- Amazon.co.jp ・映画
- / ISBN・EAN: 4527427639232
感想・レビュー・書評
-
いま私が新作を待ち焦がれている監督のうちのひとり、アキ・カウリスマキ。
今年映画館で観た「ルアーヴルの靴みがき」もとっても面白かった。
本作も久しぶりに見直したけれどやっぱりセンスの素晴らしさはずば抜けているなと感じます。
特に本作では音楽がすごく効果的に使われていて、主人公の失恋シーンは何度観ても笑ってしまう。
あんなに無表情でセリフも棒読みなのに、登場人物たちの心の機微が伝わってくるのは音楽や小道具、間の使い方なんかが巧いからだろうな。
タイトルからしてチャップリンの名作「街の灯」のオマージュであるのは一目瞭然なんだけど、初見のときはどこがどうオマージュなのかがよく解らなかった。
今回見直してみると、どうも「盲目」によって本当に自分ことを想ってくれる人のことが見えないというところが共通しているみたいですね。
チャップリンの「街の灯」の少女は盲人だったし、本作の主人公は恋によって盲目になってしまっている。
心にほんのりと希望の灯りがともるラストも、どことなく似ているなぁと感じました。
カウリスマキ作品に欠かせない(?)なさけない感じの犬が今回も完全にツボでした。
ホントいい味だしててかわいいです。
(2006年 フィンランド)詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
北欧の人は本当にあんなにも無口なのかな。
ロマンティックな所でさえもアッサリ。
不思議。
決して愉快な映画ではなく、セリフも少なく淡々としているけれど
突っ込みどころがたくさんあり楽しい。
そして絵面もとても好みです。
静の中に動がある。
意志を感じるラストも好き。
...とまぁ私的には褒め倒しましたが、
人にオススメできるかというと「それは無い!」と断言できます^^;
地味なので^^; -
ただただ淡々としていて、でも思い出そうとすると映像と色が浮かび上がってくる。何かが綺麗とかではなく、何か残る色がある。
-
2008.3
ますます台詞が少なく、
余分なものが一切そぎ落とされていた。
もう少し説明が欲しいかな、と思うとこもあるけれど、
やっぱりこの空気感は好き。
古典的なリアクションとか、古典的な展開とか。
映画らしい映画。 -
まふつう
-
なんとも言えない哀愁がとても魅力的な映画。
-
カウリスマキ監督お得意の貧しい若者の(必ず敗北せる)映画。ソーセージ屋の女を演じたマリア・ヘイスカネンがかわいい。手近な女性に頼ればよいのにと思いながらも、自分の経験を振り返ってみると、やはり手放しで頼ることには抵抗があるのである、男って、若者って、貧しき者って。随所に小津安二郎を意識した真正面からのショットが見受けられる。いい味出してます。
-
もう最初の10分間くらいで主人公の男が「40歳近い(過ぎ?)けど、俺はこれから本気出すぜ」的なダメオーラを放っているのが観客に伝わってくる。この主人公の場合、多少はイケメンぽいのも、かえってそれが災いしていると言えよう。もっと不細工だったら諦めもつくだろうにねぇ。
っていうわけで、本作は「ダメ男が何をやってもダメなのです」ということを2時間掛けて教えてくれる。ダメな人にはちゃんとダメである理由がある。それを、ほとんど台詞なしでアキ・カウリスマキ監督は観客にじっくり教えてくれるのだが、でも、そんなことわざわざ勉強したくないのよ~(涙) -
ひたすら打ちひしがれる男。それでも文句たれないのがカウリスマキぽい