- Amazon.co.jp ・電子書籍 (174ページ)
感想・レビュー・書評
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すこし前に本書がはやったが、その際には国粋主義的な雰囲気を感じて敬遠していた。
はやりから大分日が経って改めて読んでみたが大変な良著であることに驚いた。(というより、私自身の知見が足りていなかっただけだが。)
てっきり主観的随筆的文章だと思い込んでいたが、堂々たる哲学書といえるのではないか。東西を超えた著者の広範な知識に裏打ちされた、明治維新前後の日本人の思想的背景を論じた書。単なる随筆ではないところは、論理的に堅牢な構成で記されているところ。これは日本人以外の人々を読者として英語で記されていることにもよるのだろう。
確かに、日本人の思想的背景を理解する上では、誰もが一度は読んだ方が良い書物だと感じた。
最近、日本の倫理的よりどころをどこに求めるかということをしばしば考えることがあるが、それに対する一つの解釈が本書には示されていると思う。特段のよりどころが示されない現在の道徳教育では説得力がない点に対して、明治~大正期のキリスト者的解釈がどうであったかということを理解することができるのではないだろうか。
一方で、無批判的に本書を称賛するのは、理解として浅薄であるように思う。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
「武士道」(新渡戸稲造 : 岬龍一郎 訳)を読んだ。
今更だけどまあ読んでおこうかなと。
『武士道は、日本の象徴である桜花とおなじように、日本の国土に咲く固有の華である。』(本文より)
が、日本からサムライが消えてどれほどになるのだろう。
私達は何かを見直す時が来たのかもしれない。 -
これで3回目の読破だが、新渡戸稲造氏の卓越した理解と表現力に毎度脱帽する。英語で出版した事も、当時欧米人の日本に対する偏見と無知に危機感を覚えての事ではなかろうか?そして、武士道の精神は現代の日本人の根底に今も無意識のうちに脈々と流れてる事を信じたい。
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だめだ…
教養が足らなすぎて、読んでいても頭に入ってこない!(´-`).。oO
もともとアングロサクソン系に向けて書かれている様なので当たり前だけど、西洋古典からの引用と表現が多くて、半分くらい読んでギブアップ…
これすんなり読める人すごいよう。 -
外国からも賞賛されたという新渡戸稲造の武士道。なるほど、「外国の○○という素晴らしい文化(考え方・歴史・偉人)と武士道のここが通ずる」と海外の文化と結びつけて武士道が語られるから共感を得られやすくし、さらに(外国人にとって)自国の文化を褒められるという自尊心までくすぐってくれる使用なのが外国に受け入れらたんだな、と納得。
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3.8とても良い本を読んだ。新渡戸氏の幅広い見識から、武士道という捉え所のない精神を比較対照論的に浮き彫りにする。想像以上の平易な文章でとても読みやすい。