許されざる者 [DVD]

監督 : クリント・イーストウッド 
出演 : クリント・イーストウッド  ジーン・ハックマン  モーガン・フリーマン  リチャード・ハリス 
  • ワーナー・ホーム・ビデオ
3.65
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感想 : 65
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  • Amazon.co.jp ・映画
  • / ISBN・EAN: 4988135804808

感想・レビュー・書評

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  •  あらま,そんな結末なのね。
     人も殺したことのない若造が,賞金目当てに仲間を募って悪者を退治に行く。その仲間というのが,元殺しのプロとその友人。銃の腕は確かな二人だが,もう心を入れ替えて銃は使っていないというが…。
     勧善懲悪ものだとうなと思って見ていたけど,なんとも,考えさせられる結末だったわ。

  • 荒事からは足を洗っていたウィリアム・マニー(クリント・イーストウッド)の元へ、若いガンマンが訪れる。
    娼婦に傷を負わせ賞金をかけられた無法者を追うためだ。
    マニーのかつての相棒ネッド(モーガン・フリーマン)を加えた3人は追跡行に出かけるが、その頃、町の実力者の保安官ビル(ジーン・ハックマン)は疎ましい賞金稼ぎたちを袋叩きにしているところだった。
    やがてビルの暴力が黒人であるネッドにも及んだ……。
    引退した無法者が昔の仲間に誘われて、再び賞金首を狙って血みどろの旅に出るというストーリーが、イーストウッドの西部劇人生を総括した内容になっています。
    イーストウッドが演じた元無法者マーニーは、長年のブランクで銃の腕も鈍り馬も上手く乗りこなせなくなっていたのが、クライマックスでは殺された仲間の敵を討つために鬼神のような暴れっぷりを見せるのが、イーストウッドの面目躍如といったところです。
    イーストウッド演じる主人公が昔の過去に対して感じている罪悪感、ジーンハックマン演じるサディスティックな保安官、残虐なカウボーイに虐げられた売春婦の気高さ、腕利きと名高いイングリッシュボブやスコフィールドキッドが言うほどでもなかったり、決まりきった西部劇に人間的なリアリティを取り入れて、最高峰の西部劇映画になっています。

  • BSプレミアムシネマで。

    題名の通り。
     許されざる者。者達なんではないだろうか?
    過去の大悪党、暴力的な保安官、娼婦を傷つける男、賞金首をかける娼婦。
    許されざることをしてしまう背景が切ない。

  • TVにて
    正義ヅラした正義のいやらしさと改悛した悪党の悲哀が際立って本当に弱いものの救いを描いている.映像も素晴らしく
    エンディングのギターの調べが美しい.

  •  1992年、アメリカ。クリント・イーストウッド監督・主演。

     「反=西部劇」としての西部劇。「伝説の殺し屋」との異名を取ったイーストウッドは、冒頭から家畜のブタに振りまわされては泥だらけになり、スムーズに馬に乗ることも、銃で近くの空き缶を撃ち抜くこともできない。相棒のモーガン・フリーマン(妻は無表情なネイティブ・アメリカンだ)ははじめこそ威勢がよいものの、いざ殺しの現場に立つと、人を傷つける痛みに耐えきれず、一人で家に戻ろうとしたところを逮捕されてしまう。ジェームズ・ウールヴェットはただの悪ガキで、初めて人を殺したことの重さに苦しむことになる(1991年の湾岸戦争のあとで、こういう作品を作るところがイーストウッドらしい)。
     そして、「正義」をタテに街を暴力で支配するジーン・ハックマンの保安官と、顔と心を傷つけられた仲間の復讐を、カネを出し合って果たそうとする娼婦たち。典型的な西部劇のジャンルの約束事を批判的に上書きしながら、モーガン・フリーマンの無残な死を知らされたイーストウッドが豹変するあたりの緊張感がすばらしい。
     
     イーストウッドとフリーマンが馬に乗り、川を渡り、雄大な岩山をバックに夕陽を浴びて、野宿する。そんなシーンがあるだけで、もう十分にお腹がいっぱいになる。たぶんイーストウッドは、他の誰よりも西部劇が大好きなのだ。

  • 毎年のようにアカデミー賞のノミネートを見ていると面白いと常々思ってしまうのだが、1993年の第65回アカデミー賞は五本指にあげてもいいのじゃないかと思う年に感じる。

    この年の好きな映画を挙げていけば本当にきりがない!僕の好きな10本指の中に入りそうな「ロレンツォのオイル」「セントオブウーマン」を筆頭に助演男優賞にノミネートされたジャック・ニコルソンの「アフューグッドメン」成長著しい頃のデンゼル・ワシントンの「マルコムX」

    やはり主演男優賞にはあの大好きな演説シーンがあるセントオブウーマンのアル・パチーノ!しかし本作は作品賞・監督賞・ジーン・ハックマンの受援男優賞に数々の賞をゲット!

    「許されざる者」
    https://www.youtube.com/watch?v=3lpKv4b8cSw

    本作の脚本を制作の10年以上前に買っており、主演のマニーと同じ年に自分がなるのを待って作り始めた。中村吉右衛門さんの長谷川平蔵みたいな話がアメリカにもあるんですね。西部劇が作品賞を取った歴史は案外少なく本作が3作品目である。

    僕らの世代のイーストウッドのイメージと言えば、やはりダーティーハリーなのだが、イーストウッドの若かりし頃は大が付くほどの名作西部劇がごろごろしている。この作品がイーストウッド最後の西部劇と思うと居ても立っても居られない心境に!

    西部劇集めはいまだしていないのですが、……莫大な費用がね~ww

  • 「お前が生きるに値しないからだ」言いてえーww誅してえーwww

    イーストウッドとモーガンフリーマンの引退おじいさんと生意気キッド君が繰り広げるチキンレース。でもおじいちゃん達はかっこいいぜ。
    イーストウッドはかっこいい役を歳に合わせてやるな。

  • ネットで視聴(英語字幕)

    舞台の背景は1881年のアメリカ西部。

    アメリカではまだ西部劇の真っ最中だが、ヨーロッパに目を転じると、イギリスはヴィクトリア女王治下の最盛期の時代。

    「デビッド・コッパーフィールド」が発表されたのが1850-51年。
    作者のチャールズ・ディケンズが亡くなったのが1879年。
    ジェーン・オースティンの「高慢と偏見」は、70年あまり遡って1813年。

    フランスは第3共和制の時代で、パリ・コンミューンが10年前の1871年の5月。
    「ボヴァリー夫人」(1856年)の作者フロベールが1880年に亡くなっている。

    ドイツは鉄血宰相ビスマルクの時代。
    「資本論」(1867年)のカール・マルクスが亡くなったのが1883年。

    ロシアはアレクサンドル2世の時代。
    ちょうどこの年、1881年にドストエフスキーが亡くなっている。
    代表作の「罪と罰」は1866年、「カラマーゾフの兄弟」は1880年。

    日本は1868年の明治維新を経て、立憲運動が盛んになっていた時代。
    1881年は国会開設の勅諭が出され、板垣退助が自由党を結成した年。

    こういうふうに、1881年は、ヨーロッパでは資本主義・帝国主義の爛熟と国家間の衝突が眼前に現れつつあり、後発国である日本も、列強に追いつこうと国家体制の整備を急ピッチで進めていた時代。

    一方、アメリカでは、住民が拳銃を振り回しながらマン・ハントをやっていた。
    オースティンやディケンズが描いたイギリス中流社会や、フロベールの田舎風景、ドストエフスキーによるペテルブルグの地下生活に比べると、いかにも野蛮で、文明の遅れが目立つ(今も?)。

    映画ではイギリスから来たガンマンが登場するが、アメリカはこの時代、はぐれ者や冒険家たちが、一攫千金を夢見て数多くやってきたのだろう。

    かれをはじめ、主人公のマニー(クリント・イーストウッド)も、友人ネッド(モーガン・フリーマン)も、保安官リトル・ビル(ジーン・ハックマン)も、みな荒々しい無法者で、暴力や殺人を意に介さない。
    町の人間たちもその点は同じだ。
    人を雇って殺そうとする娼婦たちも。(実際にカウボーイが殺されている)

    唯一まともそうなのが、ネッドのインディアンの妻とマニーの子供たちだけという世界。

    銃と暴力が支配するこの世界で、許されざる者というのは、はたして誰を指すのだろうか。

    映画は傑作。
    何度見ても見飽きない。

  • イーストウッドにハズレなしと再認識させられました。多少の古さもなんのその。あまりの緊張感に画面前から体を動かせなくなりました。
    圧倒的な余韻もあり、素晴らしすぎました。
    ハズレるまでは全部見ていきます♪

  • クリント・イーストウッドさん主演の西部劇です。西部劇と聞くと派手なガンファイトを想像しますが、この映画ではそのような派手なシーンはあまり見られません。主人公の抱える陰惨な過去と生活の為に再び銃を取った複雑な心情描写やこの手の物語で欠かせない悪徳警官の存在等、見どころ沢山です。

  • かつてのマカロニウエスタンのスターであったイーストウッドの描く西部劇。
    許されざる者とはいったい誰なのか、銃口を人に向けるとはどういうことなのか、何が正義で何が悪なのか。。。
    それらを最後まで考えさせられました。
    映画の残す深い余韻が実に素晴らしかったです。

    イーストウッドはもちろん、脇を固めるモーガン・フリーマン、ジーン・ハックマンの演技も素晴らしく見応えたっぷりの作品でした。
    特に嫌~な保安官を演じたハックマンは嵌ってましたね。

    ドン・シーゲルとセルジオ・レオーネに捧げられた本作。
    クローズアップの多用などは、確かにレオーネの西部劇を彷彿とさせますね。

    (1992年 アメリカ)

  • DVD

    暴虐を尽くしてきた男が、奥さんをめとって改心するが、やはり血は争えないという話。
    この映画のかっこいい所は、イーストウッド演じる"許されざる男"が、金や復讐心に駆られて保安官を殺しても、決して妻を裏切らないという点。

  • クリント・イーストウッドの西部劇。年老いてもなおかっこいい(^^)

  • 人が死ぬのが当たり前な西部劇で、殺しの重さを幾重にも描いていて、不思議な新鮮さがある。
    最初の傷害は別として、他は主人公らにせよ保安官にせよやむを得ない暴力に見えるので、スッキリはしない。

  • イーストウッドがアカデミー賞を制した92年の作品。

    眈々とした物語はいかにも彼ならではのもの。物語はシンプルながらも、イーストウッドをはじめモーガン•フリーマン、ジーン•ハックマンといった名優中の名優たちの素晴らしさもあり、充分に見応えがある。

    ただしラストはいま見ると納得いかない。本来ならば勧善懲悪で片付けられるはずの物語だが、この結末を見ると本当の勧善懲悪などなく、暴力の連鎖からは何も生まれないという、至極真っ当且つとても冷徹なメッセージが放たれてるように思う。

    それがイーストウッドによる、“西部劇=作られた勧善懲悪の世界”へのラストメッセージなのだとしたら、それはそれで凄い。自分が演じてきた世界をこういう形で葬り去るものかと。そしていま見ると、アメリカという軍事大国そのものの批判にも見えたりする。

    本作の16年後、イーストウッドは『グラン•トリノ』という大傑作を作る。そこでは本作と真逆の結末がある。暴力は次の暴力を生む。暴力では何も解決しない、と。

    個人的には、断然にそちらを支持する派。この先いつか両作品を見直すとき、その感想は変わってるのかもしれないけれど。

  • 日本版が公開される前に、もう一度見直し。やはり良い。特にびびりのガンマン同士の銃撃戦は必見。近眼だわ、当たんないわ、痛い痛い騒ぐわ…マカロニウェスタンでは見られない本物の銃撃戦(ってきっと、ああだったんだろう)。人物造形もそれぞれ深く、善人悪人の境界線もあいまい。ただ主人公マニーの行動原理は深すぎて理解不能。イーストウッドの作品にはいつもこの理解不能な一線がある。『ミリオンダラーベイビー』を筆頭に。凡人には分からない天才の領域なのかも。☆4

  • 「午後のロードショー」にて。善と悪を相対的なものとして描いたという点では、かつての「勧善懲悪型」もしくは「アウトロー型」の西部劇とは明らかに一線を画しています。

    かつて殺し屋として名をはせたロートルの主人公(クリント・イーストウッド)にせよ、町を守るために極端な行動をする保安官(ジーン・ハックマン)にせよ、人物は複雑で煮え切らない。物事をスパっとクリアカットしない態度には知性を感じますが、映画に「わかりやすさ」や「カタルシス」を求める人にはなかなか辛い作品です。テンポの悪さもちょっと気になります。

  •  引退したかつての伝説のアウトローがもう一度殺しを請け負う。

     西部劇で当たり前に行われる銃撃戦による殺し合い。そんな映画の常識をあえてじっくり考えるテーマにしたのがこの映画。人を殺すということの重み。暴力で正義を行使する矛盾。それらをクリント・イーストウッドやジーン・ハックマンというかつての西部劇のスター達が演じて向き合うのだから、特別な意味がある。

     この映画が西部劇へのカウンターパンチであったように、渡辺謙によるリメイクは時代劇へのカウンターパンチになるのだろうか?

  • ささいなことで娼婦を傷つけたカウボーイたち、をかばう横暴な保安官、とその手下たち
    VS
    傷つけられた娼婦たちがふっかけた賞金を、生活苦のために手にしようとする、キッド、彼が誘ったマニー、さらにマニーが誘ったネッド。
    賞金稼ぎとはいってももうずいぶんまえに引退し、馬にも乗れず「人も殺せない」三人……。

    とにかくリアル。最後の西部劇と確かに銘打つべき作品。
    弱腰、及び腰が(まったくもって)コメディではなく、まるで現実のように淡々と描かれる。
    特に中途半端に撃ってしまった男をめぐって、敵味方が脅えながら慌てふためくという描写は、凄まじい。

    またキッドがあらかじめマニーを神格化している姿は、イーストウッドにかつて憧れた観客そのものでもあるのだろう。
    だからこそ、この文脈が映画に生きる。

    さすがイーストウッド。

  • I picked this up right after watching "Invictus". Sure, I ain't know nothing about Western, including the ones Clint is in. This was very good start for me to unspool the world I don't know yet.

    Another surprising fact was that he has been sending out his own messages regarding "gun society" way before he created "Gran Torino". Watching these in this order, I did understand he needed to modernize this later 19th century version into 21st century one. He must have sense of feeling him as one of unforgiven ones.

    My long journey to trail back his works has been re-initiated again.

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