君とひととき [DVD]

監督 : エルンスト・ルビッチ 
出演 : モーリス・シュヴァリエ 
  • ブロードウェイ (2012年3月1日発売)
3.00
  • (0)
  • (0)
  • (2)
  • (0)
  • (0)
本棚登録 : 3
感想 : 1
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・映画
  • / ISBN・EAN: 4944285022042

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • シネマヴェーラ渋谷のルビッチ特集「ルビッチ・タッチ!Ⅱ」で5月18日に鑑賞した。


    サイレント期の傑作『 結婚哲学 』のセルフリメイク。

    ジョージ・キューカーが監督として撮り始めたが、途中から実質的にルビッチが現場を仕切ったため、監督としてクレジットされた。

    そう思いながら観ると、最初の方のちょっともたつき感のある箇所はキューカーが演出したところのように思えてくるのはルビッチファンの贔屓目か。

    サイレント映画というのはトーキーよりスピーディーなので、『 結婚哲学 』よりも本作の方がゆっくりなのは確かだ。

    ただ、それがもたついて感じられるかどうかは、実際の速度よりもリズム・緩急の問題なので、ルビッチの他のトーキー作品にそういうところがないのを考慮にいれると、キューカーに責任があると考えてもそうおかしくはない。


    物語は『 結婚哲学 』をほぼ忠実に踏襲している。


    アンドレとコレットは仲の良い夫婦。コレットの親友ミッツィは夫婦生活に不満を持っており、アンドレを誘惑する。一方、ミッツィの夫オリビエ教授は、妻と離婚するために探偵を雇って……。


    役者に関しては本作の方が良い。

    特にモーリス・シュヴァリエは、完璧な二枚目というより現実的にモテる男とはこういう人なのだろうというのを具現化したような顔立ちで、ルビッチ映画に合っている。

    誘惑されて困りつつ、でも断りきれず押し切られてしまう普通の男の感覚を見事に演じている。


    物語の基本プロットは同じでも、ラストの畳み掛けに関しては元作品を上回っている。

    ラストの畳み掛けというと、本作から2年後の1934年に同じくモーリス・シュヴァリエとジャネット・マクドナルドのコンビで撮った『 メリー・ウィドウ 』があり、あっちはあっちで非常に楽しいのだが、印象の強さでは本作に軍配が上がる。

    YouTubeで探したが動画が見つからないので見せられないが、一度観たらあの「Sit down!」は忘れられない。

  • 夫婦1、夫婦2、情夫、という複数の男女が登場し、それぞれ四方八方に色目ベクトルが行ったり来たりするが、それらを魔術のようにまとめてメデタシメデタシとするあたりは、さすがルビッチのスクリューボールコメディ。。

    【ストーリー】
    パリっ子の粋なお医者さんアンドレ・ベルティエは美しい奥さんコレットをもちろん愛している。そして至極、仲睦まじく円満に暮らしている。

    ところが、ある日アンドレはタクシーの中で美しい夫人と偶然知り合いになった。その夫人と言うのは彼の愛妻コレットの親友ミッチであることが判った。ミッチは親友のご亭主がお金持ちのお医者さんで女には特別親切な男であることを知り、親友のご亭主の親友になることを決心し、直ちに病気になることにして往診を電話で乞うた。

    コレットは、事情は知らず早く見舞ってくれと夫に頼んだ。ミッチの夫オリヴィエ教授は、変人で何が気に入らぬか奥さんを離別しようと思って、何か口実を求めて私立探偵を雇って妻の行動を監視させている。コレットは、ある晩夜会を催し、夫とミッチとを並ばせる心算と名札を置いたが、アンドレはミッチに危険を感じていた矢先なので、マルテル嬢の名札と置き換えた。

    コレットは晩餐の席上で、夫とマルテル嬢が並んでいるので、夫が嬢に気があるのだと勘違いをする。ミッチは食後アンドレを庭園に誘い出してネクタイを解いてやる。アンドレがそれをマルテル嬢に結んでもらうと、偶然コレットが見つけて怒る。

    アンドレは濡衣を着せられて憤慨し、ミッチを医者としてでなく訪問する。アドルフという変挺な男は、コレットの美貌にフラフラとなって室に入り込み彼女に接吻する。だが、その後、アンドレとコレットは仲直りが出来たのに引かえ、ミッチはついに教授の許を家出してしまう。教授は、アンドレに妻を離婚するにつき、彼を情夫として法廷に持ち出すことを告げる。

    コレットは、夫がミッチの情人となっていることを知り、悲観しまた憤慨する。そして、彼女にもアドルフという恋人があると告白するが、アンドレは信じない。そこへ偶然アドルフが入って来て、仰天して帰ろうとすると、コレットが首っ玉にかじりつく。すぐにアドルフを追い返して、夫婦双方とも罪があるから一緒に結婚生活を固めて行こうと申し込む。そこでアンドレは安堵の胸をなでおろした。

    「私の殺した男」に次ぐエルンスト・ルビッチ作品で、「陽気な中尉さん」「ラヴ・パレイド」のモーリス・シュヴァリエが主演するもの。原作はかつて「結婚哲学」として映画化されたことあるロタール・シュミット作の舞台劇で、「私の殺した男」「陽気な中尉さん」のサムソン・ラファエルソンが脚色し、「街のをんな」のジョージ・キューカーがルビッチの指導のもとに監督した。カメラは「私の殺した男」「モンテカルロ」のヴィクター・ミルナーの担当である。助演者は「ラヴ・パレイド」「モンテカルロ」のジャネット・マクドナルド、「母性」「新聞街の殺人」のジュヌヴィエーヴ・トバン、「陽気な中尉さん」「春ひらく(1931)」のチャールズ・ラグルズ、「ニュウムーン」「マダム・サタン」のローランド・ヤング、「陽気な中尉さん」のジョージ・バービア、ジョセフィン・ダン、リチャード、カール、チャールズ・ジューデルスらである。歌詞及び歌曲はオスカー・ストラウス、レオ・ロビン、リチャード・ホワイティングがものした。

全1件中 1 - 1件を表示
  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×