ファンには違和感があるかもしれません。
音楽も視覚効果もよく、とくに視覚効果は怖いものから可愛いもの、エキゾチックなものと多彩に用意されていますので、とても楽しい。
それにしても80年代はSFや冒険ものの映画が豊作なのですねえ。90年代といえばサイコスリラーのような気がしているのですが、80年代はまだロマンの時代だったのか。見るべき作品が多いし見たのに忘れている作品も多い。
※追記
随所に『インディ・ジョーンズ』的要素が見られる、と思ったら、監督はバリー・レヴィンソンだけれど製作総指揮にスピルバーグの名が。そういうことだったようです。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
映画のエンターテインメント性って、必ずしも難解さやVFX技術の進歩じゃないんだなぁと