ロシュフォールの恋人たち デジタルリマスター版(2枚組) [DVD]

監督 : ジャック・ドゥミ 
出演 : カトリーヌ・ドヌーヴ  フランソワーズ・ドルレアック  ジーン・ケリー  ジョージ・チャキリス  ジャック・ぺラン 
  • Happinet(SB)(D) (2011年12月7日発売)
4.10
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感想 : 99
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  • Amazon.co.jp ・映画
  • / ISBN・EAN: 4907953028005

感想・レビュー・書評

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  • 再鑑賞で初めて、展開は極めてシンプルながら「俯瞰的視点」を用いた細やかな映像構成に脱帽。カラフルでポップな映像、華やかな音楽、徹頭徹尾ポジティブなストーリーの三拍子。何度観てもその都度幸せな気分になれるフレンチ・ミュージカル映画の傑作。

    とことんポジティブで(いい意味でご都合主義でわかりやすく)、混み入ったストーリーではないので、あらすじを書いてしまうとそのままネタバレしてしまいそうなので省略しますが…。

    あらためて観ると、筋は単純ながら、映像として実に丁寧に組み立てられた展開構成が、おしゃれな映像と音楽にあいまって、本当に粋なのです。

    出会うべき「3組の運命の恋人たち」のそれぞれが、決して大都市ではないフランス・ロシュフォールの街中で、神様というかキューピッドのいたずらのような感じで、すれ違ってはいるはずなのになかなか会えないことを、鑑賞者だけはわかっているという俯瞰視点の構築の見事さが本当に素敵。
    1組ならそれでもよくある演出かもだけど、3組を同時進行で巧みに演出したドゥミ監督の手腕よ!
    観てて、「ああ!ああ!あと少し!」と、何度も、もどかしくも本当にキュンキュンしました。

    そしてそれを彩る、音楽担当ルグランのこれぞルグラン!というべき、いついかなる時も華やかな音楽!しかも、ルグランの音って、わりと個性的なのに、おそらく、「この映像作品に合う」ことを知っていた人。 
    話の転機となる要所要所で、同じメロディをテーマソング的に流して印象付ける「背景的演出」の匙加減具合が絶妙なのです。

    加えて、1960年代のワンピースを中心としたファッションのカラフルレトロな可愛さと、生地の質感や縫製の仕立ての良さ。2020年の今これが街で売っていたら、多少高くても、私は迷わず買います。(若き日のカトリーヌ・ドヌーヴが出てた頃の映画衣装って、どの作品も、基本的に仕立てがものすごく良いのですよね…。ドヌーヴの代表作の一つである「夕顔」のストーリーの良さは申し訳ないのですが正直よくわからなかったのですが、衣装の質は本当に一級品だと思います。)

    男性の衣装も、スタイルは画一的でシンプルだけども、その色彩の組み合わせが、充分に楽しませてくれます。特に、同系色の薄色のシャツと濃色のネクタイの組み合わせのセンスは眼福ものです。

    話がそれましたが…。

    個人的には、3組の中でも、キューピッドのいたずらだけでなく、唯一、人為的妨害が加わったために、ストーリー内では結局出会えなかったけど、その後の明るい未来と希望を感じさせる、カトリーヌ・ドヌーヴ演じるデルフィーヌと、ジャック・ペラン演じるマクサンスのカップルの結末に、期待ゆえに本当に胸が高鳴ります。真の結末をみせず、想像させる結末…これもエンタメの醍醐味。

    数々の名作を生み出した、ジャック・ドゥミ監督&ミシェル・ルグラン音楽の名コンビに加え、若き日の大女優カトリーヌ・ドヌーヴ、彼女の実姉で早世したフランソワーズ・ドルレアックが双子姉妹を演じたことでも話題となった作品です。

    ドゥミ&ルグラン&ドヌーヴといえば、悲しくも美しくて抒情的な余韻が残る「シェルブールの雨傘」も勿論素敵なのだけど、個人的にはひたすら陽のエネルギーに溢れた「ロシュフォール…」を、元気になりたい時に何度もリピートしてしまいます。
    そして、これからもリピートすると再確認した思った作品です。 

    本当に、芸術的な美しさのチョコレートボックスを開ける時のようなワクワク感がたまらない作品です。ヴァレンタイン・シーズンに、自分へのご褒美に、欲しかったチョコレートボックスを買って食べながら観ると、もしかしたらよりテンションあがる…かもしれません。

  • 移動橋から広場まで移動するなかで若者たちが踊るシーンは色彩と喜びに満ちていて美しい。改めて見ると、みんなが未来を信じる時代です。若さを謳歌する姿は輝やいて眩しい。大好きなカトリーヌ・ドヌーブは23才の若さで歌と踊りをふんだんに披露しています。すべてが色彩に満ちた記念碑的ミュージカルです。もう人類はこの輝きを取り戻せないというノスタルジーを感じました。双子姉妹の相方は実のお姉さん。この作品の公開直前に自動車事故で亡くなっています。

  • かなり昔に録画したのを鑑賞。

    「シェルブールの雨傘」と同じジャック・ドゥミ監督、カトリーヌ・ドヌーヴ出演、音楽ミシェル・ルグランの1967年公開のフランスのミュージカル映画。

    昔見た「シェルブールの雨傘」が悲劇だったので(傑作だと思いますが)、てっきりこの映画も悲劇かと思って敬遠していたら、とても楽しい映画だったのでもっと早く見ればよかったです。

    ジーン・ケリーがフランス語をしゃべっているのに驚きましたが、それ以上に「ウエストサイド物語」の悪役のジョージ・チャキリスが終始笑っているのにびっくりです。

    ミシェル・ルグランのナンバーは楽しい曲が多くてどれを聞いても心地良く、

    カトリーヌ・ドヌーヴが姉妹で歌っている「双児姉妹の歌」(吹き替え)が特に気に入りました。見終わって何日経ってもまだこの曲が頭の中で鳴り響いています。

  • これは映像を楽しむ映画。
    ストーリーに深い意図は無いように思う。
    フランスのお洒落を見せつけつつ、少しドラマを付け足して、歌や踊りを楽しむ。
    だからこそ、そこが下手なのがめちゃくちゃ気になる(笑)

  • 『シェルブールの雨傘』から『ロシュフォールの恋人たち』を連続で鑑賞。原題を直訳すると『ロシュフォールの娘たち』だけど、『恋人たち』にしたのは良い意訳だと思う。

    ストーリーだけなら『ロシュフォールの恋人たち』の方が楽しくて面白い。前作『シェルブール』は踊りがなかったけど、冒頭で「歌わずに」踊り出す。まずそこにびっくり、今回はダンスなんだな!と。
    そのかわり前作の特徴だったセリフが全部歌なのがなくなり、ストレートプレイありの普通のミュージカルになってしまった。
    それとともに尺が90分から120分になってる。前作は歌だけだったから90分で丁度良かった(限界だった)。今作はセリフありの120分だから、よりストーリーを語ることができる、だから面白い。ただ、作品として評価したくなるのはやはり前作の方。

    ストーリーで気になったのは、殺人犯の話を急にぶっこんできて、そこだけ妙に浮いてるのがすごい謎。こわい笑。

    カトリーヌドヌーヴが劣化したって言われてるけど(劣化って男から女性に使うのも失礼とは思うけども)、劣化じゃなくてこの時期痩せてるからだと思う。あと、チークがきついのと、髪(ウィッグ?)のボリュームがありすぎて変なのが理由かと。
    ちゃんと裏取れてないけど、『シェルブールの雨傘』の頃のドヌーヴってほんとに妊娠してるか産後すぐぐらいの時期。元々顔が細い人だけど、妊娠で顔がぽっちゃりしてるから美しいんじゃないか…という気がしてます。
    『リスボン特急』の頃のドヌーヴは普通に美しかったけど、その頃もマストロヤンニさんとの子どもを妊娠してたみたい。
    劣化劣化って簡単に言ってしまうのはあまり良いことじゃないですね。

    でもドヌーヴは好みじゃないので、お母さんとかカフェの女の子の方が好きでした。前作もだけど脇役の方がかわいい笑。

    前作のレビューでも書いたけど、アメリカ映画やミュージカル映画に対する恋。なのでジーンケリーとジョージチャキリスが出てる。当初はオードリーヘプバーンとブリジットバルドー、あとジェラルディンチャップリンが候補だったらしい…。

    ただ、この映画ってジーンケリーが出ることで全部持ってっちゃうからどうなの?と笑。ジーンケリー主役で別にオモロいからいいんですが。

    フランソワーズドルレアックとカトリーヌドヌーヴが姉妹って知らずに観てました。この映画の年に夭折されたそうで悲しいです。
    ポランスキーの『反撥』にはカトリーヌドヌーヴが、『袋小路』にはフランソワーズドルレアックが出てるから、ポランスキーは姉妹を連続で使ってるんですね。『袋小路』はだいぶ前に観たけど、もう内容忘れてます。

    色彩について。60年代は67年の頂点に向かって色彩がどぎつく下品になっていく。この映画も67年なのでけっこうきつい。イギリスのサイケ表現よりは全然マイルドですが…。

    『ララランド』は『ロシュフォール』のカフェのカウンターの色を歩道の横の壁の色にしたりと、細かいオマージュをしてるみたい。あと普通に冒頭もそうじゃないかな。
    『フォーリングダウン』が元ネタってのにはびっくりしましたけど笑。

  • ロシュフォールという一つの街のなかでの運命の出会いやすれ違いにハラハラドキドキした!
    ファッションや街並みのカラフルな色使いは何度観ても楽しめます♡

  • フランスの街並みやファッションがカラフルで、オシャレでかわいい!フランス語の歌詞も響きが気持ち良かった!音楽もどこかで聞いたことある有名な曲が多くて楽しかった!2時間と長かったけど、それぞれの恋の行方が気になって飽きずにみれた!最後に画家が「理想の女性」とようやく出会う(?)シーンが良かった。やっと。アンディーが恋に落ちたとき、浮かれて街中でダバダバドゥビドゥビヤーとかゆって踊り狂ってるのはちょっと笑った。みんなブブを人に任せすぎやし、デュトルの件もみんな意外とあっさりしててびっくりした!笑

  • 早稲田松竹で鑑賞。
    ひたすら鮮やかで楽しい。
    この街が素敵すぎて、パリなんか行かなくてもって思っちゃう。

    ロマンスミュージカルのはずなのに、なぜか最後の最後まではらはらさせられたけど笑、楽しかった!!

  • 歌もストーリーも衣装も全部可愛くて素敵で最高でした!
    お気に入りの映画です。とにかくこの映画の世界に生まれたかった!!!!!

  • 1967年の作品。
    何故、この作品をもっと早くに観なかったのか、非常に不思議です。
    「モン・パリ」に次いで、2作目のジャック・デュミ監督作品。どうやら、彼の色味がツボらしい。
    カトリーヌ・ドヌーヴ扮するデルフィンがブロンドで、フランソワーズ・ドルレアック演ずる双子の姉ソランジュが赤毛。この二人の服装がいちいち可愛いのは、もはや想像に難くないとしても、男性陣の色味がたまらんです。
    全身水色とかできめても素敵なのは、フランス映画だからなのか。
    マクサンス役のジャック・ペランは、おとぎ話の王子様然とした容姿で、現実感のない内容を歌って、水兵さんの格好で踊ったりしていても素敵なんですが。
    ジーン・ケリーが、とにかく素敵でした。ああ、このひとはスターなんだなあと、こんなに年月が経ってもわかるくらい。ちょっと垂れた目と、良いひとそうな微笑みに、見ていて思わず笑顔になってしまうくらいにポジティブなダンス。タップダンスのシーンは、こちらの体もうずうずしてしまうほど。
    お菓子色のお洋服に、夢見る乙女然とした建物やインテリア。あくまでもロマンチックな歌に、子供のように汚れのないダンス。その中に、嫉妬や妬み、後悔や愛の終わりを入れてくるところが、さすがなんだかんだといって現実的なフランス。そして、殺伐とした話題も、一笑にふしてまた笑顔に戻ってしまうタフさ。
    この映画に限ったことではないですが、フランス映画を見ると、精神的にタフでないと「愛する」ということは難しいのかな、と思います。

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