ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破 EVANGELION:2.22 YOU CAN (NOT) ADVANCE.[DVD]

監督 : 庵野秀明 
  • キングレコード (2011年10月17日発売)
4.29
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  • Amazon.co.jp ・映画
  • / ISBN・EAN: 4988003800796

感想・レビュー・書評

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  • この世は生きるには値しない。

    そのような物語があってもいいと思う。否定はしない。
    それでも、やっぱり世界は美しいと信じたい。

    『新世紀エヴァンゲリオン』を諦念の物語とみるならば、『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破』は希望の物語にみえる。
    そう信じたい。

    うつむいている時には空の青さにはなかなか気づけない。
    イヤフォンで音楽を聴いてばかりでは鳥のさえずりや木々のざわめきがわからない。

    何をみて、何を聴いて、何を嗅ぎ取るのか。
    同じ世界でも捉え方がまったく変わってくる。

    市井の人々が生活している。
    潮風の匂いがする。スイカ畑の土の匂いがする。
    おはよう、ありがとう、いただきます、が聴こえる。

    きちんとご飯を食べる。料理を作る。
    自分のために、誰かのために。

    同じようなストーリー、シチュエーションであっても微妙な変化が生じる。意味合いが変わってくる。

    ジェリコの壁の消失。
    アイスのハズレ棒。

    碇ゲンドウの描き方も、過去に固執する利己的な男から、仕事人間で不器用な父という印象に変わった気がする。
    ゲンドウ、シンジ共に、少しずつではあるが互いに向き合う努力をしている。

    そして、世界の命運を賭けた「ボーイ・ミーツ・ガール」に魂が震える。

    「Q」に期待。

  • 映像美(相変わらずグロいけど)と、庵野節ともいうような演出(昭和歌謡とか)が全開。

    TV版と比べるとトウジの扱いが大きく変わったなあとか、ラブコメパート学園ワイワイパート的なところが追加されたなあ、というのは分かりやすいものの各キャラクターの内面描写とかはTV版をベースに観てしまうのでそんなに大きな感慨という感じでもなく。

  • ヱヴァの序に引き続き破。こちらも何度も観ているけど、理由は新作が公開される度に復習として観てるから。(そしてその都度テレビ放映もよくされているから。)
    今まできちんと見比べたりしてなかったけど、今回観たせいでテレビ版がどうだったかものすごく気になって、HDレコーダーの中に入れっぱなしのテレビ版を見返すハメに……。BS日テレでちょい前に再放送が終わったけどまた1話から始まった!2周目かよ!


    破は劇場公開時から世間的評価は高くて、ファンの人達は大騒ぎしていたけど、私は「うーん…」と感じていて、そこまで好きではない。
    理由は単純で、新しい部分がどれだけあるかが私の評価軸になってるからです。つまり、新劇場版に関しては内容がものすごく破綻していてもQが一番好きということです。

    もうひとつの理由は、破の内容はテレビ版の8話から19話まで。いわゆるアスカ編、「明るいエヴァ」に相当する部分。だから「面白くて当然やろ!」と。
    第19話『男の戰い』は重要な回で、例えるならマクロス第27話『愛は流れる』とか、ナディア第22話『裏切りのエレクトラ』みたいな感じかなと。

    三つ目の理由として、私はレイじゃなくてアスカ派だというのもあるかもしれない。(アスカのルーツはコナンのテラとイデオンのカーシャとかかなーと勝手に思っている。)


    序に引き続き「エヴァって何なのか」という話。これは庵野監督本人が所信表明で発言しているので引用すると、

    “「エヴァ」はくり返しの物語です。
    主人公が何度も同じ目に遭いながら、ひたすら立ち上がっていく話です。
    わずかでも前に進もうとする、意思の話です。
    曖昧な孤独に耐え他者に触れるのが怖くても一緒にいたいと思う、覚悟の話です。”

    ということです。「くり返しの物語」、これはテレビ版がまさにそうでした。
    それを象徴するのが、冒頭で真希波が歌うチーターの『三百六十五歩のマーチ』。三歩進んで二歩下がる…という話。

    この引用はナディアの頃からされていて、マリー…惜しくも亡くなられた水谷優子さん…が歌うキャラソンの『人生行路のマーチ』が『三百六十五歩のマーチ』のパロディソング。だから実は昔から庵野監督のテーマでした。

    破は特に音楽が重要になってる。例のシンジ君のS-DATのトラック数問題もありつつ…『三百六十五歩のマーチ』は良かったけど、しかし『今日の日はさようなら』と『翼をください』はダサくてこれも好きじゃない部分。攻殻SACの『手のひらを太陽に』みたいなことをやりたかったのか?とも。

    逆に、破の中で一番好きなのはやはり『YAMASHITA』が流れるシーンです。ここは劇場で観てものすごく感動しました。この部分だけは何回観ても、いい!
    これは『太陽を盗んだ男』の楽曲。映画の内容は、理科教師のジュリーが原爆を作って脅迫するんだけど、「ローリングストーンズの日本公演をしろ」と。赤軍派みたいに政治思想的な理由ではまったくないという、しらけ世代の話。庵野監督はまさにしらけ世代、新人類世代、オタク第1世代の人。
    太陽=原爆というのは、まさに強大な力を持つ存在のエヴァと同じなんですね。ポチッとすれば大惨事になる。これはさらに『シンゴジラ』につながっていく。
    エヴァの強大な力は14歳の少年シンジ君に委ねられて、彼がどういう意思を持つのか、どういう決定をするのかという話。
    (脱線すると以前も書いたように、井上堯之さん作曲、PYGの『花・太陽・雨』は『帰ってきたウルトラマン』第34話『許されざるいのち』に使用されている)


    話は戻って、テレビ版だと「くり返しの物語」が作れていたけど、劇場版だとフォーマットの都合上作りにくいのではないかと。だから私は破がダメで、揺り戻しがドーンと来たQを観て「やっぱり…」となりました。

    あんまり好きではないけど、久しぶりに見返して良かった点。とにかくまとめ方、編集の仕方がすごく上手い。
    テレビ版ではヒカリの弁当話だったものを拡大してポカ波が料理を作る話、これが全体の縦糸に。

    「続編で逆をやる」パターン。これは多くの監督がやっていることで、お禿のガンダムとZガンダム、河森監督のマクロス、押井監督の攻殻とイノセンス…キャメロンのターミネーターとT2などなど。

    いちおう8話から19話までではあるけど、それ以降の話も組み込まれている。22話のアスカ回アラエル戦、23話のレイ回アルミサエル戦と、旧劇場版26話までたぶん一気に消化。Qは26話以降の話かと。

    テレビ版ではエヴァに取り込まれるのはシンジ君だけだったけど、新劇場版ではシンジレイアスカの三人とも取り込まれる(感じになる)。レイとアスカは対照的だけど、セリフの部分も対になってる。

    シンジ君はラストで綾波を救出するという意思決定をするけど、これに対するツッコミが訳知り顔の真希波からちゃんとある。要はユイを助け出したいゲンドウと全く同じことをしている。

    追加キャラの真希波…好きだけどちゃんと話に絡むか微妙なので、正直要らんかったような気もする。完結編を観ないとわからないけど。メガネっ娘なので真希波はモロに鶴巻組のパート。
    マリの名前はライディーンかららしい…エヴァ、というより庵野監督や樋口シンジ監督世代はオカルトブーム・パニック映画ブームの影響大。そもそもヤマトからして「人類滅亡の日まであと○○日」。ライディーンや富野作品もオカルトの影響抜きでは語れないと思う。

    エヴァで説明ゼリフを吐くのは基本リッちゃんの役目。「天と地と万物を紡ぎ、相補性の巨大なうねりの中で…」ドンドコドンドコ。次に真希波で、最後がメタ的なカヲル君という構造。

    ふと思った細かい点、バルディエルの腕がにょきっと生えて4本になるのはQの13号機に続くのかなーとか(使徒+エヴァの結果)。


    先に引用した庵野監督の言葉、「我々の仕事はサービス業でもあります」。サービスサービスぅで、破はチチケツアニメでもありました。

  • エヴァンゲリオン新劇場版:破
    久しぶりに観た…っつうか
    Amazon primeで最新作を見始めたら自分が「序」「破」「Q」の「Q」を観ていないことに気付いた……なんたる不覚……と言うことで「序」から観るのは面倒なので「破」から見直すことに…笑笑。懐かしい〜
    今見るとシンジくんもアスカも可哀想な子供に見える…それと第3新東京市のハイテクぶりと従来の富士山麓あたりののどかさとのギャップが凄いな笑笑。ミサトさんはビール飲んでるイメージだったけど「獺祭」も飲んでたのか〜笑笑。NERV本部にローソンが…思わぬ発見笑笑
    加持くんの大人っぷりって当時からカッコよかったなぁ〜今見てもカッコいいや笑笑。ミサトさんのコスモスポーツのカラーリングって「風吹裕矢のロータスヨーロッパ」だな…これは面白い笑笑
    長く観てなかったけど今観ても面白いですねぇ〜

  • エヴァンゲリオン新劇場版第2作目。
    TVシリーズの話をある程度踏襲しつつも、新キャラクターが出てきたり、かなり違うストーリー展開を見せる。
    やっぱり面白いが、今度こそ、しっかりとした決着がつく終わり方をしてほしいと願う。
    あくまでも途中の段階なので次回作と最終作に期待。

  • 戦闘シーンがかっこよすぎた。タイトルどおり地上波アニメとはだいぶ話が変わってたな。
    起承転結の繰り返しがちょっと疲れるとか変な唄が流れるとか気になるところはあったけど面白かった。

  • エヴァンゲリオン新劇場版2作目。アニメとはかなり異なる部分が多いもののストーリーとしてまとまっていて分かりやすかった印象です。戦闘シーンの映像のクオリティも高く、また「序」と比べて、キャラクターの日常が多く描かれているもの良かったと思います。ただ、戦闘中に流れるアンバランスなBGMで意外性を表現したかったのだと思いますが、個人的には、ちょっとやりすぎかなという印象。万人受けを狙っていないところがエヴァンゲリオンの魅力なのかもしれませんが。

  • 2021.04.30 観了。

    5号機キター!
    アーマード・コアで言う4脚なのか?

    ちょいちょい出てくる携帯ゲーム機は音的にワンダースワン?

    紫だったりレインボーだったりと映像美が目立つ作品。

    んでアスカ出てきたは良いんだけど、
    「あんたバカァ?」連呼はなんなの。
    この人がいると急にオタクアニメ感がグッと増すね。
    だからエヴァンゲリオン観てこなかったんだよね。
    けど観ているうちに許容できるようになってくる。

    新キャラ・マリはこれから活躍するのかね?
    あんまり新キャラとして見せ場はなかった。
    裏コードはすごいけど。

    第10使徒が強すぎて絶望しかない。
    が、覚醒した初号機の強さ半端ない。
    こっからどうなるの?
    銀髪来ちゃったけどどうなるの?

    リアルタイムで鑑賞していた人たちはよく次のQまで待てるね。
    続き超気になる。

  • 相変わらず難しい(自分はぜんぜん予備知識なしで観てしまっているので)けど、とにかく戦闘シーンが格好いいのは相変わらずだな〜
    色々分かればもっと楽しいんでしょうね。
    この辺までは漫画でも読んだ気がするけど、こっちの方がつらくないよう内容変わってるんですかね?

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