- Amazon.co.jp ・映画
- / ISBN・EAN: 4547462056986
感想・レビュー・書評
-
詳細をみるコメント1件をすべて表示
-
ahiruさん螺旋階段のシーン、「なんで未来なのにエスカレーターないんやー!がんばれー!」って思っていたので「遺伝子の隠喩」と聞いて震えました。映画って面...螺旋階段のシーン、「なんで未来なのにエスカレーターないんやー!がんばれー!」って思っていたので「遺伝子の隠喩」と聞いて震えました。映画って面白いですね!2020/01/07
-
-
生まれ落ちたその瞬間に定められた運命に苦しみ、抗おうとした人々の物語。
ラストの静けさと切なさには胸が締め付けられます。
鑑賞中はむしろ落ち着いていたのに、鑑賞後に色々なシーンを思い出していたら一人でかなり泣いてしまいました。鑑賞中は思うことが多すぎて考えがまとまらなくて、却って気が張っていたのかもしれません。
人工授精で優秀な遺伝子を掛け合わせて「適正者」と呼ばれる子どもをつくることが常識となった近未来の世界。自然妊娠の結果産まれたヴィンセントは、出生時の遺伝子検査の結果「不適正者」の烙印を押されてしまう。
この世界では「不適正者」は一生底辺でいるしかない存在。前時代の肌の色や学歴に取って変わっていた不適正者への差別と偏見は、国の公認を得ている分、却って根強く、覆すことは難しかった。
そんな彼の夢は適正者しかなることが許されていない宇宙飛行士になること。しかしながら、遺伝子検査をされてしまえば不適正者の彼は落とされるしかなかった。
現実の厳しさにやさぐれていたある日、不慮の事故で半身不随となって車椅子生活を送る「適正者」の青年ジェロームの存在を知る。ヴィンセントは彼と契約して彼になりすますことで遺伝子検査をパスして念願だった宇宙局「ガタカ」の職員となる。
順調に出世し、宇宙飛行士へと近づいていたヴィンセント。
ただ、ガタカでは、毎日、身分証がわりに適正/不適正の検査がある。ジェロームの血液や尿を利用してそれを乗り切ってきたヴィンセントだけど、ある事件をきっかけに不適正者であることがばれそうになって…。
人生を導くのは、先天的に生まれ持った有能な遺伝子か、劣るとされる遺伝子でも不断の努力の結果として覆すことができるのか。
出生時に決められてしまうあまりに不確かな「可能性」とはそもそも何か。
正直、この主題を取り巻く核心部は、ヴィンセントの努力含めてもう少し詳しく描いてくれたらもっと奥行きが出たのにな、と思わずにはいられません。わりと序盤であっさりヴィンセントはガタカに勤めて、しかものし上がっていく過程は一切描かれないので。
これだけの素材を用意すればいくらでも深く突き詰めて個性を出せるはずのテーマ性や心理描写ではなく、主人公がわかりやすく追い詰められるハラハラ展開のほうに時間を割いて重きを置いている点は、(偏見と意地悪な視点があるかもしれないけれど)、娯楽性とスピード感を何より重視するアメリカ映画らしいつくりだなと思いました。
でも、「不正」をしながらも掴みたいものを掴んでひたすらもがく不適正者のヴィンセントと、適正者でありながら人生を失った感のあるジェロームの姿を観ていると色々なことを思わずにはいられないのです。
ヴィンセントの人生や欲望は明確に描かれているのに、ジェロームのそれはほとんど語られない分、なおのこと、その対比性には本当に想像がたくましくなってしまう。
不適正者とは違う適正者なりの孤独と重圧に苦しんだ過去をうっすらと垣間見せていたジェロームが選んだ最期には、視覚的にはっきり見せられるものと、明かされない感情が相まって、とても色々なことを思います。
とはいえ、作品テーマを無視するようで申し訳ないのですが、もし万が一現実の未来世界において、技術と意識の変化ゆえに「人工授精生まれの適正者」しかいなくなったとしても、人々の性質の違いも能力の違いもゼロになるわけではないし、それ以上に人間のエゴや優越感や残酷さなんてものはそれ以上になくなるわけはないので、「従来の適正者」から「新たな不適正者が設定される」だけなんだろうけど…と観終わってなによりも真っ先に思った私はやはり性格が悪いのかもしれません。 -
-
ahiruさん、こんばんは。はじめまして。ほhotaruと申します。
思いがあふれる素敵なレビューに、私も色々なシーンを思い出しました。
...ahiruさん、こんばんは。はじめまして。ほhotaruと申します。
思いがあふれる素敵なレビューに、私も色々なシーンを思い出しました。
私も同じシーンで、「なんでこんな近未来なのに家にエレベーターないねん!バリアフリーは!?」と声を上げました。
…が、この螺旋階段のシーン、とあるネット解説を読んだら、どうやら、遺伝子をイメージしているのだそうです。
ジェロームがヴィンセントのために必死にあの階段を昇ったのは、遺伝子、ひいてはそれによって定められた運命を自分たちの力で乗り越えたことの象徴なのだそうです。
長文失礼しました。2020/01/07 -
hotaruさん、はじめまして。コメントありがとうございます。普段SFを見ないので、こちらもSFの名作と聞いて少し敬遠?していたのですが、...hotaruさん、はじめまして。コメントありがとうございます。普段SFを見ないので、こちらもSFの名作と聞いて少し敬遠?していたのですが、本当に見てよかったです。
螺旋階段が遺伝子のイメージなんですね!!あの場面、すごく登るのが大変そうで、手に汗握って見ていたのですが、そう言われれば、最もジェロームが遺伝子の定めに抗ったシーンですものね…。すぎょい…。
何食わぬ普通の場面や背景や舞台セットに意味が込められているんですね。映画に頻出する「海」も、生命や遺伝を感じさせますね…!
本は好きですが、最近まで映画はあまり見て来なくて。これからの映画の楽しみ方がまた変わりそうです!コメント本当にありがとうございました(*'ω'*)2020/01/08
-
-
1997年アメリカ
イーサン・ホーク、ユマ・サーマン、ジュード・ロウ
「適正者」と「不適正者」両者の間に厳格な差別がある近未来。「適正者」を出産するために出生前に遺伝子操作をしてるっていうんだから神への冒涜(なんて言っていいんでしょうか)
遺伝子操作は別としてこの適正者、不適正者という身分階級は今の世でも違った形でいろいろとありそう。
そして、適正者しかなれない宇宙飛行士を夢見るヴィンセント(イーサン・ホーク)が子供のころから何事もあきらめずにやり続けた粘り強さが彼の運命を変え、不適正者の壁を超えたのでしょうね。
その手助けをしたのが適正者と生まれながら自殺未遂を起こしてしまったジェローム(ジュード・ロウ)
ジュード・ロウが何とも言えず、、、、よかった。-
モモさん こんにちは!随分前に観た映画だったけど…名作だったなあって思いが残る作品だったと思います☺︎モモさん こんにちは!随分前に観た映画だったけど…名作だったなあって思いが残る作品だったと思います☺︎2018/11/20
-
-
僕の夢は宇宙飛行士になることなんだよ~☆
でも、僕は生まれつき心臓が弱く不適正者なんだ、
しかも寿命は30年なんだってよ。
だけどね、それでも僕は宇宙飛行士になって
宇宙へ行くという夢をあきらめないよ!
だから、適正者の中でもトップクラスの能力を持つ君の
遺伝子を僕に与えてくれないか・・・。
いいよ、能力を持て余した末に下半身不随だし、
思い残すこともない。君にあげよう。
いいことなのか、よくないことなのか・・・。
心に残ったのは儚さと切なさの余韻。
う~ん、魅力的な作品だゎ。 -
遺伝子操作が当たり前となった近未来を舞台にした作品です。
友情や恋愛、サスペンスといろいろ盛り込みすぎたような気もしますが、遺伝子操作を受けなかったことで不適格者と区別された主人公が血のにじむような努力を行い、宇宙に行くという夢を実現する様子が切ないです。
人間とは生まれ持った要素だけでは左右されないものだし、それらをひっくり返すことも可能であるのだと勇気づけられます。 -
DNA繰作による優秀な遺伝子を持った“適正者”によって、自然な出産で生まれた人間が“不適正者”として支配される近未来。不適正者として生まれたビンセント(イーサン・ホーク)は宇宙飛行士を夢見ていたが、それは不適正者ではかなわぬ夢だった。
しかし、彼は自分の運命を変えるためDNAブローカ一の紹介でジェローム(ジュード・ロウ)という青年の適正者IDを買い取る。ジェロームになりすまして宇宙局ガタカの局員となったビンセントはついにタイタン探査船の航海士に選ばれる。
だが出発間近に上司が何者かに殺された事件でビンセントの髪の毛が発見された事から、正体発覚の窮地に立たされる。
ビンセントの素性に疑いを抱く女性局員アイリーン(ユマ・サーマン)。更にエリート捜査官となった弟のアントン(ローレン・ディーン)の介入で、彼はますます窮地に追い込まれる。
先天的遺伝子によって未來が決まってしまう近未来で心臓が弱く劣等人間のレッテルを張られている主人公ヴィンセントが宇宙飛行士の夢を実現するために遺伝子で限定された体力的社会的限界を並外れた努力と強い意思となりふり構わず他人になりすまして突破していく展開(かなわないはずの弟アントンとの遠泳に気合いで勝つなど)は、人の限界は意思と努力が引き起こした奇跡によって突破出来るという熱いメッセージが込められています。
美しい美術や照明も、ビンセントの正体がバレてしまいそうになる展開もスリリングです。
ビンセントとアイリーンの恋、ビンセントとジェロームの友情、切ないラストが深い余韻を残します。 -
遺伝子の優劣で身分が決まる近未来のSFドラマ。“社会不適正”の青年は夢を抱けるか?
見どころ
「シモーヌ」をはじめ独創的なSF作品で知られるアンドリュー・ニコル監督のデビュー作。無慈悲な管理社会に、人々の苦悩と愛情と希望が交錯し、静かに胸を打つ。
ストーリー
優秀な遺伝子を掛けあわせて生まれた「適正者」が支配する近未来。自然出産で生まれた「不適正者」のヴィンセントは、宇宙飛行士になる夢を叶えるため、「適正者」に偽装して宇宙局「ガタカ」に入社する。だが上司が何者かに殺され、ヴィンセントに容疑が…。 -
TVにて
ジュード・ロウとイーサン・ホークに芽生える絆が最後の場面,封筒を開けるところに凝縮されていて胸に迫ってきた.弟との確執,ユマ・サーマンとの愛,夢に賭ける姿,簡潔でスッキリしたストーリーながら遺伝子操作とそれに抗う情熱など奥深い映画だった.