- Amazon.co.jp ・映画
- / ISBN・EAN: 4988135714237
感想・レビュー・書評
-
周囲の人と際立って違う特性、何かしらの障害を持つ者、苦境に立たされた人間が苦悩の末に徐々に認識に歪みが生じて心を病んでいくことも多い中で、ベンジャミン・バトンの天性の楽天的で素直で穏やかな性格は、何よりも母親の愛情や周囲の魅力的な人々との交流によって育まれたものなんじゃないだろうか?
あれだけの孤独、疎外感を感じざるを得ない境遇で、あえてその苦悩を深くは描かない、優しい温もりを感じる演出が素晴らしかった。
無邪気な子供時代や父親としての喜び、その時々の年齢によっての人生の楽しみや苦悩を生まれながらにして奪われながらも、自らの数奇な運命を受け入れて人生を全うしたベンジャミン・バトン。
彼の愛に恵まれた人生全体を通して、一生という短い時間、これからの残された時間をどう過ごすべきかに想いを馳せる3時間だった。
詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
あまり期待しないで見たが、意外と良かった。
子ども時代は穏やかに根気強く相手をしてくれる老人、若いころは落ち着いた中年、老い始めたら青年、老人になったら可愛い子どもって女の理想の相手を一人の男がしてくれたわけで、ある意味女のファンタジー。
デイジーは幸せだね。
それにしても老けメイクとCGの技術の素晴らしさよ。どこがノーメイクのブラピとケイト・ブランシェットなのかよーく見てもわからない。
長いなと思ったけど、(原作は短編だと知ってはいるが)小説だったらこれくらいのエピソードは作品として必要で(でなければ老人で生まれて赤ん坊で死ぬという基本設定のあり得なさをリアルに思えない)、映画もこれくらいの長さがスタンダードになれば、小説の映画化作品も、もう少し納得いくものができる気がする。
黒人の母親が素敵で、このつかず離れず感は親として見習いたいものだと思った。 -
面白かったし、よく出来ていたけど
「フォレストガンプ」を
もう一度観ているような感覚になった。 -
人の一生とは。
泣いたり笑ったり、絶望したり、立ち直ったり。
そんな事を繰り返している間に、あっという間に終わってしまうものなんだな…
赤ちゃんとして生まれ、成長し、やがて老いていくも、
老人として生まれ、若返り、やがて幼子として死んで行くも、
さほど変わらない。
が、
それでも、特異ではある後者の運命を辿ってしまった一人の男の長い一生に、最後まで付き合っていたい、見送らせて欲しい、そんな気持ちでいっぱいになってしまった。
それまで意識もしていなかった。
当たり前の日常。
同じ様に繰り返されていく日々の果てにある未来まで見通せる程、平坦な道を歩むだけの人生、でも…
やはり、素敵だ♪
人と出会う事、
好きになる事、
恋をする事。
やがて、
大切な家族が出来て、
自分よりも
もっと
もっと
守りたい人が
一人、二人、と増えていって。
そして時折、逆らう事もままならぬ程の大波に呑まれながらも、
もがいて、
足掻いて
必死で
必死で
生きようと懸命に呼吸して。
そうして気がつけば、
もう一度、
いや、
何度でも
人生を繰り返して生きる為の、
行為を私達は無意識に行っている。
何度でも生きたい。
どんなに苦しもうとも。
人の本能が、何故そう叫んでいるのか、
静かに
静かに
心に沁みてくる様な…
小さくて温かい命が
例え、
これから失われようと、
これから生きようと、もう、どちらでも構わない。
成す術がないなら、ただ身を委ね、
後はひたすら眠るだけ。
そうすれば、
そうすれば、
やがて朝は来るのだな。
一人の男性の数奇な人生を見送った後、心に射したのは朝日の様に眩しい光。 -
映画化までにそんなに時間がかかったとは知らず、何も考えず観た。
成長の先にある「死」が見え隠れ、ぐっと集中できた。 -
ブラピのかっこいいこと!
-
若い頃のジーンズのブラッドピットがイカす
-
とても静かでいい映画でした。ベンジャミンの老人の姿で産まれ若返っていくという点は他の人と違うけど、成長の過程はみんなと同じ。いろんな人と出会い、いろんな価値観に触れ、時には影響を受けたり、逆に影響を与えたり、別れたり、再会したり、悪いことを経験し、つらいことを経験し、楽しいことも経験し、失恋したり、恋が実ったり、大切な人を失ったり…そうやって少しずつ自分というものを作っていくベンジャミンと昔から今までの私自身の姿を重ね合わせて見ていました。沢山の人が彼のまわりを通り過ぎていって、確かに別れはつらいけど、それもまたそれぞれの人生なんだってことを教えてくれる映画です。意味のない出会いなんかないんだね。それが分かった。
変わろうと思えば変われるし、変わらないこともできる。
この言葉を胸に刻んでこれからも色々な出会いを繰り返して成長していきたい。 -
長い。
とにかく長くて。。。 -
生と死について。永遠について。人生について。
人はひとりきりで生まれ、ひとりきりで死んでいく。
流れゆく時間に逆らえる人間はいないわけで。
テーマ自体はずっしりしてるけど、テンポよく見れるし、何より言葉の言い回しが美しいしセンスフル。
満足感のある映画でした。 -
どう思えばいいのかわからなかった。
自分が映画だと感じる条件は、
・ストーリーが面白く、楽しめるか
・自分の人生に役立てられそうな思考があった、できたか
・新しい考え方を知ることができたか
なのかもしれない。自分とは全く関係のない特殊すぎる条件の人物が、どれほど数奇だろうと興味は惹かれないかも。 -
劇場にて/長かった割には退屈しなかったという印象.
-
普通です。
-
しわしわの、今にも死にそうな老体で生まれたベンジャミン・バトン。
彼は成長していくにつれ、身体は若くなっていった。
両親、恋人、仲間、、、多くの人が彼の生涯に触れるが、
彼を愛すべき存在として受け入れる。
周りの人々が時の流れとともに年老いて、死を迎えるのを横目に見ながら、自分ひとり年老いていくベンジャミンは何を思って見つめていたのだろう。
取り残されるどころか、時間は加速して皆とベンジャミンを引き離す。
彼が生涯綴った日記の言葉を知ると、身体は単なる外側の“器”でしかないことを信じたくなる。 -
よくできてるよね。金でつくれるクオリティって大事ね。
-
邦題は「ベンジャミン・バトン 数奇な人生」。原作はスコット・フィッツジェラルド。ケイト・ブランシェットの透明感っていうか、もう神々しいまでの美しさに目を奪われるとともに、ブラッド・ピットって奴はほんとにかっこいいなぁ、ていう。しかし、にしても、長い。2時間半以上は、さすがに苦痛になってくる。もうちょっとまとめようよ、と。デヴィッド・フィンチャーの作品としては、不出来、だと思う。もっと、やれるよ、あんたなら、と。(11/12/28)
-
年老いた姿で産まれ、赤ん坊の姿で死んでいくベンジャミンの一生を描いたもの。なんとも切ないけれど、人間臭さが良く伝わる作品で私的には好印象。ブラッド・ピット、良かった。
-
43歳と49歳。
同じ時間を歩んだのがこの時だけ。
それ以外は共に同じ時間を歩めない、切ないお話。