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- / ISBN・EAN: 4988105058644
感想・レビュー・書評
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"男はつらいよ"第32作。さくらの夫・博の亡父の墓参りに備中を訪れた寅さん。そこで出会ったお寺の娘と周囲公認の仲に!?寅さんの未来や如何に。。。
竹下景子の知的美人っぷりが素敵。サブカップルの中井貴一と杉田かおるのイモかわいさも好感。お寺の後を継ぐために坊主を目指すほど本気の寅さんだけれども、やっぱり本人から迫られるとあっさり身を引いちゃう。さくらに仔細を問われて"大人の男と女の秘密ですよ"と答えるほどのエピソードも無いのが悲しい。
両カップルとも最後にバサッと打ち切られた感じなのがちょっと物足りない。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
令子かあさんに続き雪子おばさんとの共演も達成!歓喜である(笑)
初めてTVシリーズ「北の国から」を初回から鑑賞した時はいしだあゆみの美しさよりは先に竹下景子の美しさに驚いた。それはきっとそれまでの自分の中の彼女の印象がこの頃よりは少し後のクイズダービーでのそれに占めていたからであろうことは容易に想像がつく。改めて草太兄ちゃんがコロッといってしまったのに納得。
志村喬が博のお父さん役で前回出てきたのは本作から数えると5年前の公開となる第22作目、こちらがハイスピードでたどっているので映画の中での時間経過と観てる側の時間経過のずれが大きくなってきているのだが、作中でなんの前触れもなくこのお父さんが故人扱いになっているのに幾分薄情な感じもした。ところが史実を紐解くと本人は確かに本作公開の前年に他界しており、これはこれで山田監督が他の誰かにこの役を回すことなど考えもしなかったこと、またそのかつてのロケ地を再訪する気にさせたこととつながるのだろうと勝手にほっとしたりもした。で、その備中高梁での物語は設定めちゃくちゃ、現実性ゼロながらもそれを通して新たな日本語を覚えることができたことはひとつの収穫。その言葉は「納所さん」。
松村おいちゃんが再登場して喜。しかも寅さんと酔って語らうシーンまで含まれている。いやはや、お得な回だ。中井貴一に関しては個々数年は実父佐田啓二の鑑賞回数のほうが断然多かったのでおばちゃんの男前に弱いところなんかは同じ波長で感じとれたような気がする。
「八日目の蝉」(2011) で気になった森口瑤子(当時は灘陽子)という女優さんに再会出来たのも収穫。そして偽トラの下りも秀逸。熊さんも結構前に鬼籍に入ってるんだなぁとついしんみり。 -
寅さんがお寺で成り行きから坊さんの代わりを務めると人気者に。お寺を手伝うことになった寅さんはお寺の出戻りの美人に恋をするが。。。
そら、的屋の寅さんなら講話もうまいよね。寅さんの陽のキャラクターが社会適応する可能性を描いている。
え、そんなので失恋して去っていくの?と思う人もいるかもしれないが、これぞ寅さん。これ、見方によっては寅さんがふってるよなぁ。さくらが横にいるのもたまらなくいい。 -
博の父親(志村喬が懐かしい)の3回忌で寅さんが岡山県の実家のに行くというのが映画の発端。もうこれだけで胸が熱くなります。そこで寅さんは成り行きで坊主の見習いになるわけですが、先代おいちゃんでお馴染みの松村達夫が住職を演じ、この2人が絶妙なやりとりを見せます。法事で帰郷した博とさくらに茶目っ気たっぷりに驚かそうとする寅さんの姿も微笑ましく、この高梁でに寅さんの仕事ぶり、生活ぶりが実に生き生きしていて良いのです。
娘の竹下景子と結婚して寺の跡継ぎになるという話も持ち上がるのですが、やはり寅さんは腰が引けてしまう。自分が寺の跡継ぎにはふさわしくなく、彼女を幸せにすることができないと察したからでしょうが、今回は珍しく恋のライバルがなく、彼女の思いも本物だっただけに、「惜しいなぁ」と思ってしまうわけです。
ひとつ残念なのは、マドンナの竹下景子はただ美しいだけで、そのキャラクターがしっかり描かれていないんですよ。すごく情熱的だったり、奔放だったり、芯ガ強かったり、そういうマドンナこそ印象に残るのですが、本作の竹下景子についてはちょっと勿体なかったかな。良作であることは間違いないのですが、シリーズでとりわけ印象の強い作品かというと、そうでもないと。