飢餓海峡 [DVD]

監督 : 内田吐夢 
出演 : 三国連太郎  高倉健  伴淳三郎  左幸子 
  • TOEI COMPANY,LTD.(TOE)(D)
3.64
  • (8)
  • (4)
  • (10)
  • (2)
  • (1)
本棚登録 : 62
感想 : 12
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・映画
  • / ISBN・EAN: 4988101160471

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  •  あ,これ,白黒映画です。

    《NHKプレミアムシネマ》の解説より
     昭和22年9月、青函連絡船が台風で転覆、多くの犠牲者が出た。同じ日、北海道岩内町の質屋一家が殺害、放火され、全町を焼きつくす大火事となる。
     連絡船の死体は乗客名簿より多く、函館警察の刑事・弓坂は身元不明の死体が岩内の殺人犯3人組のうち2人だと確信、残る1人を追跡するが…。
     実話を題材にした水上勉の小説を、巨匠・内田吐夢監督が斬新な映像美で映画化。三國連太郎、伴淳三郎、左幸子が共演する傑作ミステリー。

     とまあ,こうあるけれども,高倉健も若い刑事役として出ていますよ。
     例によって「斬新な映像美」と言われても,どこなのか,今となってはよく分かりませんが,確かに,きれいな映像ではあります。
     最初の場面で,恐山のような気がしたけれども,そうだったんだね。
     戦後,赤線(公娼)が廃止されるころのお話でもあります。10年という長い時間を扱ったので3時間を超えるのも無理はないね。

     先週見たヒッチコックの『ロープ』と同様,これもまた,「倒叙」の物語です。観客はすでに犯人が分かっていて,それをどうやって刑事が見つけて行くのかってやつですね。ただ,この映画には,そこに収まらないものも含まれています。それはみてのお楽しみ。
     それにしても,とってもいい人なのに,最後はあれしかなかったのかな~と思いますが,やはり,人を信じるって難しいんだな。そこの部分で一つ歯車が狂ったために,そうなったんだなと思いました。ネタバレにならないように書くと,こういう歯になにかが挟まったような感想になってしまいます。

  • 観たい映画だった。水上勉の原作。
    津軽海峡の洞爺丸沈没事件を ヒントにして、
    見知らぬふたつの死体が 沈没のあとにあがることで、
    事件は 始まる。伴淳三郎は おかしいと思う。

    三国連太郎と言う強烈な個性。
    彼が、二人を殺したと言う確証はまったくない。
    大きな男で、ひげ面、復員服をきている。
    三国連太郎は、逃走中に、左幸子におにぎりをもらう。
    左幸子は青森県大湊の宿屋の娼婦だった。
    それにしても、娼婦らしくみえない、普通のオンナである。
    左幸子は、犬飼から、大金をもらうことで、
    桎梏から抜け出して、東京へ行く。
    また、東京で同じようなシゴトをするのが解せないが。
    伴淳三郎は、左幸子の証言があやしいと思い、追いかける。
    これは、あきらかに、刑事の勘である。
    仮説、推定、そして、勘。

    左幸子は、5年間 はたらきつづけ 130万円ほど貯金ができる。
    左幸子は、「犬飼の爪」を大切にもっていた。
    そんなときに、犬飼ににている 舞鶴にいる樽見京一郎が新聞に載る。
    訪問することで、事件が発生する。
    左幸子は 心中事件のニンゲンとなって、死んでいた。
    味村刑事/高倉健は、左幸子の切り抜いた新聞記事から
    左幸子を 殺したのは 樽見/三国連太郎と推定する。
    しかし、証拠がない。
    左幸子は 犬飼の爪をもっていたので、
    今であれば DNA鑑定で 片付くが。
    北海道の 元刑事 伴淳三郎に会いに行く。
    二人で 樽見の正体を あばくのである。

    ずいぶん、昔の物語であるが、
    スリリングで、仕掛けができている。
    おもしろかった。

  • 2021.02.17 BSプレミアム

  • TVにて
    水上勉のやりきれない閉塞感のある貧しい世界が目の前に広がっていた.自分のことを本当に大切に思ってくれるやえさんを信じることができず,主人公の壊れていくのがかわいそうで仕方なかった.やり方によっては幸せになることもできたのに,とても悲しい物語だ.

  • ちょっと長いかないまとなっては。

  • 北海道で起きた凶悪事件に端を発して、青森の娼妓を巻き込んで起きる10年間の事件を描いている。
    ストーリー展開としては砂の器を彷彿とさせるけど、監督も脚本家も違うらしい。

  • おススメ

  • アマゾンプライムで見たが、三國連太郎演じる犯人が被害者が持っていた爪で、駄目だと観念したが、爪ぐらいだと、
    DNAがない時代に、そこまで、簡単に自白するとは思えないところが不自然に感じた。でも、三國連太郎の演技も素晴らしい。左幸子も今と違って若干、太り気味であるのが、また、スタイルが洗練されていないところが昔らしかった。でも、あらすじは、そこそこ、面白かった。でも、表紙がカラーなので、映像も当然、カラーと思ったら、白黒で、びっくりした。1950年代だから、カラーと思ったが、

  • 違和感を感じるのは女の愛。
    あそこまで一度出会っただけの、お金はもらったにしても・・・、そんな男のことを「つめ」をフェチに愛し続けながら、成功したかもしれない男に「会いに」行くのだろうか。
    この女の馬鹿さ加減が、物語を破滅に導くことになるのですが、その「愛」に違和感があるから、全体としてもどかしさが残る。

  • 昭和22年に青函連絡船沈没事故と北海道岩内での大規模火災が同時に起きる。火災は質屋の店主を殺害し金品を奪った犯人による放火と判明。そして転覆した連絡船からは二人の身元不明死体が見つかった。それは質屋に押し入った三人組強盗のうちの二人であることが分かる。函館警察の弓坂刑事(伴淳三郎)は、事件の夜に姿を消した犬飼多吉(三國連太郎)という男を追って下北半島へ赴く。

    罪と嘘を重ね続け10年間怯えていた犬飼、そんな男を信じた不幸な女(左幸子)、そして事件に拘る弓坂刑事を中心に描いた重厚な人間ドラマ。3時間という大長編ですが、原作にあった警察捜査や北辺の開拓村のエピソードなどを割愛し、テンポの良い作品に仕上がっています。三国連太郎の迫力、伴淳三郎含む刑事らの執念、そして『爪』で表現した左幸子の切ない気持ちが素晴らしく、作品に重みと深みを与えています。最後の犯人が飛び込んだ後に海を走る船の映像も非常に印象的で評判通りの傑作だと思いました。
    欲を言えば、犯行動機を理解し易くする為にも、もう少し後半部に樽見京一郎の生い立ちを入れるべきだったかなと思いました。

全12件中 1 - 10件を表示
  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×