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- / ISBN・EAN: 4988135804808
感想・レビュー・書評
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毎年のようにアカデミー賞のノミネートを見ていると面白いと常々思ってしまうのだが、1993年の第65回アカデミー賞は五本指にあげてもいいのじゃないかと思う年に感じる。
この年の好きな映画を挙げていけば本当にきりがない!僕の好きな10本指の中に入りそうな「ロレンツォのオイル」「セントオブウーマン」を筆頭に助演男優賞にノミネートされたジャック・ニコルソンの「アフューグッドメン」成長著しい頃のデンゼル・ワシントンの「マルコムX」
やはり主演男優賞にはあの大好きな演説シーンがあるセントオブウーマンのアル・パチーノ!しかし本作は作品賞・監督賞・ジーン・ハックマンの受援男優賞に数々の賞をゲット!
「許されざる者」
https://www.youtube.com/watch?v=3lpKv4b8cSw
本作の脚本を制作の10年以上前に買っており、主演のマニーと同じ年に自分がなるのを待って作り始めた。中村吉右衛門さんの長谷川平蔵みたいな話がアメリカにもあるんですね。西部劇が作品賞を取った歴史は案外少なく本作が3作品目である。
僕らの世代のイーストウッドのイメージと言えば、やはりダーティーハリーなのだが、イーストウッドの若かりし頃は大が付くほどの名作西部劇がごろごろしている。この作品がイーストウッド最後の西部劇と思うと居ても立っても居られない心境に!
西部劇集めはいまだしていないのですが、……莫大な費用がね~ww -
人が死ぬのが当たり前な西部劇で、殺しの重さを幾重にも描いていて、不思議な新鮮さがある。
最初の傷害は別として、他は主人公らにせよ保安官にせよやむを得ない暴力に見えるので、スッキリはしない。 -
イーストウッドがアカデミー賞を制した92年の作品。
眈々とした物語はいかにも彼ならではのもの。物語はシンプルながらも、イーストウッドをはじめモーガン•フリーマン、ジーン•ハックマンといった名優中の名優たちの素晴らしさもあり、充分に見応えがある。
ただしラストはいま見ると納得いかない。本来ならば勧善懲悪で片付けられるはずの物語だが、この結末を見ると本当の勧善懲悪などなく、暴力の連鎖からは何も生まれないという、至極真っ当且つとても冷徹なメッセージが放たれてるように思う。
それがイーストウッドによる、“西部劇=作られた勧善懲悪の世界”へのラストメッセージなのだとしたら、それはそれで凄い。自分が演じてきた世界をこういう形で葬り去るものかと。そしていま見ると、アメリカという軍事大国そのものの批判にも見えたりする。
本作の16年後、イーストウッドは『グラン•トリノ』という大傑作を作る。そこでは本作と真逆の結末がある。暴力は次の暴力を生む。暴力では何も解決しない、と。
個人的には、断然にそちらを支持する派。この先いつか両作品を見直すとき、その感想は変わってるのかもしれないけれど。 -
引退したかつての伝説のアウトローがもう一度殺しを請け負う。
西部劇で当たり前に行われる銃撃戦による殺し合い。そんな映画の常識をあえてじっくり考えるテーマにしたのがこの映画。人を殺すということの重み。暴力で正義を行使する矛盾。それらをクリント・イーストウッドやジーン・ハックマンというかつての西部劇のスター達が演じて向き合うのだから、特別な意味がある。
この映画が西部劇へのカウンターパンチであったように、渡辺謙によるリメイクは時代劇へのカウンターパンチになるのだろうか? -
人が人を裁くのは難しい。復讐の連鎖にはまるんやろうなぁ。しかしジーン・ハックマンは悪い感じがよく似合う。