Harvard Business Review (ハーバード・ビジネス・レビュー) 2012年 04月号 [雑誌]
- ダイヤモンド社 (2012年3月10日発売)
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感想・レビュー・書評
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ハーバード・ビジネス・レビュー。
今回の特集は絆の経営。
実際に、マネジメント層とプロジェクトメンバーとのコミュニケーション形成の必要性に説いている印象のある今号。
個人的に面白かったのは、
・「トヨタ生産方式で知識労働を改善する」
暗黙知を明文化し、無駄を省く。
「リーン・スタートアップ」などで再び脚光を浴びている「リーン生産方式」。(細部にこだわること、データに基づいた実験を徹底すること、作業者は担当業務の効率的の向上と無駄の排除にたえず取り込むこと。)
それをベースにし、知識労働を改善させるという論文。実のところ、暗黙知といわれるところも、明文化することができ、改善させライバルとの差別化を図ることができるということがインドのIT企業をケースに実証したものとなっていて、非常に興味深い。導入するまでには時間のかかるものではあるが、組織面から長期的な競争優位を導くことも可能であると考えさせられる内容。
・「マネージャをつくらない会社」
これは非常に興味深い。あえて、マネジャーをつくらない(というよりは、全員が決定権を持ち、責任をもたせる)という型破りなマネジメント手法である。自主管理を徹底する世界最大のトマト加工業者「モーニング・スター」を事例に述べられている。かといって、チーム内における情報共有、評価等をしている点も非常に新鮮であった。全員がマネジャーであり、賢慮のあるリーダーシップであるといえそうだ。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
集合的野心7つの要素
・目的
・ビジョン
・目標とマイルストーン
・戦略上、業務上の優先事項
・ブランドの約束
・価値観
・リーダーの行動
目的を何よりも優先する。 -
いくつか興味深い記事はあったが、トップの「トヨタ生産方式で知識労働を改善する」が特に良かった。
修士論文で挫折したテーマに近く、大野耐一のTPSをサービス産業に、今の仕事に導入して、生産効率を向上させたいと思っていたので、余計にそう感じたのかも知れない。
現在の会社では、今年に入ってこの記事に書かれているような労働改善の動きが始まりそうな気配がある(原則2の仕事の明文化)。幸いな事にトップダウンで行われる(何らかの支援が期待できる)ので、継続できれば上手く回るかもしれない。
事例として紹介されていたウィプロ社の成果が数値で紹介されているもっと良かった。この手の論文は仕事に直結するし、人間の働き方に影響を与えるので面白い。 -
特に面白かった記事
p.10 トヨタ生産方式で知識労働を改善する
p.30 マネジャーをつくらない会社
p.78 依存し合う経営
特に三番目の記事のマネジャーの姿勢が参考になりました。 -
朝型の方が夜型よりも出世する(The Early Bird Really Does Get the Worm) クリストフ・ランドラー(Christoph Randler)
各人のクロノタイプの約50%は遺伝だという。
トレーニングにより多少は変えることができるが、大幅に変えるのは難しい。
朝型か夜型かを見分ける方法
平日と週末の起床時間。夜型は大きく異なる。平均約2時間
朝型と夜型の特徴
朝型:感じが良い、楽観的、穏やかである、能動的、誠実、人生に満足している
夜型:創造的、知的、ユーモアがある、外向的、悲観的、神経質、うつ
出世する・しないは別として、タイプにより得意なことが違う、遺伝要素があることを理解しておくのは大切。