文学界 2011年 06月号 [雑誌]

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感想・レビュー・書評

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  • 第112回文學界新人賞発表
    【受賞作】
    甘露   水原涼
    二十一歳の俊英が抜群の筆力で世に問う、家と家族をめぐる不穏さに充ちた小説
    癌だましい   山内令南
    食道癌をわずらう中年女性の食への執着を壮絶に描く、新たなる闘病小説の誕生
    【選評】角田光代・花村萬月・松浦寿輝・松浦理英子・吉田修一
    詩篇
    眼の海 ──わたしの死者たちに   辺見庸
    被災地・石巻を故郷に持つ作者が溢れ出る慟哭と鎮魂の思いを詩の言葉に託す
    創作
    水際の声   谷崎由依
    すきずき   瀬戸良枝
    群衆のナンバー   穂田川洋山
    エセー
    みみず   石田千
    レオポルド・ブルームの末裔   木村榮一
    電子書籍   長尾真
    深夜の爪切り   鬼海弘雄
    【論考】
    人間は放射線をどう恐れてきたか   青来有一
    連載小説
    二十世紀博覧会 新連載第二回   辻仁成
    モンフォーコンの鼠 第二十七回   鹿島茂
    武曲(むこく) 第二十五回   藤沢周
    カフカ式練習帳 第十八回   保坂和志
    路(ルー) 第二十四回   吉田修一
    傾国子女 第十三回   島田雅彦
    連載評論
    雑報   第六回 祝祭   安藤礼二
    ドストエフスキーの預言 第二十五回 亡命してはならない   佐藤優
    文學界図書室
    宮本輝『三十光年の星たち』(池上冬樹)/津村記久子『ワーカーズ・ダイジェスト』(山崎まどか)/ジュノ・ディアス『オスカー・ワオの短く凄まじい人生』(小山太一)/磯﨑憲一郎『赤の他人の瓜二つ』(沼野充義)
    著者インタビュー   安部ねり『安部公房伝』
    コラム
    カーヴの隅の本棚   鴻巣友季子
    ニッポンの名文   山口文憲
    鳥の眼・虫の眼   相馬悠々
    新人小説月評   大串尚代   石橋正孝
    Author’s Eyes
     不実な忠実   郷原佳以 
     ほんもの   小林里々子
    日本全国文学ガイド(5月7日~6月6日)
    文學界新人賞応募規定
    執筆者紹介
    Voice of Animals   三沢厚彦
    詩〈私の町〉   山田亮太

  • 【第百十二回文學界新人賞受賞作】『甘露』水原涼/

    ほとんど斜め読みをしてしまった。
    じっくりと読めるだけの時間のゆとりがなかったことも一つの理由だが、内容がつまらないというのも大きな理由だった。

    つまらないと感じてしまったのは、きっと読む前にあらすじを知ってしまったからだろう。
    筆者は現役大学生で、しかも芥川賞の候補になったということもあって、ある日テレビのニュースになっていた。

    ぼんやりとそのニュースを眺めていた時には読もうなんて全く思っていなかったが、図書館で偶然手に取った雑誌に掲載されていて、パラパラと眺めた。

    まず文体が古くさいと感じてしまって読むのを止めようと思った。でも、テレビで言っていたクライマックスのシーンまでは少なくとも読んでみようと思い、パラパラと、結局最後まで駆け足で読んでしまった。

    筆者は出来上がった原稿を恋人に読ませたそうだが、その恋人にとってはあまりにも衝撃的な内容だったそうで、別れを切り出されたらしい。
    親にも仕送りを停止されたそうだ。
    こういう内容の文章は、特に身内の人間を不快にするのかもしれない。

  • 芥川賞候補作「甘露」読了。確かに選評通りだし読後感もよくないが、まだ著者が若いので今後の作品に期待。

  • 上田などを舞台とした作品です。

  • 第112回文学界新人賞
    『甘露』
    『癌だましい』
    掲載。

    極々簡単に分類すると
    『甘露』は家族の近親相姦を垣間見てしまう青年の話。
    『癌だましい』は食事が生き甲斐だった中年女性が食道癌の苦しみを味わう話。

    どっちもあまり物語らしい物語はない。
    卑猥なエロティシズムと壮絶な食への欲望が描かれる。
    特定の場面における描写だけに重きが置かれていて、なんだか文学を読んだという気にならない。
    だからなんだと、正直思ってしまった。

    『甘露』は特に普段使い慣れない漢字を並べられて、方言と相まってなんだか読みにくいばかりだった。
    『癌だましい』は苦労して買い物する姿がリアルで、その後の食事は他人のエゴをただただ見せつけられているようで若干の嫌悪感すら抱く。
    そういう思いをさせた時点で価値なのかもしれないけれど、そんなものは外に出てれば嫌でも目の当たりにする。
    言葉の迫力を感じない訳ではないが、もう少しかみ砕ける話の流れが欲しかった。

    子供(自分)が無理して高尚な文学を読んで、背伸びしすぎてしまったのかな。

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