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- / ISBN・EAN: 4527427642751
感想・レビュー・書評
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観た直後、とっさに思った。アルモドバルはこうじゃなきゃね。
登場人物も濃いのだが、彼らが抱える愛憎も濃く強い。おもな登場人物はみんな男性で、しかもゲイなのだが、いやー、狙っている相手をみる目つきがアヤしすぎるから! エンリケのフアンを見る目が、マノロ神父のイグナシオ少年を見る目が、ベレングエル氏のフアンを見る目が、今にも相手に飛び掛りそうで、不覚にも笑いそうになったのだった。ラテン系の俳優の目力は、とりわけ強い気がするのは気のせいか?
劇中劇と現実が交互に語られ、見る前はわかりづらいかなと思っていたが、そうでもなかった。また、エンリケの前に突然現れたイグナシオ(アンヘル)が、本当に幼馴染のイグナシオなのか?という謎は、案外早くに解明する。映画全般に、登場人物同士がお互いの探りあい、騙しあい。一方的な狂おしい思いを抱えている相手を、自分の欲望のために利用していく。ちょっとむなしい。
ガエル・ガルシア・ベルナルの女装が話題になっていたけど、顔だけ見ると、二枚目だけあって案外きれいだと思う。ただこの人、全体的に線が太いので、「本当の女の人みたい」ということにはなりません。でも、ベレングエル氏をさんざん振り回す様子は、悪女とか、ビッチとか、ファム・ファタルとかいう言葉を連想させた。「トーク・トゥ・ハー」で、昏睡しているバレリーナを献身的に看護する看護士役の俳優が、オカマの役をやっているのも驚いた。アルモドバル、さすがやね。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
自伝的要素を含んだ男色映画(R-15指定)。
こういう危ないの好きだ(笑)。
時系列は複雑なんだけど、物語の核心に迫るにつれ「最初のあのシーンはこういう意図だったのか」と謎が紐解かれていく感じはかなり好みだった。
作りが巧み。
当然物語としても面白い。
2人の主人公も存在感あった。
ガエル・ガルシア・ベルナルは「モーターサイクル・ダイヤリーズ」で観たことあったんだけど、この映画でもいい演技してるんだ。
オカマへの変貌ぶりが素晴らしい。
同一人物が演じてるとは思えなかった。
ラテン映画界の名監督と名優が出会った、ラテン映画の最高峰とみた。